第二章:魔獣討伐任務編-第一話
昇級試験から数日後。
正式な昇級の任命が行われ、昇級兵の初任務の日である。
任務の内容は…彼女らがちょうど確認するところだ。
「今日の任務の確認をするよ。
農村の近くに魔獣の群れが確認された。魔力探知に優れた魔獣から、農作物を荒らす害獣まで、様々だ。
だから今回は私たち奇襲部隊とヒーローの護衛部隊。どちらも出動する。ここまでは大丈夫かな?」
はい、とまばらに返事をしている。
少し緊張しているのだろう、最強さんにピリピリとした感覚が伝わる。
「今回、俺ら情報部隊は後方支援。ただし例外を認める」
視線が昇級兵へ向く。
「前線で発揮される能力保持者はテル副隊長の指揮下に入れ。単独行動は禁止だ」
「何故隊長ではなく、副隊長の下なのですか?」
手を挙げた昇級兵が質問を投げる。
「前回の手合わせの結果だ。
__昇級兵はまだ“死なない動き”が出来ていない」
ユダは淡々と事実を告げる。
「そして俺は前に出ない。だから代わりにテルに守ってもらえ。以上だ」
「まぁ、こんなキッツイ言い方してるけど、お前らを心配してるんだよ。な!」
と、同意を求めるヒーローに対し、ユダは「バカを言うな」と、小言を零すが、お構い無しに「照れ隠しはいいって〜」とユダを肘で小突いている。
緊張した空気が、少しだけ緩む。
「はぁ、くだらないことやってないでさっさと移動しろ。急速な任務完了を期待してるぞ」
と、ユダからの激励を背に奇襲部隊と護衛部隊、一部の情報部隊員は陣形を組み任務地へと走り出す。
陣形は、偵察に長けた情報部隊員と、その護衛が尖兵を務める。
続いて護衛部隊本隊。
最後方に奇襲部隊と一部の情報部隊員。
目的地に近付いたところで頭上で声が上がる。
「目視で確認!数は報告に合った通り…いや、それより少し多くなっていそうだ!気をつけて対処してくれ!」
尖兵の情報部隊員が後方へ報告し、役目を終えると後列へ下がった。
__奇襲部隊はすでに魔獣の背後にいた。




