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世界を滅ぼせ太郎  作者: 極大級マイソン
【禁断の愛編】
4/12

第4話「ムシャクシャしてやった。今は毒手作っている」

「ちっくしょぉぉぉあいつらぁ! 今度会った時はただじゃおかねえからな!!」

「もう気にすんなよ石垣、あんな狂犬相手してもなんの得にもならねえって」

「うっせ佐藤 !! やられっぱなしで黙って引き下がれるか!!」


「どうしたんですか2人共、石垣さん随分興奮しているようですけど」

「飯塚か。いやな、石垣の奴が他校の不良と喧嘩して怪我したんだ」

「大変じゃないですか!? 石垣さん大丈夫だったんですか?」

「激戦だったぜ……、あと少しで勝てるところだったんだが、運悪く投げやすい石が見つからなくて力尽きちまったぜ」

「石投げで戦ったんですか!?」

「クソ、ガチャで良いの出なくてムシャクシャしてそこらの不良に喧嘩売っただけだったのになんてザマだ! 最初は一方的だったのに石の代わりに落ちてたレンガ投げつけたのが悪かったんだ。コントロールミスって近くに居た犬に当たって、怒った犬が噛み付いてきて」「それ過失0対10で石垣さんが悪いですね!?」

「何とか命からがら逃げ延びたけど、焦った拍子に足滑らせて川に落ちるし」

「ああ、だから石垣さんずぶ濡れなんですね」

「そこで偶然通りかかった佐藤に助けを求めたら無視されるし。ムシャクシャしたから一緒に川へ引き摺り込んでやったぜ!」

「ああ、だから佐藤先生もずぶ濡れなんですね」

「救いようのない馬鹿だよこいつ」


「とにかくこのままじゃ終われねえ! あの不良共にリベンジするぞ!!」

「いや今の話を聞く限り不良さん達全く悪くないような気がするんですけど!?」

「無駄だ飯塚、こうなった馬鹿は止まらねえ」

「まずは必殺技の準備だ! あの悪党共を懲らしめるには、相応の技が必要だ。佐藤っ! 何かこの俺にピッタリの必殺技は無いか!?」

「知るか、毒手でも覚えてこい」

「毒手……、それだ!! 今回は毒手でイクぜ!!」

(……馬鹿なのかな、こいつ)

「それじゃあ早速、家に帰って修行開始だ! 今日この日、俺の歴史の1ページがまた刻み込まれるぜ!!」

 そう言って、石垣は去って行った。猛進する馬鹿を見送って、佐藤は密かにこんな事を思っていた。


(……あいつの右腕と左腕、どっちの腕が犠牲になるんだろうな)


  ***


 そして次の日、石垣は欠席した。

「えー、石垣は毒手作りで馬鹿やらかして入院するそうだ。今は病院で治療を受けているらしい」

「石垣さん、大丈夫なんでしょうか……」

「毒の代わりにデスソースで代用したそうだし、多分大丈夫だろう。傷口にしみて激痛だったそうだが……まあ、自業自得だな。ついでに風邪も引いたらしい、これは川に落ちたせいだな」

「佐藤先生は風邪、平気なんですか?」

「馬鹿となんとかは風邪引かないって言うからな」

「そう、ですか……」

「でもよかったんじゃないか? デスソースをしみ込ませた両腕の力で、今後は犬が石垣を襲うことは無いだろう。刺激臭すごいからな」

「だからと言って結果オーライでは無いでしょう、入院してるんですから」

「あとで見舞いに入ってやるって。デスソースと納豆ドリンクを持参してな!」

 佐藤は教卓の上にデスソースと納豆ドリンクを置いた。

 石垣を苦しめたこの二つの品を贈る。まさに鬼畜、悪魔の所業!!


「……ていうか、いつもそれ持ち歩いてるですか? 何の為に?」

「ゲリラ用。近所の不良達におすそ分けしてるんだ」

「!?」



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