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サラ嬢ダイエット大作戦

今回はサラ嬢のダイエット話です。

亮君視点で進行します。

 蒼井さんに言われてサラ嬢のダイエットに協力することになったけど……俺はどうしたらいいんだろうか。

 はっきり言ってサラ嬢は言うほど太っていない。

 蒼井さんと比べて胸と尻がでかいからその分体重も増えているのだろう。

 けど……ぼんっきゅっぼんっって感じなんだよな。


 最近少しお腹が出てきたけど蒼井さんのスタイルの方が好きだけど。

 でもこんなこと言ったらまたおぼんでぶん殴られるな。


「準備はいいですか」


「はい! 」


 うだうだ考えていても仕方がないのでサラ嬢に声をかける。

 普段のドレス姿とは違って、緑色のジャージを着ている。

 蒼井さんが用意したらしい。

 金髪のお嬢様がジャージを着ているってのは……なんか不思議な光景だ。


「じゃあまず軽く準備運動。

俺の動きをまねてください」


 屈伸、伸脚など体の筋を伸ばす運動をしていく。

 そしてその都度間違いを指摘していく。


「サラ嬢、かかとを離さないで」


 柔軟運動なので、普段運動をしない人にはいささか厳しいかと思っていたけどサラ嬢は難なくこなしていた。

 よく考えればダンスとかあるから柔軟はお手の物か。


「そんじゃ、簡単な運動と行きますか」


 蒼井さんは騎士団や野球部方式でと言われたけどあれは効率のいい体を作るためのトレーニングであって、痩せるための物じゃないから他の方法をとる。


「腕立て伏せっていう運動です。

こうやって体を伸ばして、あぁ違う違う。

マリさん、サラ嬢の腰と鎖骨に手を当てて、そうそう。

そのまま腰は下に向けて、鎖骨は上に向けて押して。

うん、身体がまっすぐになるように。

その状態でゆっくりと腕を曲げて顎を地面につけてください。

ただし胸や腹を地面につけないように」


「んー! 」


 ゆっくりと体を下そうとして、サラ嬢がべしゃりと地面に倒れこんでしまった。

 いきなりハードすぎたか。


「えーと」


「うぅ……」


「つ、次のメニューにしておきましょうか。

スクワットって言って、頭の後ろで手を組んでかかとをつけたままゆっくり腰を下ろしていくんです」


 目の前で実践をして見せると、サラ嬢は顔を赤くしてしまった。

 何がいけないんだ。


「亮平様、女性にそのような格好を強要するのはいかがなものかと……」


 近くで訓練をしていた兵士にそう言われて気が付いた。

 たしかに股を開いているこの格好は女性には酷かもしれない。

 けどこれが一番効くんだけどな……。


「わ、私やりますわ! 」


 そう言ってサラ嬢はスクワットをしようと頭の後ろで手を組み、そして腰を落とし始めてすぐに尻餅をついてしまった。


「きゃんっ」


「あーこれもダメか……」


 それから続けて腹筋、背筋とやったけれどもどちらもプルプルと震えるばかりで全然動けていなかった。

 体が柔らかいだけで非力なお嬢様だった。


「サイクリングってやつがあるんですけど……」


 腹筋の別パターンで、頭の後ろで手を組んで右ひじを左ひざに、左ひじを右ひざに付けるという動きを繰り返す物がある。

 しかしこれは腹か胸に肉がついているとできないわけで。


「んー! 」


 案の定というべきか、サラ嬢は途中で肉につっかえて動けなくなっていた。


「こうなったら最終手段です。

外出用の、だけど動きやすい格好に着替えてきてください」


 すでに汗は十分に書いているので運動にはなっていたと思うけれどサラ嬢に着替えるように要求して休憩用のいすに腰掛けた。


「やっぱり貴族って非力なんですね」


「だねぇ、まあ御令嬢だし俺たち騎士みたいに鍛える必要はないもんな」


 近くにいた兵士と雑談を交わしながら待つこと一時間。

 まぁ化粧直しや風呂もあるだろうと思っていたけれどそのことを考えると充分に早いと思う。


「お待たせしました」


「いえいえ、じゃあ行きますか」


「……どちらへでしょうか」


「散歩」


 最後の手段とはウォーキングである。

 実はダイエット効果は一番高いのだが、如何せん街には誘惑も多いし危険も多い。

 まぁサラ嬢は上級貴族の御令嬢だけど重要人物とは言い難いからどうにでもなる。


「散歩……ですか? 」


「言い方が気にくわないなら街の視察でもいいですよ」


「それにどんな効果が……」


「だいたい50kg位の人が一時間歩くと、蒼井さんのお店で出しているお米がお茶碗一杯分くらいやせられます」


「そんなに? 」


 かなり誇張しているけれどダイエット効果自体は高いので気にしない。


「ついでに街の人とふれあって人気も獲得。

ただし屋台とかでおいしい物売っているから注意が必要ですよ」


「う……わかりました。

マリ、私の護衛に」


「かしこまりました」


「では亮様、街の視察にご同行願います」


「はい、もちろん」


 それが仕事ですから、と付け加えるべきだったか。

 サラ嬢が顔を赤くしてしまったのを見ると間違いなく誤解しているんだろうな。


 そう思いながらマリ嬢とサラ嬢と俺という並びで街に繰り出した。

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