雷生 エキストラからまさかの役付 陰キャから美少女に声をかけられている最高の主人公にレベルアップしてしまう!! 1
俺の名前は、一文字 雷生。16歳。いたって普通の男子高校生さ。
何が普通かだって!
「チ、チ、チ」
その質問はナンセンスってなもんさ。
だって普通な人間にとってこれといった特出した才能なんてないんだもの。
笑っちゃうよね。
お門違いさ。
勉強普通。
スポーツ普通。
容姿普通。
他には、・・・・・・普通。
俺は陰キャな人間を目指して生活をしている。
どれくらい陰キャかって?
成績……は大学入試に関係するから頑張っているが、朝はクラスの誰よりも早い時間に登校を済ませ、空気と同化して本を読む。
クラスで会話する友達は、二、三人。こう言っちゃあー、なんだが、しゃべる奴はクラスのイケメンとかじゃなく、日常の一コマにいるようなただの平凡だ。
……と、こんな感じに普通の生活をしているわけだが。
おっとそうだ。話がそれるところだった。それはそうと、みんな聞いてくれよ。
……俺には秘密があって、俳優をしている。
ある日。
仕事でクラスいち、いや学校いち、日本いち、世界いち、宇宙いちの美少女がナンパされているところを助けてから、俺の陰キャ生活が、一変してしまったんだ。
8月。
初夏のまっただなか。
『太陽は真上にある』
新ドラマの撮影が開始された。
よくある学園ドラマの、2次的 ・3次的派生作品である。
熱血教師がいて、それに反発する個性豊かな生徒たちがいて・・・・・・それは不良だったり、いじめられっこだったり、登校拒否生徒だったり、まあ、いろいろである。その中にはお決まりの優等生やマドンナなんかもいて。
そのマドンナ役というのが、泣く子も黙る我が学園のアイドル。『叡覧 鈴音』ちゃん。
成績優秀・スポーツ万能の美少女という彼女であったが、両親への反抗期から魔が差して、悪い男にだまされ、大麻と援助交際に手をそめようかというまさにその時、間一髪、ラブホテルで担任教師に助けられ、事なきを得る。
このドラマで彼女は一躍 注目を浴びてスターの座をふどうのものとするだろう。
それはさておき、俺はというと。
いつもながらのエキストラ。
な~に。わかりきったことではないか。今回の俺の役どころは、廊下の窓際あたりに立っている生徒A役。
その廊下に鈴音が歩いたり、担任教師が歩いたり走ったり。セリフなんてもちろんないしカメラに映るかどうかもはなはだ疑問だ。
そんな感じです、はい。




