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「あんたなんか、だい、だい、大っ嫌いなんだから」
そう言って、毎日のように、下駄箱の中の上履きを隠したり。
休み時間を狙って筆箱の中に、消しゴムのカスを散乱させたりする。
そう、この少女は西園寺 怜香と言う。
そして、・・・・・・おっと、俺としたことが、なんてこったい。
肝心の自分の名前を言い忘れるとは。
申し遅れました。
俺の名前は、一文字 雷生。
いわずと知れた童貞少年である。
※
この学園、私立『聖アンダンテプオレシア』に入学してからというもの、雷生は、この幼馴染み、怜香のオイタ(いたずら)にさいなまれる。
始まりはいつも雨。
そんな感じです、はい。