HAPPY END「未来はきっと……」
十年後。
アイリス王国、避暑地の花畑にて
「コマ! コマリィース様ぁ!! おま! お待ちをぉおおおお!!」
「わきゃあああっ!!」
「こーらっ!! コマリィース!! あんまり遠くに行ってはダメよぉ!!」
「はあああい! おかあさまああああ!!」
「お待ち! お待ちをぉおおお……!!」
「まったくもう……セバスチャンも大変ですわねぇ……」
「フフッ……。昔のお前を見てるみたいじゃないか、レイリィース」
「えぇ? あなたと出会った時は、あそこまでお転婆じゃなかったでしょう? クロムウェル様?」
「どうかな? どっちもいい勝負だったと思うが……」
「まあ! 言ってくれますわね!」
「お、怒るなって、冗談だよ」
「あなたの冗談は皮肉と判別がつきませんのよ! まったくもう……!」
「悪かったって。気を付ける……ほどほどにな……。ハハハッ……!」
「そうしてください。ほんとにまったく……」
「フフフッ……」
『わきゃああああっ! セバスチャンはやく、はやくぅ!!』
『お待ち、お待ちをっ……ぜぇぜぇ……!』
「…………大きくなったな、あの子も」
「えぇ……昔はあんなに小さかったのに……。今にきっと、この国有数の大人物になりますわよ?」
「そうかな? そうかもな……。お前と俺の子だ……」
「そうですわ。きっと世界にその名を轟かすでしょう……」
「………………」
「クロムウェル様……」
「なんだ?」
「……実は……あの子を産んだ時、私の体の奥底から、何か大きな物がすっかり抜け落ちてしまったような、そんな感覚がしましたの」
「ほう……?」
「何となくなんですけど……あれは多分、私の中にあった特別な力だったんだと思います……」
「例の『死に戻り』の能力か」
「はい……」
「……不安か、レイリィース?」
「いいえ、全然!」
『ワキャアアアッ! おとうさまぁ! おかあさまぁ!!』
「だって未来はきっと、あんな力がなくても切り開けるはずですもの!」
「………………」
「あの子がいて、あなたがいて、私がいて……。たくさんの支えてくれる方々がいらっしゃって……。フフフッ! 何を恐れる必要がありまして?」
「……そうだな。きっと大丈夫だ。いや、大丈夫にしてみせるさ。お前の愛する夫がな」
「フフフフッ! 頼りにしてますわ、私の大好きな旦那様」
「ああ。俺も頼りにしているぞ。俺の愛する大切な奥様」
「「………………」」
『おとうさまぁ? おかあさまぁ?』
『わあああああ! 見てはいけません、コマリィース様あああ!?』
『わきゃ?』
予定より随分長くなり、時間もかかってしまいましたが、一応これにて完結です!
ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました!!




