転移、交戦
なんとかできたので、投稿。一部間違っている恐れあり。
2022年6月4日 一部修正
意識が浮上する。
俺―八重島鷹―は違和感を覚えた。
確か、自分は部屋で寝ていた筈だが。
周りを見渡すと、その様な痕跡は見られない。
代わりにあるのは、白い何かだ。
部屋の様に認識できるが、奥行きが感じられない不自然な白さ。
自分以外には誰も居ないようだった。
手に何かが握られていると認識したのは、ここに来てから1分が過ぎた時だった。
手の中にあった物は、A4サイズのコピー用紙だった。
2035年にも成って紙媒体を使うとは、少々考えられなかった。
紙に書いてある内容を口に出す。
「任命書。八重島鷹少尉、TACNAME”サガミ”は、2035年1月4日0000を持て…ソオコル・ラリエリ第6軍第1飛行隊第1小隊、コールサイン”スワロー”指揮下に入れ。…気味悪いな。」
そこに書かれていたのは、過去にやっていたあるFPSゲームの自分が所属していた組織名だった。
ソオコル・ラリエリ。
確か、日本語では隼の何かという意味らしいが…詳細は不明だ。
俺は、白波瀬文と一緒にあのゲームをプレイしていた。最初の頃は、二人だけで傭兵の様にあちこちの組織に入り、戦った。
だが、ある日。
自分の隊にある人物が加わった。
その人はずっとファントムⅡを使っていた。
その人と最初に交戦したのは、ある雨の日の事である。初めに制空権を取る為、戦闘機を撃墜していく。
しかし、中々撃墜できなかった。
ひらりひらりと木の葉が舞う様に避ける。
ミサイルが、砲弾が、レーザーが、レールガンすらも。
戦闘後、彼が話しかけてきた。
“君たち、中々腕が良いね。また会ったら、君たちのみと戦いたいものだ。”
その後、彼―ユーザーネーム、ヴェールヌイ。コールサイン、TACネームも同じ。―は俺たちの飛行隊―フェニックス隊。部隊章は漢字一字“響”―と合流した。
それから、戦績は一気に向上。
特に対地攻撃スコアはトップ3に入った事もある。
それは、彼の指導力の高さに由来する物なのだろう。
対地攻撃のコツや、対艦目標に対しての接近の仕方等。
最も、彼が元空自アグレッサーで、錬度も部隊では随一だった為だろう。その事を聞いた時、椅子からひっくり返ってしまったのは俺が悪いのではない。
それから、ソオコル・ラリエリに入隊。
あれから色々あったが、ゲームとは言え苦楽を共にした仲である。彼らは今どこで何をしているのだろうか。
ふと疑問に思ったが、この紙は胡散臭すぎた。
何故自分しか知らないゲームのそれが書いてあるのか。考えられる可能性は複数ある。
だからこそ、手早くその紙を破く。しかし、その行動が不味かったのだろう。
不気味な声が聞こえてきた。
「第32号書式、認証。実行します。対象、八重島鷹。」
その声を聞いた直後、意識が落ちた。
♢
「本当によろしかったのですか。」
ここは人が入れない、異次元。
そこに2柱の神が居た。光の玉だが、容姿は人型に成ればよく似ているのだろう、声はしわがれていた。
「まあ、大丈夫だ。幾らあの術師でも、我らを認識は出来まい。」
それに、と片割れが言葉を紡いだ。
「あの世界は我らには荷が重すぎる。例えどんな精鋭であったとしても、ただ消え去るのみだ。」
暫くした後、彼らはその場から消えていた。
残されていた物は、ただ1枚のコピー用紙のみだった。
”人類滅亡は、今後100年の現に掛る”
♢
地球換算 2035年1月4日 0000 世界名”キュラーム” 中央大洋上 北大陸南端より沖合200㎞
第0特務独立艦隊 旗艦 戦艦”霧島”会議室
「艦長。間もなく海域AE47です。」
インカムからの声が、はっきりと聞こえた。
