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忘却のアルテミス  作者: 二四野 鏡
落ちこぼれの編入生
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図書館での出会い

 依頼の相談も終わり、学院長室を後にしたレアルはセルフィに案内されてこの学院の図書館に来ていた。

「こちらが図書館です」

「ここもまたでかいな」

 レアルは図書館を見上げ少し唖然としながら返事をする。

 図書館は学院とは隣接しておらず、裏庭から続く道を辿ったところにある。

 外観はどこかの富豪の館のような感じで、ここに来るときによった酒場よりも何倍も大きいだろうとレアルは思った。

「学院長の趣味が本の収集でして、様々な本を集めているうちにこの中もほとんど埋まってしまいました」

「あ~確かに俺が寝てた部屋も壁一面本で埋まってたしな」

 レアルはさっきまで寝ていた部屋の事を思い出す。あれだけでも学院長がかなりの本の収集家だとうかがえる。

「では、案内もすんだので私は失礼させていただきます」

「わざわざありがとな」

「いえ、これも仕事ですので。それと中には司書がいるはずなので聞きたいことがあるようでしたらそちらに」

「はいよ」

 レアルが返事を返すとセルフィは一礼をして来た道を戻っていった。

「さて、こっちも調べものと行きますか」

 そう言ってレアルは図書館の扉を開く。

 中に入ってまず目に入ったのは大量の本棚だ。一階の天井までありそうな本棚が十数個並んでいて奥行きもかなりありそうだ。

「あの爺さんまじでこれだけの数集めたのかよ。王都の図書館と同じぐらいあるんじゃないか?」

 二階にも同様の数が揃えられているのだろう。

 これだけの数を個人で揃えるとなるとかなりの時間と莫大な資金が必要になる。

 もしかしらた学院長はこの国の大貴族とかではないかとレアルは思い始めた。

 レアルが本を眺めながら奥に進んでいくと開けた場所に出た。

 そこには縦長の机が並べられていて椅子が備え付けられていた。ここで学院の生徒が本を読むのだろう。

「入ったはいいがこれだと・・・」

 レアルはもう一度周りにある本棚を見回す。

 そこにあるのは夥しい数の本達。この中から目当ての本を探すのは至難の業だ。

「司書がいるって言ってたけど、見当たらないしな」

 レアルは図書館に入ってからはそれらしき人物は見ていないし、そもそも人の気配を感じないのだ。

「自力で探すか」

「そこのお前、何をしているのですか?」

 レアルが本を探そうと動こうとしたとき誰かに声をかけられた。

 声を掛けられたほうにレアルが振り向くとそこには一人の少女が立っていた。

 腰の長さまである水色の髪、宝石を埋め込んだような金の瞳。体は小柄で肌は白い。青を基調としたフリルがたくさんあるドレスを着ている。

 まるで精巧に作られた人形のような容姿だ。

「・・・子供?」

 不意にレアルが呟くと聞こえていたのかその少女の顔があからさまに不機嫌になる。

「もう一度聞きます。お前はここで何をしているのですか?」

 少女の口調は先ほどよりも語気が強められ刺々しいものになっていた。

 だが、レアルはそのようなことは全く気にしていないといったように返事を返した。

「ああ、ちょっと本を探しに来たんだ」

「そうですか。ですが、残念ですね。ここは学院の生徒だけが利用できる施設であってあなたのような部外者が使っていい場ではありません」

 少女は嫌味交じりに言ってきた。

「いや、学院長には許可もらってんだけどな」

「なっ・・・」

 レアルの言葉を聞いて少女は少し狼狽える。

「えっと、そこのチビッ子、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」

「チビッ・・・!?」

「この図書館の司書がどこにいるか分かるか?」

 レアルが少女に問いかけるが返事は聞こえず、少女はわなわなと震えているだけだった。

「大丈夫か、お前。どっか具合でも悪いのか?」

 返事がない少女を心配したレアルは優しげに問いかける。けれども、まだ返事は返ってこない。

