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イヤホン(200もじ)

作者: 夕凪 もぐら




 こんなに不自由な世の中だから、せめてこの両耳だけは自由でいたくて、僕は音楽でその両耳を塞いだ。誰の言葉も聞きたくないから、最高までボリュームを上げた。


 飛び降りたくなるような校舎の屋上、見上げる空とビルとの境界線、立ち入り禁止の秘密基地。


 枯れたビーツが青痣だらけの躯に沁みる。目は滲んでぼやけ、切れた唇はずきずき痛んで、膝はがくがく震えて、風は刺すように冷たくて、それでも両耳だけは確かに自由であった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 「こんなに不自由な世の中だから、せめてこの両耳だけは自由でいたくて」 「それでも両耳だけは確かに自由であった。」 こんな風に音楽に結びつく描写が、とてももぐらさんらしいと思います。苦しいこ…
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