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世界を滅ぼせ太郎  作者: 極大級マイソン
【禁断の愛編】
2/12

第2話「デスソースと輸血」

「だからやめるんだ石垣! 何度も言ってるだろう!? デスソースを輸血しても、血液の代わりにはならないって!!」

「うるせえ佐藤! このままじゃ内田が死んじまう、何か血の代わりになるものが必要なんだよ、似てるだろうデスソースと血液!!」

「確かに似てるけど、だからってデスソースをいれなくても良いだろうガチで死ぬぞ!? それで輸血するくらいだったらまだ水道水の方がマシだ!!」

「水道水だけじゃダメだ! せめて鉄か何かをスライスして入れないと!!」

「鉄分は大事だもんな! ああでもクソ、何でこんな事になっちまったんだ!」

「佐藤が電動ノコギリ持って『ジェイソンのまね〜』って騒ぎながら暴れたせいだろう!?」

「あれは石垣がドロップキックしたのが悪いんじゃないか! ちょっと脅かすだけだったのに本気で怖がりやがって、ノコギリのスイッチも入ってなかっただろう!」

「はっ!? 怖がってねえし! 何かムカついたから蹴っ飛ばしただけだし!!」

「その拍子にスイッチが入って、近くに居た内田が切り刻まれたんだぞ!!」

「俺悪くねえし。悪いのは佐藤だし」

「俺だって悪くねえし!」

「……つまり誰も悪くないてことか?」

「そうだな、俺達は何一つ非はない」

「争いは何も生み出さないって言うし、ここは一先ず休戦といくか」

「そうだなそうしよう」

「……それで、内田の奴どうする? まだ息はあるみたいだけど」

「もうめんどくさいし、適当にホルマリン漬けにでもしとくか」

「佐藤そんなこと出来んの!?」

「……お前、俺の担当忘れてんの? 生物学の先生だぞ」

「あ、悪りい。先生だって事自体忘れてたわ」

「カエルのホルマリン漬け見せんぞこの野郎」


 それから、この学校には一つの噂が広がった。

 それは、化学準備室で夜な夜な男子生徒の霊が現れると言うものだった。

 男子生徒は夜の学校を徘徊し、出会う人間の生気を奪うそうだ。

 目撃証言も多数あり、この噂を発端に、幽霊の存在は真実味を帯びてきたという。


  ***


「……それじゃあ、今から出席を取る。有本」

「はい」

「飯塚」

「はい」

「石垣」

「うーっす」

「ちゃんと『はい』って言え馬鹿野郎。えーっと次は……内田」

『はーい』

「内田。今日で幽霊になって1週間だが、調子はどうだ?」

『先生のおかげで新たな可能性に目覚めました。これからは新時代の人類として生きていこうと思います!』

「まあ死んでるんだけどな」

『ははっ。……ところで先生、一つ気になることがあります。あの僕を漬けたホルマリン、妙に赤黒かったんですけど、本当にホルマリンだったんですか?」

「ああ、あれは俺の特製ホルマリンだ。通常のホルマリンの成分の他に、デスソースの原料も含まれている。そう、タバスコだ」

『なるほど、結果的に石垣さんの要望には答えたわけですね。何だかんだいって、先生も甘いですね』

「……偶々だ」

『ふふっ、そう言う事にしておきましょう』

 内田の指摘に、自然と顔を逸らすと石垣と目がぶつかった。

 朝っぱらから呆けたような表情の彼女を眺めて、佐藤はまた目を逸らした。


「……別に、あいつの為じゃねえよ」

『そうですか。いやね実は僕、タバスコの液体に浸かって現在進行系で四苦八苦しているんです。全身激痛、地獄のような痛みが襲って僕、怨んで先生の前に化けて出ちゃうかも?』

「すまん、やっぱりあいつの為だわ。そう、あいつの願いを叶えたんだから俺は何一つ悪くない。だから化けて出るならあいつだけにしてくれよ、内田」

【人物紹介】

名前:内田 性別:男性

詳細:クラス委員の真面目系男子。おおらかな性格で大抵のことは許してしまう。怒ると怖い。

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