「しゃべれないくらいに調子が悪いのか?仕方ないセルフィさんでも読んでくるか。おい、チビッ子人呼んできてやるからちょっと待ってろ」

「チビって言うなぁあああ!!」

 レアルが人を呼びに行こうと振り返ろうとしたとき少女がいきなり叫びだす。

 何事かとレアルがもう一度少女を見ると怒りに満ちた目で少女がレアルを睨んでいた。

 少女は奥からレアルに向かって早足で近づいてくる。

「お前、名前は何というのですか?」

「え、名前?」

「そうです。さっさと答えなさい」

「レアル・フリーシアだけど」

「レアル・フリーシア、あなたは初対面の相手に対して子供だのチビだのと失礼なことを言って恥ずかしくないのですか!」

 少女はレアルを指さしながらいきなり説教を始めた。

 どうやらこの少女は自らの身体的特徴についてかなり気にしているようだ。

「別に失礼なことを言ったつもりはないんだけど・・・」

「自らの非を素直に認めないとは卑劣な輩です」

「それはいくらなんでも大袈裟だろ。だから、俺は馬鹿にするつもりで言ったんじゃないって」

「では、どういうつもりだったのですか?」

 少女に問われてレアルはもう一度少女を見つめる。

「・・・・見たまんま」

「うっ・・・・それは返す言葉がありませんが、しかし!もっとよく見ればこの私の大人な雰囲気を理解できるはずです!」

「いや、子供って言われて目くじら立ててる時点で精神的に幼いと思うんだが・・・」

 レアルの言葉を聞いて少女は黙り込む。というか固まった。

 そして、しばらくして硬直が解けると少女は本棚の陰に隠れて蹲りながら床にのの字を書き始めた。

「はぁ、まぁいいや。で、蹲ってないで司書がどこにいるか教えてくれないか?」

「・・・・」

 少女はいじけたままレアルを無視する。

「うわぁ、めんどくせぇな。ああもう、悪かったって。チビとか言ったりしてさ。謝るから許してくれよ」

「・・・・・本当に悪いと思ってますか?」

「ああ、思ってる。この通りだ」

 そう言ってレアルは少女に向かって頭を下げる。

「そ、そこまで言うなら、許してあげないこともないです」

「おお、そうか。なら早くどこに司書がいるか教えてくれ」

「なんだか、態度変えるの早過ぎじゃないですか?」

 少女はレアルの態度を見て不服そうに顔を歪める。

「そんなことないって」

「まぁ、いいです。それでこの図書館の司書を探しているのでしたね」

「ああ、そうだ」

「それなら、探す必要はありません。何を隠そうこの私がその司書なのですから」

 少女は腰に手を当てて誇らしげに胸を張りながらどうだと言わんばかりの体勢をとっている。

「さて、本探すか」

「え、あの、ちょっと・・・」

 レアルはそんな少女を無視して本を探す作業に取り掛かった。

「あ、そうそう。お前、名前は?」

「え、メルティス・ダリオンですけど・・・」

「じゃあ、ダリオン。俺もさ、冗談とか構ってる暇があるわけじゃないんだよね。今から俺本探すから。邪魔すんなよ」

「邪魔って・・・信じてないですね!!」

「うん」

 レアルは近くの棚にあった本のタイトルを確認しながら返事をする。

 メルティスはかなり憤慨した様子でレアルの後をついて行った。

「どうして信じないのですか!!」

「いや、だってどう考えても司書やるような年じゃないだろ」

「あなたは私の年齢知らないでしょ!!」

「じゃあ、見た目からして違う」

「また、そうやって・・・・!!」

 メルティスは怒りに満ちた目でレアルを睨みつけたが大きく息を吐いて一旦怒りを収めた。

「レアル・フリーシア、あなたの探している本はなんですか?」

「言ってどうするんだよ」

「いいから、教えなさい」

「えっと、この辺りの地図と歴史書、あとこの地方に言い伝えとか伝承とかをまとめた本とかだな」

「そうですか。それならこっちです」

 レアルの話を聞いてメルティスは徐に歩き出した。

「何をしているのです。早く来なさい」

 メルティスに促されてレアルは後をついていくことになった。

 レアルが連れてこられたのはさっきいた本棚から二つ奥に行った本棚だった。

「この国に関する資料はこの本棚にまとめられています。一番上の右端にあるのがこの国の地名や地形についての本、それから三段目の右から九冊目より後が歴史書。そして、伝承などについては右の本棚の七段目からです」