私―北上修は、戦艦霧島の艦長を務めている。階級は少将だ。現在、我々はある任務の為に海域へ急行している。それは、新たに人員がこの世界に漂着する為だ。我々はその出迎えの為、出現想定海域であるAE47へ向かっている。機種なども事前に把握されており、一切ぬかりは無い。YF23“グレイゴースト”。それが今回確保すべき機体だ。搭乗しているパイロットは八重島鷹少尉。TACNAME(コールサインの様な物)は“サガミ”だった。
私は元々”蕨”の乗組員で階級は少尉だったが、今現在ではこうして一戦艦を任されている。
「不思議だな…。運命とは。」
ふと口に出てしまった。
「確かにそうだな、未だに信じられない。沈んだ自分がまさか、この世界に流れ着くとは。」
その声の主は、この船―霧島―自身だった。
隣に居るのは、分体らしい。
だが、完全完璧な人間の男性だった。
日本人らしい黒髪は、短い刈り上げにされている。
瞳の色は赤茶けた色合いで、知的な雰囲気を醸し出している。
背の高さはかなり高く、煙突の様だった。
シワ一つない制服を確りと着、ポケットには何もいれていない。
やはりこれは、我々の習慣を継承しているのだろうか。
その後に続く言葉は、艦隊指揮官が放った。
「飛龍と運命を共にしたが、まさか異世界に転生し、その先で連合艦隊を組むことになるとは思わなかったよ。」
そう言ったのは、山口多聞長官だった。
彼はミッドウェー海戦で空母”飛龍”と共に沈んだ筈だったが、その後この世界に来たらしい。
そして、今ではこの艦隊の指揮をとっている。
「こちらCIC(戦闘指揮所)方位1-9-8に味方機を探知。距離約20㎞。現在、高度10000mを約1000㎞で飛行中です。数は1。方位0-4-7へ移動中。機種はYF23。」
レーダー手が通信機越しに報告を入れた。
ついに目標が現れた。
私は直ぐに、本部に無線を入れた。
「こちら第0特務独立艦隊 旗艦 戦艦”霧島”艦長 北上修。本部に至急連絡。
現在、海域AE47にて味方機をレーダーで捕捉。当空域に展開中の飛行隊は存在するか。現在時刻、本部基準0003。」
返答は直ぐに来た。
「こちら通信室。本部より入電。当該空域に展開中の飛行隊は無し。本部標準時0005より、捕捉した機体を直ぐにでも回収せよ。」
私はCICに移動した。
「黒、最大戦速!捕捉機を追え!」
「了解!黒、最大戦速!回頭急げ!」
「艦載機は順次発艦!急げ!”飛龍”に通信を入れろ!そちらも艦載機を順次発艦させる様に言え!」
「全艦に打電。こちら艦隊司令、山口多聞。艦隊陣形、警戒陣にせよ。」
この艦、霧島はこの世界に来てから大改装が行われた。
他の艦も同様だが、機関、船体接合方法、電装、砲雷兵装も全て変わった。
その結果、排水量が約200t減少。その上で主砲が特殊な物に成った。60口径20㎝3連装両用砲である。
射程は特殊砲弾では大幅に伸び、大和型戦艦に搭載されている特殊40㎝砲の倍以上の120㎞である。
俯角は-10度から+87度と成っており、対空戦闘にも使用できる。
艦舷にケースメイト方式に装備されていた副砲も全て撤去され、代わりにミサイル垂直発射管と呼称される物が装備された。
艦橋は高雄型1等巡洋艦を思わせる重厚な物に成り、対空機銃類は特殊高性能無人汎用機銃に換装された。
後部甲板に至っては、主砲は全て撤去されている。その代わりに艦載機格納庫、飛行甲板、カタパルトが設置され、索敵能力は大幅に強化された。ソナーも新たに設置され、対潜兵装も充実している。
対空機銃の一部はレーザー照射機に換装され、防空能力は我々の知る高雄型1等巡洋艦3番艦”摩耶”や”乙型駆逐艦”を凌駕する。”摩耶”や”乙型”の防空能力を50とすると、この艦は200以上に成っているだろう。
