4話 白きものたちとの不思議な出会い
「わーお、思っていたよりもすごいかも」
昨日は、夜でよく見えなくて分からなかったがどうやら私がこれから通うことになる学校はかなり巨大だ。
お城かな?これで、一番金欠の魔法術学校?
ありえないわ。
聞いた話によると国の政治者や貴族が寄付金を募って建てたらしい。
なんでも、昔に比べて今の魔法使いは魔力が弱くなっているらしくその上使い方も分からない人が多いという。
このまま月日が経ち魔法自体を失ってしまわないように、この王都魔法術学校を作ったらしい。
魔法使いの素質を取りこぼさないために。
魔力が少しでもある人は、魔法の使い方を魔法科で魔法の実習を中心に学ぶ。
魔力がない人は、魔術科で座学を中心に魔力を知識として学ぶ。
ちなみに正式名称は、ナードス王都立第五魔法魔術学校。知っていても誰もこの名をあまりつかわない。だって、長いから。
王都魔法術学校は、この国に5つあって住んでいる住所でどこに入るのかが割り振られる。
第一は特別で、上級貴族や王族専用。
まあ、なにが言いたいかつまり、王都からは一番遠い。
その中でもここからかなり離れている華月の里は、最北端であまり発展していない場所だった。
寒いのに防寒設備に乏しい。
交通機関が不便。
郵便は週に一度、まとめて。
ど田舎、その一言に尽きる辺鄙な場所。
「ホールの入り口はこちらです。新入生は、二列に並んでください」
もうすでに、多くの人が列に並んでいた。
いち、に、さん、……んー数えられる人数でもないわね。今年の入学者は500人だとも聞くし。
とりあえず、後ろにならんだ。
暇だったので周りを見てみる。
皆、使い魔を連れていて横に立っていたり、小型の使い魔は肩にのっていたりする。
私が並ぶと前に並んでいた人や使い魔たちが私を私たちを見てきた。
なんか、嫌だな。
私を落ちこぼれと言った人たちも、私のことをよく見てきたな。でも、これは違う?嘲笑うような視線ではない。ただ、興味があるという目だ。
けれど、向けられた視線は、すぐにそれる。
「あ、あの、ごめん。となり並んでもいいかな?」
声を掛けてきたのは女の子だった。
雲のように透き通る髪、太陽のような黄色。むしろ金というほうが正しいかもしれない。私の髪よりもよっぽど金というにふさわしい。
腕には、髪の色と合わせたような細い白蛇が巻きついている。つぶらな目がなんとも可愛らしい。
「ええ、どうぞ。あなたの使い魔、可愛いわね」
女の子が近くに並んで隣に来た時、そっと手を伸ばしてなでてみた。綺麗に並んでいる鱗はつるつるしているし、真珠のような光沢がある。
白蛇はなでている私の手に戯れついてくる。
「な、なんで?」
その顔には驚いたという感情がそのままでていた。
「どうしたの?あっ、もしかして勝手に使い魔を触られて嫌だった?ごめんなさい!あまりに可愛くてつい」
それに激しく首を横に振って応える。
「いえ、違うの。この子はね私以外に触られると怒って噛むの。たとえ、私の家族でも。だからこうやって人に触れてしまわないよう半年くらいずっと腕に巻いかせていたの。それなのに、あなたはどうして噛まれなかったの?しかも、自分から擦り寄るなんて、……」
その声は焦っているようなよくわからない声音だった。
とりあえず、言い訳をしよう。
「その、わたしっ」
その時扉が開いた。
入学式が始まったのだ。
何かを言いかけたけれど、仕方がない。後できちんと謝ろう。とにかく、勝手に触れてしまったのだから。近いうちに会えると良いけれど。