NO.11 エスコート
卒業を控えた3か月前位から殿下が登校する機会は少なくなった。
以前は毎日少ない時間でも来ていたが、その頃から1週間に1度位になった。
来ても挨拶もできない日が続いた。
公務がお忙しいらしい。
そして、1か月前からは登校してないらしい。
毎日、挨拶程度を交わしていたものが、無くなると寂しいものだと思うようになった。
殿下は今頃何をしてるのだろう?と考えることもある。
そんな時に、殿下から手紙が届いた。
卒業式まではもう登校できないと書いてあった。
内容は話せないが、国内にいるとの事だった。
卒業パーティーには出席するつもりなので、是非パートナーになって欲しいと書いてあった。
とても驚いた。
それでも、何か心が弾んだ。
お母様に相談したところ、殿下からのお申し出をお断りするなどあり得ないとの事で、承諾の返事を書いた。
お父様はお仕事がお忙しいご様子でやはりずっと家を空けられてる。
背中を押された感じではあるが、内心は押して欲しいと思っていた?かもしれない。
お兄様は、私をエスコートできずに大変残念がられていた。
暫くしてから、殿下からドレスが届いた。
これにも驚かされた。
ボートネックでマーメードラインの美しいドレスだった。
ウエストラインには、私の瞳と同じラベンダーのサッシュがあり、ドレスと同じゴールドとプラチナで百合の刺繍が取り巻いてあった。
そして、白地に殿下の髪と同じゴールドと私の髪と同じプラチナで百合の凝った刺繍が全面に配してあった。
きっと私の思い過ごしだと思ったが、恥ずかしかった。
小さい頃の夢だった『王子様が迎えに来てくれる』そんなことを思い出した。
卒業パーティーが終わったら、近衛騎士として勤務することが決まってるから、令嬢として一生の思い出になりそうだ。




