第十六話 迷宮神からの贈り物
『ヘータさ〜ん!大変っすよ〜っ!ヤバいっす!』
声を荒げて家に入って来たダンコにお茶を出し、落ち着かせ話を聞く事に。
「とりあえず、お茶でも飲んで落ち着け。話はちゃんと聞くから」
『ふぅっ。分かったっす!お茶貰うっすね。ふぅっ。はぁ〜っ』
大きく息を吐き出し、落ち着こうとするダンコ。
『ふぅっ。よしっ。話をするっすね!まず、さっき〈迷宮神〉様から、神託が降りて来たっす。』
「ふむ。〈迷宮神〉様か。それでどんな内容だったの?」
『なんでも、うちのダンジョンが一つ星ダンジョンにランクアップしたらしく、報奨にドラゴンの卵を送ってくるみたいなんすよ。』
「へぇ〜!良かったじゃないか⁈でも、何か困る事があるんだよね?」
『うちはドラゴンとか育てた事なんて無いっすよ!それに、このダンジョンはほぼヘータさんが考えて配置して、なんなら贄だってヘータさんが送り込んで来てくれてるから、ヘータさんのダンジョンみたいなものじゃないっすか⁉︎』
「ん〜、でも俺の考えを具現化してるのも、日々のメンテナンスもダンコがやってるし、ちゃんとダンジョンマスターしてると思うけどなぁ」
『いやぁ、まぁ。ヘータさんにそう言われるとなんか照れるっすね!』
「大丈夫!ダンコならちゃんとやれるし、ドラゴン育てるのも俺もディーネも協力するから!」
「1人で背負い込む必要は無いよ!」
『そうっすか⁈んじゃ、これからも宜しくお願いするっす!』
「ところで、ダンジョンがランクアップした事で、何か出来る事は増えてないの?」
『まだ確認して無いっす!これから、確認するっすよ!』
「了解!ドラゴンの卵かぁ、どれくらいのサイズ感なんだろうね?孵化するまでは近くにいてあげたいから、このフロアをもう少しだけ、広くしよう!」
『了解っす!とりあえず今の倍ぐらいにしておくっすよ!』
「ありがとう。宜しくね!」
そうして、ダンコは15階の拡充と新たな機能の確認に向った。俺とディーネは〈スコルピオーネ〉へ向かうべく、街道に〈転移〉した。
『ふふっ、ダンコちゃん相当焦っていたわね!』
「そうだね。ドラゴンの卵送られてくるって事だから、仕方なかったんじゃない⁈」
『それにしても〈迷宮神〉様なんて存在がいるのね。未だに想像出来ないわ』
「確かに!いつか、会ってみたい気もするなぁ」
『ヘータと一緒に居ると、普通じゃ経験出来ないことが経験出来るから楽しいわ!』
「俺自身も、色々と不思議な経験出来てて、楽しいんだ!」
そんな話をしながら、日が暮れるまで街道を進んだ。
それから数日後、変わらずディーネと街道を歩いていると念話で、ダンコからドラゴンの卵が送られてきたと連絡を受ける。
俺とディーネは辺りを確認し、ダンジョンへ〈転移〉した。
「おぉ〜コレがドラゴンの卵かぁ⁉︎思ってたより小さいな。」
『そうっすね!うちでも抱き抱えれるぐらいっすからね』
『やっぱり卵って、温かいのね。』
バスケットボールを2個並べたぐらいのサイズ感だ。そして、じんわり温かい。生きている証だ。
「このサイズだったら、ベッドをもう一つ置いてそこで冷やさないようにしよう!」
『そうっすね!一階にもう一部屋作って、そこをドラゴンの卵部屋にするっす!』
『ダンコちゃん、このドラゴンの名前考えておくと良いわよ!男女どちらか分からないから、両方用意しておいた方が良いかもね』
『名前っすか?くぅ〜、難しいっすね〜』
『大丈夫よ!ダンコちゃんが付けた名前ならきっと喜んでくれるわ。頑張ってね!お母さん』
『えぇ〜、うちが、ドラゴンの母ちゃんっすか?なんか、変な感じっすね〜!でも、卵見てたら頑張ろうって思えてきたっすよ!』
「さすが!一つ星ダンジョンマスター♪」
『えへへ、照れるっす』
『あっ、名前思いついたっす!この子の名前は〈ステラ〉っす。』
「おぉ〜良いじゃん!男女どちらでも構わない感じだね〜」
『ダンコちゃん流石ね!とても良い名前だわ』
『ビシッと来たっす!元気に産まれてくるっすよ〈ステラ〉』
そう言いながらダンコは卵を優しく摩っていた。どうやら、母性が目覚めたらしく、今までは元気ハツラツの可愛い女の子って感じが、今は強くも優しい女性という雰囲気をだしている。
すごい。本当に驚きだ。
ダンコはすぐさま、卵部屋を作りベッドに卵を寝かせる。布団を掛けてあげ、冷えない様にした。少し落ち着いたところでダンコに呼ばれる。
『ヘータさん、ちょっと時間良いっすか?ダンジョンの新しい機能についてっす』
「もちろん。是非、聞かせて欲しい。」
話を聞くと、変わったところは
・最大100階まで可能
・入り口は3箇所まで可能
・ドロップ品はAランクまで可能
・サブマスターの上限2人まで可能
・配置出来るモンスターの種類が増えた。
こんなところらしい。
『で、どうっすか?うちとしては、入り口を増やしたい所っすね。』
「俺もそれはやるべきだと思う。ただ、ちょっと待ってて欲しいかな。もう少しだけ考えさせて」
『もちろんっすよ!ちなみに、うちが思ったのは、〈魔素〉が濃い所に作れば、〈魔素〉も魔物も流れ込んで来るんじゃないかと思ったっす。』
「なるほど確かに!それ良いね。早速一つは〈魔素〉の濃い所で決定だね!候補地探すよ。」
そして、俺は〈精霊樹〉の元へと移動した。




