第四話 初クエスト
四日間の講習も無事に終え、講習終了のサービスとして好きな武器を一つ貰えると言う事なので、迷った末にショートソードを選んだ。
どれも初心者向け用って事で大して良いものでは無いが、魔法の杖とかMP無くなったらただの木の棒だし、ナイフも心持たないし…
と言う訳なのだ。ちなみに講習時に吸収したのが
・〈身体強化Lv1〉→剣士から
・〈HP+1〉→剣士から
・〈ファイアーボールLv1〉→魔法使いから
・〈ウォーターボールLv1〉→魔法使いから
・〈ヒールLv1〉→僧侶から
・〈MP回復の祈りLv1〉→僧侶から
・〈気配操作Lv1〉→斥候から
・〈罠探知Lv1〉→斥候から
大体、講習開始時に握手して挨拶させてもらいその時〈吸収〉!ご馳走様です。
さて、午後はクエスト受けないとまずいよな。って事で掲示板を見ていると
【常時依頼:ウェストフォレストでの魔物討伐】
・スライムの魔石x5個 報酬:銅貨5枚
・ゴブリンの魔石x5個 報酬:銅貨8枚
・フォレストウルフの魔石 報酬:銅貨3枚
コレだな。スライムとゴブリンは5個単位でウルフは単体で良いのか。ウェストフォレストって、俺が最初にいた所だよな。街に来るまで魔物に会わなかったけど……いるのか?
若干の不安もあるが、受付嬢に確認しに行くと
『森へ入って北側へ少し行くと、結構出てきますよ!あまり奥まで行くと大量に湧いてる場合があるので、気をつけてくださいね!』
と、教えてもらい、早速森へ向かってみる事に。
そうか、俺が最初にいた所は少し魔物の生息域からズレてたんだな。良かったよ最初からハードモードじゃ無くて。
そんな事を思いながらしばらく進むと、スライム登場!まずは〈鑑定〉で、弱点が〈火〉ってなってるから、試しに〈ファイアーボール〉を打ってみる。
うん。一撃
余裕…
良いのか?こんな簡単で……
スライムの魔石1個ゲット!
「ひょっとして魔石からも〈吸収〉出来るのでは?」
【《不老化》を覚えました】
出来たけど、何だか妙なモノを…
まぁ、良いか!この調子でクエスト分狩って行こう。
それから数時間、〈鑑定〉〈MP回復の祈り〉〈ファイアーボール〉〈吸収〉を繰り返して、スライムの魔石25個、ゴブリンの魔石10個ゲット!ちなみにゴブリンの弱点も〈火〉だったから〈ファイアーボール〉で楽勝。
で、ゴブリンの魔石から〈吸収〉した1発目が〈絶倫〉と何ともコレのレベルが上がったら、これから厄介になりそうなので、ゴブリンの魔石からの〈吸収〉は辞めることにした。
・〈不老化〉x7
・〈酸弾〉x10
・〈HP+1〉x3
・〈MP+1〉x5
・〈絶倫〉x1
今日の成果はこんなものか。
辺りも陽が落ち始めたので、急いで戻り換金しないと。〈身体強化〉が凄い役に立ち、あっという間にギルドへ、到着!
早速、受付嬢に、魔石を出すと
『あら、初日から結構倒せたのね!これなら初心者用ダンジョンは必要無いかしら⁉︎』
と、何やら面白そうな、話が。
「あのぉ、初心者用のダンジョンなんてものがあるんですか?」
『えぇ、この街の北門近くにあるわ!ヘータさんは初心者講習を受けたから、いきなりクエストもありだったけど、講習を受けなかったらダンジョンを、お勧めしてたわね。』
『やっぱり魔物を目の前にすると、パニックになったり、竦んでしまう様な方達がいるのよ!そういう方達にダンジョンで慣れてからクエスト受けて貰った方が死亡率が下がるからね!そういう事よ』
「なるほどです!ちなみに俺がそのダンジョン入ってみても良いですか?」
『構わないけど、全5階層で出てくるモンスターも、スライムとゴブリンだけ、ボス部屋もゴーレム一体。尚且つ、ドロップ品は一切無し。なんの旨みも無いからそれを分かった上で行くなら問題無いわよ!』
「了解しました。ありがとうございます。」
『それじゃ、換金しちゃうから、少々お待ち下さいね。』
そして貰った額が大銅貨4枚と銅貨1枚。そうこの世界の貨幣は
・銅貨10枚 → 大銅貨1枚
・大銅貨10枚 → 銀貨1枚
・銀貨10枚 → 大銀貨1枚
・大銀貨10枚 → 金貨1枚
・金貨10枚 → 大金貨1枚
となり、銅貨1枚は100円ぐらいの価値みたい。食事も大体が銅貨5〜10枚前後といったところ。分かり易くて助かります。
さっさと宿に戻って、晩御飯にするか。
実は2日目からは晩御飯は2人前頼む事にした!やっぱりヤミーと分けると物足りないからだ。いつも通り、ヤミーと晩御飯を取りながら話をする。
「ヤミー、夜中の散歩で何か良さげ情報あった?」
『まぁ、精霊様に関しては何も無い。ただ、ここの領主が出している商隊が度々、行方不明になっているらしい。東の隣街〈ビランチャ〉に向かう途中に。まぁ、盗賊だろうな』
『それより、ヘータ。あの受付嬢が言ってたダンジョンに、行くのか?』
「うん。とりあえず行ってみるよ!初ダンジョンだし、ひょっとしたら精霊の情報も何かあるかもしれないしね!」
『まぁ、そうだな。精霊様の小さいながらも感じるし、この近くにはいると思われるからな』
そんな事を話し合ってから、シャワーを浴び今日を終えたのだった。