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カフェ【 if】の伝説   作者: 名無しの権兵衛
店主と魔の音が鳴るカフェ
7/7

臨時休業


賑やかな街並み


笑い声に歌声のどんちゃん騒ぎ


時は既に夕方に差し掛かって居るのに賑やかさは衰える事を知らない


そんな中でcloseと書かれた板切れを扉の前に掛けられたお洒落なカフェがあった


店の名前は【if】


closeと書かれた板切れの下に小さな紙には「売り切れ御免」と付け加えられていた








「予想外だった」


「ごめん!!キリュウさん、当日の材料調達はできない事を言い忘れてた!」



キリュウの目の前で手を合わせて首を垂れる赤髪の少女エリナ



「例年よりも今年はウチでも仕入れる量が増えてしまって倉庫に空きが無いみたいで…」


「死角から痛恨の一撃を喰らった気分だ…」


「うわぁ〜〜!!ゴメンなさい!ゴメンなさい!ゴメンなさい!」



必死に謝るエリナに対しキリュウはというと力無くカウンターにもたれ掛かっていた



「イタタ。あの鳥め!水をあげただけなのにまた私の手を噛み…何だこの状況は?」



裏口からグチグチと文句を垂れてホールに戻って来たアズだったが、戻ってみればカウンターの一部となっているキリュウに目が行った



「随分と愉快なザマだが。キリュウよ、先に聞いておくが明日の予定は?」


「休み」



カウンターに伏したまま呟くキリュウ

その姿に若干引き気味のアズは「そ、そうか」と相槌をうつとステージに置かれたピアノへと向かい拭き掃除を始めた


エリナはエリナでこの状況に居心地の悪さはあれどどうすれば良いのかさへ分からず永遠とオロオロしている



「しゃあない。明日は休みなのは決まってしまった事だ。過ぎた事をグチグチ言ったところで何も改善はされない。なら明日は開き直って遊ぶとするか」


「あ!だったら私も一緒でいいですか?私も明日は時間が空いてるんです」



ヤケなのかそう言ったキリュウにエリナは手を挙げてそう言った

その傍でアズが「休み!?遊び!?よしキタ!」と人知れずに喜んでいる



「年頃の女の子が何言ってんだ。友達が居ない訳じゃないんだろ?何で俺なんかと…」


「友達がちょっと時間が遅くなるみたいで、それまで時間が有り余ってるんです。せっかくの祭りなんですから何もしないのも嫌ですし。それに私とキリュウさんは仲もいいじゃないですか!」



彼女はキリュウが思っているよりもキリュウに対し好意を持っている

それは側から見れば明らかなのだがここに居る二人はこれまでの日常からしてそう言ったものには疎い



「…まあ構わないか。一人で回るより二人の方が楽しいだろうし」



さらっとアズは放ったらかし発言をするキリュウ

これももはやこの店での日常なのだろう



「じゃあ決定ですね!でしたら明日お昼時に《ローラ・ペールの大鐘楼》の前で待ち合わせましょう!」



そう言う彼女の目はとても輝いていてとても楽しそうにしていた



(よっぽどお祭りが楽しみなんだな…)



そう思うキリュウは取り敢えず一緒に歩くエリナが恥をかかない様に明日着ていく服を考えるのだった



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