更にレーダー類もOPY-1,OPS-48等を搭載している為、ある程度自衛戦闘も行える。
また機関を電気推進方式にした結果、燃費が向上した上水中雑音の低減もあった。
「現在、本艦の速力時速約39kn《時速約72㎞》!現在、航空機は水上機”晴嵐”3機含め5機発艦可能です!ヘリコはSH60を1機、CH53を1機発艦可能です。」
私は指示を出した。
「艦載機は全機発艦!急げ!」
にわかに騒がしくなるCIC。無線も一気に騒がしくなる。
「”飛龍”より入電!我、艦載機発進済み!これより不明機追跡を行う!以上です!」
「”わかば”より入電。現在、ソナー、レーダー共に異常なし。以上です。」
「”しらね”より入電。艦載機発進済み、飛龍航空隊に続く。以上です。」
「”はるかぜ”より入電。現在、本艦は機関出力が不安定である為、速力低下。以上です。」
「”蕨”より入電。我、はるかぜに随伴す。以上です。」
久しぶりの作戦だからか、妙に緊張する。
肩にポンと手を置かれた。その主は司令だった。
「そう緊張するな、艦長。上の者がそんなにピリピリしては、下の者たちも十分には働けないぞ。」
彼のその声には戒めの色が合った。見ると艦橋要員は不安そうな顔でこちらを見ている。
「司令、有難うございます。」
私はそう言った後、ぱしり、とほほを叩きいた。
そして、確りと前を見据えた。
その視線の先に居るであろう、不明機に不安と期待を込めて。
♢
”霧島”が不明機を発見する約5分前。
俺―八重島鷹―はぼんやりとコックピットのシートに座っていた。頭が鈍く、何も考えられない。
[サガミ、いつでも行けるぞ。]
無線の奥から聞こえる壮年の男の声は、何所か期待したような感情があった。
ハンガーの扉がゆっくりと動いている。
完全に開き切った時、外の光景が見えた。どうやらここは森の中らしい。木々が見える。
滑走路に向かって、機体が進む。隣を見ると、F4がハンガーから出て来ていた。
滑走路の端まで進み、一時停止。
[こちら管制塔、…隊の離陸を許可する。グッドラック。]
機体がはじかれた様に前進した。景色が後ろに流れてゆく。
そして。
ふわりと機体が浮いた。その後に続くF4。
しかし、急に紫電が機体を襲った。がたがたと震える機体。
レーダースクリーンは一瞬、何も映さなくなった。
気が付くと海上を飛行していた。機内に搭載されている時計は0000を示していた。
広域地図には何も映っていない、だが名前が変わっていた。
飛行してから5分が過ぎた頃、それがレーダーに映った。
味方である事を示すフリックには、船であることを示す青い四角の印があった。それも複数。
数分後、複数の反応がレーダーに映った。
恐らく航空機だろう。
だが、未だに寝ぼけた状態では機体を操縦できない。
それは、唐突に起こった。不快な音がスピーカーから発せられる。
眠気は吹き飛んだ。
ぎろり、とスクリーンを睨む。
現在、自機は方位0-4-7に向かって飛行している。
その先に陸地は無い。
俺は機体をバンクさせ、旋回した。
方位0-0-0へ、進行方向を変更。
機体は音速超えて突き進む。
目標、味方艦隊。
♢
地球換算同日0009
第0特務独立艦隊 旗艦 戦艦”霧島”
「不明機、我が艦隊に接近!現在、速力約1000㎞で接近中!」
レーダー手からの報告により、状況は変わった。
私―北上修はその報告を聞き返した。
「こちらに向けて接近中?不明機は東へ向かっていたのでは無いのか。」
それはほぼ間違いない様だった。
隣に居る山口長官は指示を飛ばす。
「全艦、艦首を風上に。不明機は飛龍に着艦するやもしれん。」
