8 冬の丸投げ大作戦 第2弾!
またまた少し長めです。
昨日は加瀬を助けた後連絡先を交換するとか何とかで......結構いろいろあった気がする。思ってもいなかったハプニングで加瀬のRINEもゲットできたし良しとするか。
で、今日はイケメンアホ中川と買い物に来ている。どうやら俺が雰囲気イケメンになるには普通の服と上方ではだめらしい。俺もそれはわかってはいるがいざ買うとなると何を買えばいいかわからないのでこうして中川に来てもらっている。いやーこういうときだけはほんとありがたい。
「それで先生、今日はどういったプランで?」
ここでも完全丸投げ作戦。そっちのほうが手っ取り早いと判断しました。
「また丸投げかよ…まいいや、とりあえず髪を切れ。2階にある美容院予約してあるから。そうしたら服選びに行くか。」
さすが中川。床屋でスポーツ刈り!とかじゃダメなんだな。当たり前か。
「了解。髪切ってる間はその辺適当に回っててくれ。」
「いや俺も一緒に行くわ。どうせお前ひとりで行っても同オーダーすればいいかわからず同じ髪型になるだろうし。」
確かに中川の言う通りかもしれない。ということで、結局中川についてきてもらうことになった。
髪の毛を切り終えた俺は、鏡に映っている人物が本当に俺なのかびっくりするほど変わっていた。あれ、俺こんなにイケメンだっけ?髪型一つで変わるというのはあながち間違ってなのかもしれない。切る前に中川は店員さんへいろいろなオーダーをしていた。ヘアカタログを片手に「こういう感じで~、ここはこうで~」とよくわからない単語も時々聞こえてきたが今の自分を見ると中川がしっかり考えてくれたのが分かるほどいい髪形になっている。
「......これほんとうに俺か?」
「お前まあまあな顔してるのに髪型が普通のせいでさえなく見えるんだよ。ちょうど髪も長かったしそれを生かして今風にしてみました!」
そんなことを言われちらっと店員さんを見ると「お似合いですよー」といってにっこり笑っていた。よし、信じようその笑顔。
「料金はカットシャンプーで4000円になります!」
まあそりゃそうだよな。このくらいするよな。でもこれは加瀬を振り向かせるための出費と思えば痛くもかゆくもないぜ!
さっぱりした俺たちは美容院を後にし服を選ぶことになった。
「お前は俺と顔のタイプが違うから......うーん、こういうのとかどう?」
そういって渡してきたのは黒のスキニーにちょっとオーバーサイズの白いトレーナー、黒いアウターだ。
「冬は上半身を着込むから上が膨れるんだよ。今はワイドパンツが流行りだけど上と下両方シルエットが膨れたらおかしいんだよな。けどトレーナーとかロンT1枚で着るときは別って考えたほうがいい。だからワイドパンツも買っとけ。」
そういっていくつかのワイドパンツも渡された。よくわからないけど中川がそういうならそうなんだろう。まあ確かに試着したときは髪型と相まってなかなかいい感じだったと思う。通りすがりのjkも俺を見て何か話してたな。
......悪口や陰口じゃないことを願いたいが。
服を買った後、フードコートで夕飯を食べたあたりで解散した。どうやら上川がこの後中上の家に来るらしい。まったくリア充はけしからんなほんと。俺なんて帰っても可愛い妹しかいないんだぞ。ん?まてよ?それって別によくね?
そんなことを考えながら歩いてると家に着いた。
「ただいまー」
「あ、おにいおかえり~」
唯は相変わらず下着で炬燵にくるまっていた。前気になって聞いたところ「こたつで食べるアイスっておいしいじゃん?お風呂上りに飲む冷たい飲み物っておいしいじゃん?それと同じじゃん?」といわれたが全く何言ってるのかわからなかったので突っ込まないことにしている。
「おう。郵便とか来なかったか?」
俺の両親は共働きのため帰ってくるのが遅い。だから実質妹と俺だけの家みたいになっている。
「うん、なにも来なかったよ~。……っておにいその髪型どうしたの?彼女でもできた?」
失恋したから髪を切ると同じ理論か。うん。できてないけどね?そんな期待したような目で見るのやめようね?
「違うよ。髪切るところ買えたんだよ。……変?」
「いや全然!これでやっとみんなにおにいのこと自慢できるよ~」
そんなに変わったのか、俺?自分では実感がわかないからとりあえずバイトで加瀬の反応で様子見だな。
買った服も着ていこう。ワックスのつけ方も教わったし。
見た目が変わると自然と自信もついた。
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妹っていいよね。うん。