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推しの妻になりました 〜アイドルと契約結婚〜  作者: 桐生桜


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第4話 悪魔の契約書①

 ようやく帰宅して時刻は23時。

 『XENO』の配信の時間だ。


「あ、始まった」


 なんとか間に合った。

 いつも通りのオープニング。

 画面に映るTOMAをじっと見つめる。


 本当に今日あったのがこの人?

 あまりの別人っぷりに、数時間前のやりとりが嘘だったのかと思うほど。


 やっぱり違う人……だったのかな。

 こんな人が私に偽装結婚なんてありえないよね。


 推しに会えただけでも夢のようなのに、推しがあんなこと言うわけないよね。

 うんうん。

 やっぱりあれは夢か別人か……きっとそう。


 苺依はそう自分に言い聞かせた。


          ◆

 


 翌朝。

 目が覚めると案外、頭の中はすっきりしていた。


「さっ、今日も頑張ろうっと!」


 新しい朝の心地良い陽を浴びて、ホテルへと向かった。


「おはようございます!」


 いつもと変わらない挨拶をかわし、制服に着替える。

 この制服は苺依が憧れ続けた服。

 袖を通すたびに身が引き締まる。


 朝の日課を終わらせて業務に就こうかというときに、名指しで電話が入る。


「高階さん、お客様から」

「はい! もしもしお電話変わりました、高階で…………」

「あんた、昨日の約束……忘れてねぇだろうな?」

「あ……」


 夢じゃなかったんだ。

 今の今まで、絶対夢だと思ったのに。


「……いえ、忘れてなど……」

「嘘つけ。間があったじゃねぇか。ま、いいから早く来い」


――――――ガチャン


 返事も聞かずに切られてしまった。


 あいつっ…………やっぱり優しくないっ!


 とても不本意ながらもTOMAの部屋の呼び鈴を鳴らした。

 扉が開くとすぐにTOMAから鋭い視線で睨まれる。


「お……遅くなり……」

「入れ」


 間髪入れずに手首を掴まれ部屋に引っ張られる。


「わぁっ……! ちょっと、引っ張らないでください」

「あんたがさっさと入らないからだろ。面倒なことはごめんだ」


 自分から面倒事に巻き込んだくせに!


「今日はこれにサインしてくれ」

「これ?」


 TOMAが苺依に渡したのは『契約結婚に関する契約書』だった。


――To be continued

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