「了解、全艦、艦首を風上に。」
無線手の復唱が響く。
それを目視で確認したと言う報告が入ったのは、僅か1分後の事だった。
暗闇で分かり辛いものの、そのシルエットは間違いなく不明機―YF23―の物だった。
♢
俺―八重島鷹はその艦隊を発見した。
陣形は単陣形で、一列に成って航行している。
そして、先頭を往く船を見て驚愕した。
「霧島が、何故ここに…!」
それは間違いなく戦艦“霧島”の物だった。
しかし、艦橋等が異なっている為か、一目見ただけでは分からかった。
だが、間違えるはずも無い。
延長された艦尾も確認できた。
後続の艦は殆どが駆逐艦だが、それらも全て大戦時の艦艇ばかりだった。一部、戦後に就役した“はるかぜ”型らしき艦も見えた。だが、“わかば”や“蕨”等も確認できている。正に寄せ集めという表現が正しい艦隊だった。
そして、空母は間違いなく飛龍だった。
ミッドウェーで沈んだ筈の艦が悠々とこの海を航行している。
周辺に陸地は無い為、飛龍に着艦するしかない。
機体の速度を限界まで低くした。武装をすべて放棄。
燃料もあと数分飛行出来れば良い。全て投棄。
時速約200kmで空母“飛龍”に接近。
高度を下げ、甲板にギアを付ける。
この時、機体は甲板の右側にあった。
フルブレーキ。
しかし、精々飛行甲板の大きさが200m前後である。
その上でアスレティングワイヤーが無く、着艦は非常に困難だった。
だが、最善の結果を出さなければならない。
左後方のランディング・ギア、フルブレーキ。
右後方のランディング・ギア、ノーブレーキ。
機首ランディング・ギア、フルブレーキ。
その上で、操縦桿を思い切り右に倒す。
キキィーと言う音と共に、機首が左舷を向いた。
そして、ぴたりと静止した。
周りを見ると、艦橋は50mほど離れた場所にあった。
こちらに走って来る甲板作業員たちは、皆必死に走っている。エンジンは自然に止まった。燃料が尽きたらしい。
キャノピーを開け、機体から飛び降りた。
その後、僕は艦内の食堂に案内された。
「私はここの艦長をしている、加来止男だ。貴官の所属を教えて頂きたい。」
10分後、やってきた艦長はそう言ってきた。
俺は端的に答えた。
「八重島鷹、階級は少尉。本日0000よりソオコル・ラリエリ第6軍第1飛行隊第1小隊“スワロー”3番機を任命されました。」
加来止男。飛龍最後の艦長。海軍兵学校42期生。
彼は俳句を嗜んでいたと言う。
俺は彼の趣味等をふと思い出した。
「飛龍の目、そこに映るは、異界月。」
それが口から洩れてしまった。
しーん、と静まりかえる食堂。
加来艦長は、硬くなった顔を緩ませた。
その後、口を開く。
「我らが運命、五里霧中なり。」
鉛筆を持っていた書記も、野次馬精神で集まった乗組員たちも、皆ポカンと口を開けていた。
僕も同じだった。
唐突に思い付いた俳句を口に出したら、何故か短歌が出来てしまった。下の句は加来艦長が詠んだ。
しかも中々完成度が高い。
だが、この雰囲気をかき消すように艦内放送が放たれた。
『対潜戦闘よーい!繰り返す!対潜戦闘よーい!これは訓練では無い!繰り返す!これは訓練では無い!』
艦内人員が戦闘配置に付く。
「あの、俺はどうすれば!」
加来艦長にそう言ったが、返事は冷静な物だった。
「君はそこに居てくれ。下手に動かれたら面倒になる。」
そう言って彼はCICに向かって走って行った。
♢
同日 霧島CIC 0012
「駆逐艦に連絡!対潜警戒を行え!我々も可能な限り支援するぞ!全艦に連絡!発艦可能な機体を上げる様に言え!」
山口長官は指示を次々飛ばす。
しかし。
「空母飛龍より入電!“ワレ、飛行甲板上にYF23が存在している為、航空機の発艦不可。”以上です!」
