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人類殲滅ときどきスローライフ  作者: こぶこぶ
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第十三話 ディーネの決断

 俺はディーネに全てを話すため、ディーネの店を訪ねる。


 「ディーネ、少し話をしたいから、時間を貰えないかな?」


 『もう店を閉める時間だから少しだけ、待っててもらえるかしら?』


 「分かった。外で待たせてもらうね。」


 そして、数分待つと


 『お待たせ。どこかお店でも入るの?』


 「いや、ちょっと見てもらいたいものもあるし、ついて来てもらえるかな⁈」


 『分かったわ。少し楽しみね♪』


 そうして、2人で街の外へ出て、ダンジョンへ〈転移〉する。


 『えっ?ここはどこ?』


 「ここは、ダンジョンの中だよ。」


 『ダンジョンって……』


 「さぁ、こっちに来て」


 ダンジョン内の我が家に招き入れ、お茶を出しディーネに全てを話しした。


 『やっぱりね⁈何かあるんじゃ無いかなと思っていたのよ』


 ディーネの反応は想像してたものとは全く違うものだった。


 「えっ、あまり驚いてなさそうだけど……」


 『驚いてはいるわよ!ただ、ヘータが森の中で消えたり、現れたりするのを何度か見かけてたから、特別な何かがあるのかな?とは思っていたの』


 『まさか、こんなにも突拍子も無い事だらけだとは思ってなかったのだけど、何故か、やっぱりね!ってどこかで落ち着いちゃって。』


 「そっか。〈転移〉してるの見られてたのか…それで、その事って誰かに話してる?」


 『まさか⁈誰にも話してないわよ。何よりそう言う事を話しする相手もいないしね。』


 「それは助かる。ありがとう」


 「それで俺としては、一緒に旅をする事はしたい。ただ、その行く先々でやらなきゃ行けない事もあるし、どんなに気に入った場所でも留まる事は出来ない。」


 「それでも構わないのであれば、一緒に連れて行って貰えないかな」


 ディーネは何かを考え込む様に黙り込み、お茶を飲み干してから口を開く。


 『それなら、私も全てを話さないとフェアじゃ無いわね』


 何かを決心したような顔つきをしたディーネがそう言ったので、俺はお茶を出し直して、ディーネの話を黙って聞く事にした。


 ディーネの両親は〈カヴァリエレスト王国〉の王都〈カヴァリエレスト〉で冒険者をしていたらしく、ディーネもそこで産まれた。


 父はディーネが5歳の頃に亡くなり、母と2人で王都から離れ安息の地を求めて旅をしていた。母が行く先々でクエストを受け、その日暮らしの様な生活だったのこと。


 そしてディーネが9歳の頃に辿り着いたこの〈ベルジニ〉でやっと、落ち着け2人でポーション屋を始めた。しかしディーネの母もディーネが15歳の時に亡くなった。


 ディーネの母はディーネが18歳という成人を迎えるまでの間の店舗兼、家の建物を領主に自分の身を売る事で契約してたのだ。日に日に体調が悪くなっていく母。そして母が亡くなった翌日、領主が来て契約内容の事実を知らされた。


 ディーネが成人した後も契約したいのなら、その身を差し出せと条件を出してきたが、これを断るがその後も執拗に言い寄ってくる。


 そしてある日、一緒にパーティーを組んでクエストを受けている最中に、パーティーメンバーに拉致られ、領主の屋敷で領主を含めた複数人に犯された。


 母も同じ目に遭っていた事を知らされ、当時子供で何も知らずに過ごしてた自分が嫌になり、涙が出たが抵抗する事を諦め、男達に弄ばれた。そんな日々が何ヶ月か続いた……


 ある日、ボロボロの姿で街を歩く姿を現在のギルドマスターが見かけて、事情を聞き色々と対応してくれたらしく、当時のギルドマスターは更迭、関わっていた冒険者達は資格の剥奪及び追放。領主は投獄の後、奴隷落ち。そして新しい領主へ交代。


 そして、店舗兼家の契約に関しては18歳を迎えるまでは前契約書の元、ディーネへの賃貸継続。その後の契約は王都の賃貸契約を元に双方の話し合いを経て、決めるとの事。


 色々なモノを壊されたディーネは自死する勇気も無く、壊され続ける日々は終わったが、失ったモノは戻って来ない日々をただ漠然と流されるかのように生きてきた。


 そんな日々が続いたある日、最後に父の墓参りしてから人生を終えようと、父の墓がある〈カヴァリエレスト王国〉内にある〈トーロ〉という街へ向かおうと決め、賃貸契約の更新はしない事にした。


 『そうして、今に至るってところ。幻滅した?』


 「いや、想像以上に過酷な人生歩んでるなぁと。年齢の割に冷めた感じがしたのはそのせいかな⁉︎」


 『あと数日で18歳(成人)になるからね。色々とあるわよ』


 『どう?こんな壊れた女だけど、一緒に旅してくれる気は変わっちゃった?』


 「いや、変わらないよ。お互い色々あって良いんじゃないかな」


 「お父さんのお墓参りの後、どうしても死にたかったら、言って。安楽死コースに送ってあげるから」


 『ありがとう。考えておくわ。』


 ディーネの話を聞いて、色々な感情が溢れてきた。一人の女性としてや、娘のように女の子としてとか、ネガティブな感情ではなく、守ってあげたい、幸せになって欲しいみたいな感情だ。


 「んじゃさ、このダンジョンの中にディーネの部屋も用意するから、そこで寝泊まりすると良いよ。お金の節約にもなるしね」


 『ありがとうでも、タダって言うのも気が引けるから、ご飯は私が用意するわ』


 「おぉ〜それは助かるよ!」


 こうして、俺はディーネと共に旅に出ることを決め、ディーネはこのダンジョンを拠点に生活し俺と共に旅する事を決めたのだった。

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