表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

前編

「ティアナ・クランベル!! 貴様との婚約は、今ここで破棄させていただく!」


…私、ティアナ・クランベルは、今盛大なぱーちーの途中で婚約破棄を告げられています。


私、婚約破棄されるような事したっけ?

何を隠そう私は転生していた。6歳の頃、私は前世の記憶を思い出した。今の自分は「らぶはセンセーション!」略して「らぶセン」の悪役令嬢、ティアナ・クランベルだという事を!

いやあ、イカ八郎もビックリ!明美ちゃんもビックリな事実だ!(分かりにくいネタなのは分かってる)

ティアナ・クランベルはネットでは「ティアネキ」と呼ばれるほどの慕われっぷり。

そりゃあ、途中まで自分を虐めていた悪役が、ヒロインが本当に自分の婚約者を愛していると分かるやいなや認めてくれて、わざとヒロインを虐める“フリ”をし、婚約破棄まで自分を追い込み、ヒロインと婚約者をくっつけようとする。なのに元婚約者に有罪判決されて殺されちゃうんですよ?

元婚約者はヒロインが「やめて!ティアナ様は…」って止めようとしても聞かないし…あのティアネキの

『ああ、私死んでしまうのですね?』▼

『貴方達二人の結婚式を見れなくて残念ですわ…』▼

『まだ少ししか知らないけれど…お二人は幸せになれる。私には分かります』▼

『今までも、これからも、リリューシア様を宜しくお願い致します。お父様、お母様、ユーリ…今まで、本当に、__________……』▼

ティアナ様の最後の言葉は、集まった民衆の声と、振り降ろされたギロチンの 刃の音で聞こえなかった。▼

でも、私には聞こえた様な気がした。▼

『あ り が と う』▼

にっこりと笑いながら死んでいったティアナ様の言葉が。 end1『ありがとう』

は本当に泣けた。 涙ぼろっぼろだ。

でも、私は殺されるのはごめんだ。二人の愛のために何故人身御供にならなければならないのか。

ざけんな!人生エンジョイしてやる!

っていうのが私の考え。元のティアナ様と比べれば私は糞みたいかもしんないけど、

死にたくないもの。しょうがないじゃない。


まあそんな脳内葛藤茶番劇は置いといて、

目の前には、王太子であり、 私の婚約者であるリリューシア・マラカルトとほんわかビッチおっぱい、ユーリ・メルディアスのいちゃラヴ×2とその取り巻きたちの姿。

ユーリちゃんは微かに震えている。

私の婚約者様(笑)は、震えているユーリちゃんを優しく抱擁しながらも言葉を続けた。


「貴様は今まで周りの者に権力をふるいかざし、ユーリを虐めるように仕向けたそうだな!」

私も、リリューシアに負けじと言い返していった。だって、本当に虐めてないし…


「あら、私はそんな下賤な、胸だけの娘ごときに権力を使って虐めるほどの理由などありませんわよ?」

「何を言っている!ユーリが証言している!」

「私…確かにティアナ様に…ううっ…」


「ユーリちゃんが可哀想じゃーん?さっさと言えよ。公爵家の“悪役”ご令嬢サマ?」

「そうですよ、ユーリ嬢か言えもしないようなことをして…!!」

言い合っていると、取り巻きたちが話に入ってきた。ぎゃあぎゃあ騒いでいてとってもうるさい。

私の家の犬でもそんなぎゃあぎゃあ言わないのに…


「ではユーリ嬢? “私が”!“貴女に”!何をしたのか言ってご覧なさぁーい?」

私の口元がゆるりとにやけた。ほーら、ほーら、って急かすと、ユーリちゃんの顔がどんどん赤く染まっていった。だが私は容赦なく攻め続ける。婚約者になんて礼儀のないやつだっていう顔をされてもまったく気にしない。気にしない。気にしない!!

「言わなきゃ分からないわよぉ〜?」

私がそう言った時、ユーリちゃんは吹っ切れたらしく、真っ赤な顔を覆い隠しながらゆっくりと口を開いていった。


「お…」

「お?」

「おっぱ」

「おっぱ?」


ユーリちゃんが言葉を発すると取り巻きたちはオウム返しをする。それが何度も続く。まだユーリちゃんは意を決していない様だ。だが、少しずつ発する言葉が多くなっていった。

そして、ユーリちゃんはやっと私が目当てにしていた言葉を言った。


「お、おっぱいを揉まれたんです!!」


周りはぽかんとしている。主に私の婚約者。まだついていけないようだ。

取り巻きたちはざわざわしている。

ユーリちゃんは羞恥心で真っ赤っか。


私はその場でただ一人、ガッツポーズで優越感を抱いていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