白馬ベロ、公道を駆ける。/(ギフト)タイトルは面白そう
タイトル「白馬ベロ、公道を駆ける。」
風を切り、力強く地を打つ疾走のリズムが、公道に響く…!
白い馬が駆ける。
風を切り、力強く地を打つ疾走のリズムが、公道に響いている。
「そこの白馬!止まりなさい!」
「嫌です!僕には走る権利がある!」
「話は後で聞いてやるから、一旦止まりなさい!」
納得できない白馬は、不満の鼻息を漏らした。
「馬は道路交通法では軽車両と同じ扱いなのに、何で公道を走ったらいけないんですか!」
「法が許したとしても、常識ってものがあるだろう!」
「ハァ!?僕が常識知らずの暴れ馬だと言いたいんですか?」
「ああその通りだよ!周りを見てみろ!みんなドン引いているぞ!」
「何でだ!僕はみんなと形が違うだけなのに…!」
「とにかく、止まらないなら公務執行妨害で逮捕だ!」
「クソがクソがクソが!逮捕は卑怯だぞ!」
逮捕という言葉に怯んだ白馬が道路の隅に止まると、警官も止まり、パトカーから出てくる。
「はい、名前は?」
「菅田将暉」
「願望は聞いてない。で、名前は?」
「ベロ。いつも舌をベロベロしているから」
「ベロさん。どっから来たの?」
「御料牧場」
「えーと…..。何で公道を走っていたんだ?」
「僕はもう、誰かが決めた道を走るのは、ウンザリなんだ!」
「宮内庁の人たちが心配してるぞ」
「心配しているのは僕のことじゃない。僕を逃したことだ。誰も僕の気持ちを知ろうともしないんだから!」
「おい!待て!」
ベロは警官を振り切り、再び駆け出した。
「僕には夢があるんだ!」
「ヒヒーン!着いた…!」
そこは、SNSで話題の料理屋だった。
ベロは、厩務員のおじさんから、宮中の料理番のドラマの話を聞いて以来、料理の世界に憧れていたのだ。
「らっしゃい!」
「僕、料理の世界で輝きたいです!」
ベロがそう言うと、次の瞬間、脇腹に突き刺さる感触を感じた。
ベロの視界は、徐々に闇へと沈んでいった。
──何故だ…。何故、僕は捌かれようとしているんだ?
確かに料理の世界で輝きたいと言ったよ?
言ったけれども…。
これが食物連鎖というものなのか。
僕たちは、食べ物に感謝をしなくてはならない。
僕もあなたも、命をいただいて生きているからだ。
だから手を合わせて、こう言うんだ『いただきます』
生きとし生けるもの全てに感謝して。
後日。
「馬刺し久しぶりだわ~!」
「いただきま〜す!」
終わり
それは、地球からのギフト。




