第十七話 ブイオ&ドロリーとの再会
俺は、ダンジョンの入り口を増やすための場所として〈精霊樹〉の南側を考えていた。理由としては、南側が〈魔素〉が濃く、山の麓までの距離も長いため、魔物が湧きやすいのだ。
定期的に駆除に来ていて、分かった事だった。
俺が〈精霊樹〉の元へ〈転移〉すると、そこには久しぶりの面々があった。ブイオ様とドロリーだ。
「あっ、お久しぶりです。ブイオ様、ドロリー」
『ブイオ様、お久しぶりです。』
『やぁ、久しぶり。ヘータ、様は要らないよ。呼び捨てで構わない。それとヤミー待たせたね。』
『お久しぶりです。ヘータさん、ヤミーさん』
あれ?なんかブイオ様、少し健康体になった気がするし、かなり軽い感じになったな。
「じゃぁ、ブイオさんって、呼ばせてもらいますね」
『あぁ、それで構わないよ。あの時は、ちょっと余裕が無くて偉ぶっちゃったからね』
「お二人共、回復して何よりです」
『ありがとう。ヘータさん。ところで、あのダンジョンマスターさんとはまだ仲良くしてるんですか?』
「あぁ、ダンコね。仲良くしてるよ。仲間も増えたしね」
『あのぉ、出来れば私もそのダンジョンに置いていただけないでしょうか?』
「えっ?ここの方が暮らしやすいんじゃないの?」
『もちろん、空気的にはこちらの方が良いのですけど、そのダンコさんにちゃんと恩返ししたいと言うか、仲良くなりたいというか……』
「分かった。ちょっと待ってね。」
俺は念話でダンコに確認する。あっさりOKが出たので、ドロリーをダンジョンへ連れて行く事にした。
「ヤミーは、ここでブイオさんと話しでもしてて。ドロリーをダンジョンへ送ってくるよ」
『分かった。ありがとう』
ダンジョンへドロリーを連れて行き、ドロリーにディーネとドラゴンの卵を紹介する。後はダンコと2人で話をするだろう。
ディーネをブイオさんに紹介する為に、〈精霊樹〉の元へ連れて行く。
「ただいま。ブイオさん、こちらが今一緒に旅をしている、ディーネです。これからも会う事があるかもしれませんが、宜しくお願いします。」
『今、紹介にあったディーネと申します。今後とも宜しくお願いします。ブイオ様』
『あぁ、こちらこそ宜しくお願いします。あと、様付けじゃ無くて良いからね。ディーネ』
『それとヤミーから、今までの話は大体聞いたよ。ヘータご苦労様。改めてありがとう』
「いや、仕事みたいな物ですから。ちなみに、ブイオさんが復活して、何か感じる事や変わった事で俺がやらなきゃいけない事って、ありますか?」
『そうだね。気になってるのは、大精霊よりも中小の精霊達のことだね。そこでね、提案があるんだ。』
『ディーネにも関係することだから、君の意思も尊重するからね。』
ブイオさんの提案というのが、
・大精霊は後回しにし、先に中小の精霊達の解放
・ヤミーにダンジョンのサブマスター権限を与える
・ディーネを闇精霊の眷属として、ヤミーと同じスキル、加護を与える
・俺とディーネ組、ブイオさんとヤミー組に分かれて中小の精霊達の捜索をする
・解放した精霊達は一度ダンジョン14階に送る
「話は分かりました。それでしたら、皆んなで一度ダンジョンの我が家へ行き、そこで話を詰めましょう」
そうして皆んなでダンジョンの我が家に戻ってきた。ダンコとドロリーも交えて、再度話をし、詰めて行く。
『分かったっす!んじゃ、ヤミーさんに、サブマスターの権限と、他の方達にはディーネさんと同様のここと行ったことのある場所なら単身で転移出来る権限を渡すっす!』
『これで、ドロリーちゃんも、〈精霊樹〉とここを行ったり来たり出来るっすよ!』
『ありがとう。ダンコちゃん!』
異様な形だったとは言え、長い間一緒にいた2人は仲良くなるのも早かった様で何よりだ。
『あと、14階に関しては要望が有れば言ってくださいっす。応えられる物なら対応するっすよ!』
するとブイオさんが、
『ヤミーから聞いた話だと、ここの14,15階は外と同じ様に、朝昼晩があるらしいから、あとは簡易的なモノで構わないから、水辺、草原、焚き火みたいに火がある所があれば問題無いよ』
「それなら、俺から一つ良いかな?」
『もちろんっすよ!なんすか?』
「14階、もう少し広げて小さくて良いから湖が欲しいな。その水辺に焚き火場作って、火の番をミニゴーレムにお願いしたい。」
『その位なら、問題無くすぐ作れるっすよ。〈DP〉もまだ余裕あるっすから!』
ダンコが凄く頼もしい。これもドラゴンの卵のおかげなのかな……
ディーネも快く提案を受け入れ、ブイオさんから、ヤミーと同じスキルと加護を貰った。
「ところでブイオさん、大精霊様達を後回しにする意味って、何かあるんですか?」
『そうだね。僕も含めて大精霊達は、この六大国の王都に居るよ。で、その一つが何者かの手により解放されてしまった。』
『その情報は、残りの五大国はもう知っていると思って間違いないよ。そうすると残りの五大国は何をすると思う?』
「衛りを固めるって所ですかね?」
『そうだね。半分正解!残りの半分は兵力(攻撃力)の増強だね。』
「兵力ですか?」
『うん。もし、大精霊を奪われてしまったら、他国のを奪いに行く事にするかもしれないし、守る為に戦争になるかもしれない。となると、兵力(攻撃力)の増強は急務だね。』
「なるほど!」
『そうなると、手っ取り早いのが強力な魔道具だよね?人を育てるのは時間が掛かるからね。そう言う事だね。』
「そうですね!分かりました。中小の精霊達が最優先ですね。」
その後も色々と確認し合い、すごい速さで時間が過ぎていった。




