イヤホン(200もじ)
こんなに不自由な世の中だから、せめてこの両耳だけは自由でいたくて、僕は音楽でその両耳を塞いだ。誰の言葉も聞きたくないから、最高までボリュームを上げた。
飛び降りたくなるような校舎の屋上、見上げる空とビルとの境界線、立ち入り禁止の秘密基地。
枯れたビーツが青痣だらけの躯に沁みる。目は滲んでぼやけ、切れた唇はずきずき痛んで、膝はがくがく震えて、風は刺すように冷たくて、それでも両耳だけは確かに自由であった。
こんなに不自由な世の中だから、せめてこの両耳だけは自由でいたくて、僕は音楽でその両耳を塞いだ。誰の言葉も聞きたくないから、最高までボリュームを上げた。
飛び降りたくなるような校舎の屋上、見上げる空とビルとの境界線、立ち入り禁止の秘密基地。
枯れたビーツが青痣だらけの躯に沁みる。目は滲んでぼやけ、切れた唇はずきずき痛んで、膝はがくがく震えて、風は刺すように冷たくて、それでも両耳だけは確かに自由であった。
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