司令は直ぐに飛龍に向けての通信を入れた。
「飛龍は回避行動に集中しろ!駆逐艦を護衛に回せ!」
私―北上修―は直ぐに航空隊を上げるべく、通信を入れた。
「航空隊は全機発艦!急げ!」
だが、最悪の報告が入ってきた。
「現在、航空隊所属機全機が燃料補給中であります!この為、再出撃には最低でも10分以上かかるとの事です!また、未だに回収中の機体も存在しており、回収にあと5分は掛かります!」
つまり、この艦から出せる機体は0だと言う事だ。
この艦に装備されているアスロック対潜ミサイルは20発前後。しかし、それも対潜ヘリコとのデータリンクによる目標捕捉が出来なければ、命中率は非常に低下する。恐らく、“しらね”搭載機も同様の状態だろう。
「飛龍より、流星発艦します!」
私はその報告に耳を疑った。
「飛龍からは艦載機を出せなかった筈ではないのか!」
通信手はこう返した。
「YF23を移動させ、発艦させたようです。搭乗員はサガミ特務少尉です。」
「何?!」
♢
同日 0010 空母“飛龍”
俺―八重島鷹―は加来艦長の元へと走っている。
「艦長!具申したい事があります!」
僕が艦橋に着いた時、3分が経過していた。
「君は…」
艦長はこちらを見て絶句していた。
艦上において、艦長の命令は絶対だ。
それを無視するとは思わなかったのだろう。
「人を10名ほど貸してください。考えがあります。」
僕がそれを説明した。1分後、艦長はそれを許可した。
階段を駆け、飛行甲板に向かう。
「サガミ少尉!本当にやるつもりですか!」
そう言ってきたのは、勢野憲孝一等兵曹だ。
俺がやろうとしている事は簡単な事だ。
YF23を艦橋近くまで移動させる、たったこれだけ。
彼は艦橋にたまたま居た為、俺の指揮下に一時的に入った。
彼の部下達10名と共に飛行甲板に急ぐ。
機首を左舷に向けたYF23へ急ぐ。
「よし、確り持ったな!」
前部ランディング・ギアにロープを掛け、11人がかりで艦橋付け根に持っていく。
移動し終える頃、飛行甲板中央に設置されたエレベーターから、大型の艦上機がその姿を現した。
「流星だと!あの機体はまだ試作段階だった筈では!」
勢野兵曹が驚いている。
俺はYF23を勢野兵曹らに任せると、流星のコックピットに入った。
エンジンを始動し、兵装を確認する。
この機体は、21世紀改修と呼称される魔改造が施されていた。まず、エンジンがターボプロップに成っている。防弾装甲も充実しており、IL2並の堅牢な機体と成った。その上で、計器類は全てデジタルパネルに表示されるようになっている。データリンク機能も備えており、流星の外観をした何かだと言われている。
APUを起動し、発電。
10秒もすれば、エンジン始動に必要な電力はたまる。
キィーンと言う甲高い音を響かせ、プロペラが回りだした。
「こちらサガミ、これより発艦する。」
一気に速力を上げ、飛行甲板を滑走。
未だに速力が出ないまま、飛行甲板から離れた。
海面擦れ擦れまで降下した後、徐々に上昇していく。
データリンクにより、敵潜の位置を確認。
現場に急行する。
「こちらサガミ、目標をマーク。」
俺は流星に乗って、対潜目標を探していた。
つい先ほど、それを発見した所だ。
武装のリリース・ボタンを押す。
選択した武装は、魚雷だ。
落下された対潜誘導魚雷は、パラシュートを開き、海に突き刺さった。その後、水柱が上がった。
「こちらサガミ。目標の撃破を確認。これより帰還する。」
無線にそう言ってから、俺は機体を翻した。
目指すは空母飛龍だ。
20220429 誤字訂正
20221215 単陣形から警戒陣
速度落とせ→艦首を風上に