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迷宮に囚われた男  作者: 火川蓮
第二章 

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22/41

chapter11 適応

ぼくが水球を飲み終わると、白銀さんが声をかけてきた。


「ねぇ、颯哉くん。私に魔法を教えてほしいの」


空気が凍りついたような雰囲気の中、声を上げるとか白銀さん、なかなか勇気あるね。

なお、白銀さんは断固として腕を離してくれない……。

まぁ、とくに困ってるわけでもないからいいんだけどね?


ぼくは白銀さんの柔らかい感触をたの……意識しないようにするため、すぐに魔法の話題へと飛びついた。


「いいですよ。初めからそのつもりでしたし」


「初め……え?」


「どういうことだい?」


白銀さんが首をかしげた後、部長がすかさず聞いてきた。

他のみんなもギョッとしたような顔をしている。


これは、最初から説明したほうがよさそうだ。


「この世界に召喚されたときから、ずっと気になってたことがありまして」


そう言って、ぼくは話し始めた。


■ ■ ■


「気になってた……こと?」


「なにをだい?」


白銀さんと部長が、早く話せと言わんばかりに身を乗り出してくる。


「魔力です」


その言葉を口にした瞬間、部屋の空気が少し変わった気がした。


「魔力とは……魔法を使う上で必要なエネルギー。

ぼくたちからしたら“未知のもの”ですが、この世界では“当たり前”にあるエネルギーです。


魔力は――空気のようなものだと思ってください。

そしてそれは、周囲だけじゃなく、ぼくたち自身の体の中にも存在しているんです」


そう言うと、みんなの表情が一斉に驚きに変わった。


「恐らく、ぼくたちの体はこの世界に来た時――作り変えられています。

肉体が分解され、再構築されて……そのときに“魔力”を扱えるようになったんだと、ぼくは考えています」


ぼくがそう言い終えると、


「はああああああああ!?」


部屋中に驚きの声が響き渡ったのだった。

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