表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/69

和田悠希です。

悠希の心情描写です。


少し訂正し、手を加えました。

 初めてゆりかと会ったのは幼稚園の入園式。

大きな目が可愛いらしい女の子で、ひと目見た時から目が離せなくなった。


 それから毎日、ゆりかが絵を描いていれば、隣に行って絵を描いて、おもちゃで遊んでいれば一緒に遊びたくて、絵本を読みだせば同じ本が読みたくて、ずっとゆりかを追いかけてばかりいた。


 友達になりたくて、手紙を書いた。

文字を書けるようになったばかりで、上手く書けなかったから、俺とゆりかの顔を書いた。

 「友達の証」のつもりだった。


 目の前を通ったゆりかのポニーテールがゆらゆら揺れる。

揺れる様が犬の尻尾みたいで、触りたくて、いざ掴んだら「痛い」と半泣きになってしまった。

 しまったと思ったのに、半べそをかいた顔が可愛いくて、もっともっとイタズラしたくなった。

 でもゆりかが泣き出しそうになると貴也に止められた。

「それ以上するとゆりかさんに嫌われるよ」

その言葉を聞くと呪文のように、途端に身体が動かなくなる。

ゆりかに嫌われたくなかった。


 ある日、父様母様に言われたんだ。

「高円寺のお嬢さんと結婚してくれたらいいな」って。

結婚して父様母様みたいずっと一緒にいられるなら、ゆりかと結婚したいって思った。

ゆりかとおままごと遊びをするのも嫌じゃなかったし。


 ゆりかに特別な感情があるって気づいたのは、卒園式の予行練習のとき。

大きな音がして何かあったのかと思ったら、みんながゆりかの名前を呼んでいた。

俺の場所からは遠くて見えないし、人が多くて近寄れなかった。

もどかしかった。

どうにか近くまで行ったら、先生に連れられていく姿が見えた。

後から聞いたら、転んで鼻血を出して、貴也に助けられたらしい。

 なんで俺が助けられなかったんだろう。

悔しかった。


 休み時間になってゆりかのいる保健室に走って様子を見に行ったら、ゆりかは鼻血を出したことを柄にもなく恥ずかしがってて、前に母様や貴也に女の子の嫌がることはするなと言われてたから、後ろを向いて見ないようにしてやった。

そしたら「素直で可愛い」と笑われた。

 笑われるのは嫌だったけど、その後の「素直は素敵なことですよ」と言われたことで、ドキドキが止まらなくなった。

ゆりかが「ありがとう」って言うだけで、顔が熱くなって胸がキューとした。


 この時、これが本で読んだ恋ってものなんだって理解した。

俺はゆりかが好きなんだ。


 卒園式後の食事会で、ついにゆりかが許婚に決まったと父様に聞かされた。

 俺の胸元に付けた花と同じ花の花冠を付けてベージュのレースのワンピースを着たゆりかを見て、本物の花嫁みたいでドキドキした。

早く大人になって、本当のウェディングドレスを着せてやりたいって思った。

 あの時、ゆりかはあんな話をされると思ってなかったようで、驚いて腰を抜かしてた。

俺と許婚になるのが嫌で、倒れたんじゃないかって少し不安になったけど、後からゆりかと話したら、ゆりかは俺の手を握って、「今後よろしく」って言ってくれた。

嬉しかった。


 同い年なのにしっかりしてて、頭も良くて、たまに母親みたいに世話をしてくれる。

なのに抜けてて、誰よりもガキみたいな行動をして、心配もさせる。

いつも俺をドキドキハラハラさせるゆりかから目が離せない。


 貴也にも他のやつにもゆりかをとられたくない。

ずっとずっと一緒にいたい。

この先、ゆりかを傷つけるやつが現れたら、俺が守ってやる。

そして俺たちを邪魔するやつがいたら、容赦なく潰してやる。


 俺の大切な許婚なんだ。


 こんな感情初めてだ。

 悠希の心情はゆりかと違い純粋です。


 あまりにも純粋が故に、描いてて一抹の不安がよぎる。

あれ?これ将来のストーカー予備軍?

最後の最後に、純粋なはずの悠希の黒い部分が見えてしまいました。

やばいやつに育ったら、どうしましょう…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