 メルティスは指をさしながら本棚の説明をしていく。

「え、本当にそうなのか?」

「疑っているのなら確かめればいいでしょ」

 そう言われてレアルは近くにあった踏み台に上り一番上にある右端の本を取る。

 中身を見ると確かにこの国の地図が載っており、山や川や大きな町などについても書かれていた。

「もしかして、この図書館の本の配置全部覚えてるのか?」

「当然です。なんせ私はこの図書館の司書なのですから」

 メルティスは今度こそ誇らしげに胸を張っている。

「へぇ、そりゃすごい」

 だが、レアルは興味なさげに返事をして本に目を落とした。

「案内してあげたというのになんですか!?その反応は!!」

「これでも結構驚いてるよ」

「そうではなくて、というかあなたには年長者を敬う精神自体が欠けているようですね!!」

「・・・俺より年上でそんな姿なのか。なんか、ごめんな」

 レアルは何とも不憫だなぁという視線をメルティスに送る。

「あなたは人を貶さないと話が進められないのですか!?やめなさいっ、その視線!!」

「はいはいっと」

「あ~もういいです!!」

 メルティスはレアルとのやり取りを打ち切り足早に出口の方向へと向かっていった。

「案内ありがとな~」

 彼女の後姿を見ながらレアルは礼を述べたのだが、メルティスは振り返らなかった。



  ◇◆◇◆◇◆



「全くあなたは・・・」

「す、すいませぇん・・・」

 太陽が落ち、月が空に昇ろうとしている時間に二人の少女が図書館へと向かっていた。

 二人はこの学院の生徒のようで白を基調とした制服に青いマントを付けている。

「先生から出された課題を忘れてるなんてね」

「本当に申し訳ありません、アイシャ様・・・」

 どうやら二人はその課題のためこのような時間に図書館に向かっているようだ。

 アイシャと呼ばれた少女はため息をつきながら肩を落としている少女を見る。

 漆黒を思わせる長い髪に吸い込まれそうな青紫の瞳。女性にしては背が高くスレンダーな体つきでスタイルも抜群だ。顔立ちは整っていて少女としての可愛らしさよりどことなく妖艶さが醸し出されている容姿は大人な女性としての雰囲気を纏わせていた。

 彼女の名前はアイシャ・エテオクレス。

 実家は公爵の地位を持ち、この国が始まって以来王に仕えていた由緒正しき貴族の家系である。

 王族の分家ということもあり貴族の間では知らないものはいないほどだった。

「私に謝られても困るわ。それに今することは謝ることじゃないでしょ、ユーナ?」

「は、はい!すいません!」

 アイシャの言葉を聞きなおも謝ったのはのはユーナ・ドレア。

 彼女が頭を下げるたびセミロングのオレンジの髪が揺れる。ブラウンの瞳はうるうると少し涙目になっていた。

 アイシャとは対照的に可愛らしいという言葉がよく似合いそうな少女だ。アイシャより少し背が低くおどおどした態度からは小動物を連想させる。そんな愛らしい風貌している彼女だが、女性としての部分はかなり発育が良いようだった。

「それでどんな課題なの?」

「はい、王国の歴史についてのレポートについてまとめろと先生が」

「それってコルキス先生の課題かしら」

「はい」

「あの人は期限とかうるさかったわね」

「はい・・・」

 その情報を聞いてユーナはあからさまに落ち込む。

「でも、期限は明日までなのでしょう?私も手伝うから十分間に合うわ。図書館で終わらなくても本を借りて部屋でやればいいもの」

「手伝ってくれるんですか!?」

「困っている友人を見てそのままにしておくほど私は薄情ではないつもりよ」

「ありがとうございます!!」

 ユーナは満面の笑みを浮かべてアイシャに頭を下げる。目からは感激の涙が零れそうになっていた。

「けど、毎回は嫌よ。何度も同じ失敗はしないようにしてね」

「は、はい!が、がんばります!!」

 アイシャはユーナの様子を見て苦笑する。

 そうこうしているうちに二人は図書館へとたどり着いた。

 辺りはもうすでに暗くなっておりやたらとでかい目の前の建物は見るからに不気味さを漂わせていた。

 ユーナは図書館を見て少し怯えたような表情になる。

「早く入りましょ」

 怖気ずくユーナを余所にアイシャは何食わぬ顔で図書館の扉に歩み寄る。

「ま、待ってください」

 ユーナも慌ててそれについていく。

 図書館の扉はギギギという廃れた館のような音を立てながらゆっくりと開いた。

 図書館の中はかなり暗かった。壁に一定間隔で取り付けられている灯台が申し訳程度に床を照らしているだけだった。

「ユーナ、とりあえず司書を探してきてくれるかしら?」

「え、私がですか!?」

「あなたの課題なのだから当然でしょ?それと図書館は何度か利用したことがあるけれど司書には会ったことがないの」

「私も会ったことないですけど・・・」

 それを聞いてアイシャは少し考える。

「じゃあ、私は私で本を探しておくから、ユーナは司書を探しておいてちょうだい。いなかったらいなかったでいいから」

「え!?あ、あのそれでしたら私も一緒に本を・・・」

 ユーナは歯切れの悪い言い方でアイシャに返事をした。

 アイシャはユーナの言いたいことは何となく分かっていた。この状況で一人にしないでと言いたいのだろう。

 アイシャの頭の中には一瞬だけ悪戯にからかってやろうかなどという考えが浮かんだが、捨てられた子犬のような瞳で見つめてくるユーナを見てそれを言うのをやめた。言ったら確実に泣き出すだろうと思ったからだ。

