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転生人生、海辺の国家の第四王子  作者: 疲労感
第一章 幼少期編
1/14

『プロローグ』

なろうで初小説。練習的意味合いが強いです。

誤字脱字やアドバイスがありましたら気軽に指摘してください。

 体は強いほうではなかった。


 雨に打たれれば直ぐに風邪を引くし、予防を固めても体を壊す。

 病院にも入る、大病にもかかる、激しい運動をすれば倒れ救急車を呼ばれる。

 そんな残念な少年期だったが病弱な体も年々落ち着いてきて成人を超えた辺りから大分安定した筈だった。

 だからだろうか?

 若いから大丈夫と上司に押し付けられた身の丈に合わぬ仕事を頑張ってみようかと思ったのは。

 少し、ほんの少し、無茶をした。

 自分の体を侮っていた。流石だ。

 見事に体調は崩れた。

 一人暮らしの自宅では助けてくれる人はいないので、非常に困った。

 起き上がる力も無く意識も朦朧としている。

 これは死ぬかもしれない。

 楽しみも未練も無かったが、ただ一つ後悔があるとするならば。


 あぁ、もっと頑丈な体が欲しかった。



-その願い、聞き受けた-



 慣れ親しんだ意識の消える感覚の中、無駄に渋い声が聞こえた。

 中々出会えなかった死神がついにご挨拶に来たのかもしれない。

 来るのが遅いんだよ。

 言葉の意味を考えることも出来ず、静かに僕は意識を手放した。








「陛下、男の子ですよ」


 綺麗な声が聞こえた。

 異常に重たい瞼を無理矢理開けると……

 世界が輝いている。何これ、まぶしい。

 トンネルから明るい外に出たみたいになった。

 徐々に回復した視界の先で声を探す。


 ふむ。……うむ。

 あぁ、おう?

 …メイドさんがいた。

 冥土に行ったと思ったら目の前にメイドさんがいた。

 僕の知ってる病院と違う。混乱もする。

 まぁ、それは置いておこう。知らぬ間に病院にメイド服が導入された可能性もある。

 少し混乱した頭で情報を集めるために視界に入るものを分析する。何故か頭が動かせないので視界に入る分だけだ。

 装飾過多な病室。

 何人かのメイド服装備の看護師さんと、王冠を被った壮齢の医者。外国の病院だろうか?皆さん欧州風な顔つきに金髪茶髪。

 …病院であると言う案は捨てよう。こんな病院あって欲しくない。


 自分がメイドさんに抱き上げられている事実とか、感覚的に把握できる小さな自分の手足とか口から流れ出る赤ちゃんの産声のような鳴き声とか、絶望的な現実は考えたくないので無視するとして、視界に入る情報だけでは何も理解でき――


「名は既に決めてある。お前はロイド。第四王子、ロイド・カルボンだ」


 王冠を被った男が(おもむろ)に近づいて頭を撫でる。


 あぁ…決定してしまった…この体がロイド君という生まれたての男の子だと言うことが決定してしまった…無視してたのに、予想できるから、一つの答えが予想できるからあえて無視してたのに…


 認めよう、認めるしかないだろう。僕は転生をしてしまったと。

 生まれ変わりとか、信じてなかったなぁ…


「健やかに育てよ」


 一言を残して王冠の男、恐らく父親は視界から消える。

 気が合うじゃないか。同じことを考えていたよ。

 健やかに育てよ、我が体よ。

 今後にそれだけが希望だ。


 僕、健やかに育ったら運動するんだ…






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