表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮に囚われた男  作者: 火川蓮
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/42

Quiet talk 訪問者

※番外編です

ソウヤ視点

みんなのステータスの確認を終えた――そのとき、静かなノックの音が部屋に響いた

扉を開けると、メイドさんが一礼し、虚ろな表情で涙をこぼす少女を連れて立っていた。


「突然の訪問、申し訳ありません。この子を、この部屋で引き取っていただけませんでしょうか。どこの部屋も満席で、断られてしまって……」


ぼくは少し戸惑いながらも口にした。


「ぼくたちの部屋も満席ですよ?」


言いながらも、断るつもりはなかった。

小さな背中に浮かぶ涙を見た瞬間、胸がぎゅっと締め付けられる。


メイドさんはしばらく立ち尽くし、困ったように息をついた。


「そう……ですか……」


その表情は悲しみに満ちていて、ぼくは自然と手を差し伸べた。


「その子のことですが、引き取るのは構いませんよ」


メイドさんの顔に、わずかに笑みが戻る。

少女に小さく頷くよう促すと、彼女はか細い声で名乗った。


「服部……雫……と、言います……」


肩まで垂れた黒髪に制服を着た少女。

幼い顔立ちは端正で、どこか凛とした雰囲気を漂わせていた。

その瞳には疲れと不安が混じり、抱きしめたくなるほどの切なさを感じる。


ぼくは自然に彼女を部屋に迎え入れた。

メイドさんは深く一礼し、静かに立ち去った。


「誰だったの? その女の子、どこから来たの?」


サギジマさんが心配そうに尋ねる。


「別の部屋から追い出されたらしい。可哀想だったから、迎え入れたんだ」


ぼくはそう答え、雫の様子を注意深く観察した。

手首に巻かれた鉄の腕輪、わずかに残る虚ろな光……ただ事ではない。


「はやみん、寝る場所はどうするの?」


サギジマさんがさらに尋ねる。


「ソファーで寝るよ。ベッドは大きいけど、20個しかないからね」


ぼくは短く答えると、そっと魔法を試すことにした。


解呪ディスペル


手に力を込め、光の魔法を雫さんにかける。

彼女の体に柔らかな光が吸い込まれると、〖ガシャン〗と鉄の腕輪が床に落ちた。

同時に虚ろだった瞳に生命が戻り、震えていた肩も少し落ち着きを取り戻す。


やはり……想像していた通りだった。

これが――この国のやり方か。

手っ取り早く戦力を得るためには効率的だが――あまりに非道なやり口だ。


ぼくは決意した。

この国から逃げよう。みんなを連れて、ここから脱出する――と。

読んでくれた方ありがとうございます

誤字、脱字などの不自然な文章があれば、指摘お願いします

他の作品も読んでくれたら、嬉しいです

面白いと感じたら、評価やブックマークお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