「そう分かったわ。じゃあ行きましょうか」

 アイシャがそう言うとユーナはまた満面の笑みでついてきた。

 ユーナはアイシャの制服の裾を摘まんだまま引かれるようにして奥に進んでいった。

 歩いていくと奥が少し明るくなっていること気づく。

 そして、二人は長い机がいくつも並べられた広間のような場所に出た。

「あれは・・・」

 そこでアイシャは自分たち以外に別の人間がいることを確認した。

 椅子に座って本を読んでいたのはレアルだった。司書と別れたあとずっとここで本を読んでいたようだ。明るかったのはレアルの近くに蝋燭があったからだろう。

 レアルはアイシャたちが来たことには気づいていないようで本に熱中していた。

「ちょっと、そこのあなた」

 アイシャはもしかしたらこの男が司書なのかもしれないと思い声をかけるがレアルはまったく反応しない。

「ねぇ、聞いてるの?」

 今度は先ほどより大きな声で声をかける。

 すると、それに気づいたのかレアルが顔を上げて周りを見回す。

 レアルの視線はアイシャと目が合ったことで止まった。

 だが、目が合っただけでレアルは何もしゃべらない。

 しばらくそんな時間が過ぎてレアルは再び本に目を落とした。

「何で、無視するの!」

 アイシャはレアルが座っている机の前まで行き、机を叩く。

「ん、何だ?」

「何だ、じゃないわ。声を掛けたのにどうして無視したのか聞いてるの」

「無視はしてないぞ。ちゃんと顔を上げた。でも、何にも言わなかったから人違いかなぁとか思っただけだ」

「ここにはあなたと私たち以外に人はいないじゃない」

「そうだったな」

 レアルは悪びれる様子もなく答える。

「ぶ、無礼者っ!!」

 突如上がった声にレアルとアイシャは同時に顔を向ける。声を上げたのはユーナだった。

「そ、その方を誰とととろえましゅか!!」

「噛んだな」

「ユーナ、落ち着きなさい。舌が回ってないわ」

 盛大に噛んでしまったためユーナは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にした。

「あれは?」

「・・・気にしないで。それよりちょっと聞きたいことがあるのだけれど」

「何だ?」

 とりあえず、先ほどの無視したことについては置いておくとして、アイシャは先に自分たちの要件を済ませることにした。

「この図書館んお司書を探しているの。ひょっとしてあなたがそうなのかしら?」

「いいや、違うけど。ここの司書なら二時間くらい前に出てったきり帰ってきてないな」

「そう、ありがとう。ところで、あなたは何者なの?学院の生徒というわけではないらしいけど」

「え、またか」

 レアルは少しため息をつく。

「何か言ったかしら?」

「こっちの話だ。まぁ、一応学院関係者みたいなもんだから。ちゃんと学院長から許可もらってきてるからな」

「ええと、新しい先生の方ですか?」

 ユーナが恐る恐るといった感じで聞いてくる。

「そんな大層なもんじゃねぇよ。そういうあんた達は何しに来たんだ?」

「私たちは少し本を・・・・ん?」

 アイシャは途中で言葉を切り積み上げられた本を見る。

「これって、歴史書?」

「ああ、そうだが」

「え、本当ですか!?」

 アイシャから渡された本をユーナも見る。

「本物です!」

「いや、別に嘘ついてないんだけど」

「それだったら話は早いわ。私たちは課題に必要な資料を取りに来たの。よかったら、この本私たちに貸してくれないかしら?」

「え、ああ。いいけど」

 アイシャたちに渡した本はすでに読み終わっていた本なのでレアルに断る理由はなかった。

「あれ?なんか結構暗くなってんな」

 レアルは窓の外を見てかなり時間が経っていたことに気づく。

「気づいてなかったの?」

「そうみたいだなぁ~」

 レアルは欠伸をしながら答える。

「眠くなってきたし、そろそろ戻ろうかな。あんた達も今日はもう帰った方がいいんじゃないか?」

「・・・それもそうね。ユーナ課題は部屋でしましょ」

「分かりました」

「さてと」

 レアルは椅子から立ち上がり積み上げられている本を持ち上げる。手に掛かるずっしりとした重さに顔を顰めながらも移動するレアル。

「手伝いましょうか?」

「いいって別に。あんたらは先に帰ってろ」

「かなり重そうだけど大丈夫?」

「これくらいは平気だ。それにそっちに任せたら転びそうだしな」

「えぇ!?もうすでにそんなイメージなんですか!?」

 ユーナは自分に対する印象を聞いて驚愕する。

「ユーナはともかく私はそんなことはしないわ」

「アイシャ様まで!?」

「はいはい。こっちのことは気にせずにとっとと課題とやらを終わらせてこいよ」

 レアルが譲る気がないと判断したのかアイシャは素直に甘えることにした。

「そう、分かったわ。いつかお礼でもさせてもらうわ。行きましょ、ユーナ」

「ア、アイシャ様!!そ、それでは失礼します!」

 二人は早々に図書館から出て行った。

「気にすんなって言ったのに。ま、いいや。俺もとっとと戻ろう」

 二人を見送ったあとレアルは本を元の場所へと戻すため本棚の奥へと向かった。

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