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女神男子の正解を  作者: 作意 扉
第零章:スタートの前
3/18

3.再会


「ん? 坊主、お前さん魔法が使えたのか」


「……ええ、嗜む程度ですが」


「はっはっはぁっ! 面白いことを言うなぁ、それにしても詠唱はいつやったんだ?」


「あー……エイショウね。美味しいですよね。こってりしてて」


「ん、そうだったか?」


「ええ、原宿発信デスよね」



 やばい、適当にごまかしてしまった。

 なにが嗜む程度だ。こちとら初魔法だというのに。

 しかもエイショウ? いや詠唱か。あとで誰かに聞こ。取り敢えず馬車に戻る。


 だがすごいな、なにもないところから水の球体が。これが魔法か。

 人生初魔法にどうにも感極まってしまう。取り敢えず集中して水球の操作、操作、操作を試す。


 予想に反してグニャグニャと上手く動いててくれる水球。うーん、予想外。上手くできないよりは良いけど。

 うし、他にも色々できないか試してみるか。いざ、実験。





/////





 十分後、俺の手には火と水と風と土とがくるくる回っていた。


 ……意外と出来るもんだなぁ。

 いや、さっきの子のような事はさ、まだ出来そうにないけど。あんな水を凶器にするような芸当、とてもとても。

 ちょっとしか出来なかったよ。


 とあれこれやっていたら、ホブゴブリンの剥ぎ取りの終わった様子の先ほどの冒険者が何やらこちらに来る。ちょっと恐い、やんのかコラ。

 と思ったら話しかけたのはハゲの方にだった。



「すみません、王都に行く馬車ですよね? 僕たちも乗せて行ってもらえませんか? 獲物が重くて、歩いて行くにはつらい距離で」


「ああぁ? 銅貨4枚払うってんなら乗せてってやるよ」


「すみません、ありがとうございます」



 え、急にどうしたおっちゃん。態度がガラリと変わったぞ。

 そっちが素か?

 冒険者の話し方が予想外に丁寧だった事よりも、そっちに驚いた。


 しかし、その理由はパーティーの人たちが一人一人おっちゃんにお礼を言っていく内にわかった。女の子と話すときだけ口調がやわらかくなっている。

 そうか、確かに俺に親切な割には坊主って呼んだりしてたな、納得。

 ……ん? 女の子だけ?


 冒険者が入って来そうだったので、馬車の中でおとなしく体育座りをしておく。

 絡まれんように。絡まれたらどうしよっか……

 そんな事を思っていると、冒険者たちが馬車の荷台に乗り込んで来た。知らない人が武装しているとやっぱこわい。

 ここは「僕のパパは社長なんだぞ!」を使うしか……



「ん?なんだ、先客がいたんだ」



 話しかけられたあわわわわ。くそ仕方ない、まずは挨拶から入ろう。



「どうも、こんにちは」


「服装を見る限り、何処かの商人の息子さんかな?」



 挨拶無視か。上等だ。

 女子特権でおっちゃんに頼んでおろしたるわ。あ"ぁ"ん?



「そんなとこですね。(ニコッ)」


「まぁ、ほぼ勘だったけどね。僕はEランク冒険者ビート・ヤラハ、君は?」


「俺は……」



 そう言いながら鑑定を発動させ、メンバーのステータスを見る。使い方はさっきのホブゴブリンで試し、理解した。簡単、念じれば良いだけだった。




名前:ビート・ヤハラ

種族:人間

SP:―――――――

―――




 ………ん? なんだこれ?



「おいおい、いきなり鑑定はよしてくれよ」



 ビートは困った顔をしてそんなことを言ってくる。

 え、鑑定ってわかるもんなの? 阻止されたし。

 すると、盾を持ったゴリラっぽいゴリラが怒った顔で近づいてきた。まずい、言語理解ってゴリラにも効くかな。



「おい、テメェいきなりなにしようとしてんだ? あ? バカにしてんのか?」



 あ、人間?

 見てみると、他の二人も不快そうにしている。バレているな。もしかしなくても鑑定を人にかけるのってタブーか。

 とりあえず謝ろう。



「すみません、田舎者であまり常識がわかってなくて」



 でへへ。

 内心、媚びも入れておく。



「なんだ、そう言うことなら大丈夫だよ。パーティーの紹介もせずに名前を聞いて悪かったね。ほら、みんなも名乗って!」



 ビートがそう声をかけると、他の3人もこちらに歩いてくる。

 うし。成功。



「Eランク、ゴラアだ。また許可なしに鑑定かけたら女でもぶっ殺すぞ、わかったな?」


「あ、はい」



 男だけど。あと名前間違ってますよ。

 それを見ていた魔法使いの女の子が、ゴリラ(・・・)の肩を叩く。



「もうっしっかりしなよ! 確かに可愛いけど完全に男でしょーが!

 あ、私はリリ、同じくEランクの魔法使いだよっ さっきのことは気にしてないからね!」


「あ、ありがとうござい」


「「えっ」」



 何やら男性陣が驚いている。不思議。

 魔法使いの女の子は自己紹介が終わるとショックを受けたらしいビートを一生懸命慰めている。

 なにか申し訳ない気持ちだな。

 お詫びしないけど。

 心の中で謝っていると、最後に大和撫子っぽい女の子がこちらに向かってきた。

 すごく綺麗な子だった。

 まるで……



「えーっと最後は私ね。私は――――






 ―――オリ・カグヤって言います。よろしくね。」



 いや会うの早すぎじゃない?

 ここまで読んでいただいてありがとう御座います。

 拡散、ブクマしていただけると有難いです。

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