表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

~僕の想い~

それから数ヶ月経ったある日、僕は駅前にあるファーストフード店に立ち寄った。

メニューを決め店員に伝える。「あのお客様、スマイルはいかがでしょうか?」とっさに僕は店員の顔を見る。

そこには、お世辞でも上手とは言えないぎこちない笑顔の詩織さんがいた。

僕はその顔に思わず吹き出す。それを見た詩織さんは少しだけ頬を膨らませて怒る仕草をしていた。

詩織さんが見える席に座り、頑張る姿を見ながら食事をした。詩織さんは今を必死に生きている。そう思うと僕は少し嬉しくなった。


翌日も学校の帰りにお店に立ち寄り、注文の間だけ少しの会話をする。そしてまた翌日も。

僕にとってのデート感覚だったのかもしれない。

毎日食事するお金はなく、コーヒーだけを飲む、それでも有意義な時間に感じた。

詩織さんは僕がお店を出る時間に合わせて、シフトを変更してもらい、途中まで一緒に帰るようになった。


やがて僕らは遠回りをして公園に立ち寄り、夕暮れ時まで一緒におしゃべりをする。

他愛も無い時間が僕にとっての幸せな時間だった。

お互い何気ない一日の報告をして、時にはケンカもして、それでも僕は詩織さんといる時間が生きている意味と思うほど夢中だった。


僕らは手を繋ぐようになった。

詩織さんの手を通して僕と詩織さんの鼓動が共鳴する。バラバラだった二人の鼓動は次第に同じリズムになっていく。僕は詩織さんの事が好きになっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