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《天空ノ塔》へ── 4
「一体何処へ行こうというのです、何か手がかりでもあるのですか?!」
最もな問だった。
カグヤ様の手がかりも、護衛部隊──《コトハノヤ》の手がかりも掴めていない今、最も気になるのは今私が何処へ向かっているかだろう。
私は大きく口を開け、鳴き声を挙げる。
前方に向かって、大きく、高く、遠くまで届くように。
そして翼を羽撃たかせ、さらに前へと勢いよく飛ぶ。
そう、目的地を目指して──
静寂な天空ノ海に笛の音のような鳴き声が鳴り響き、神秘的な空気に彩を添えた。