chapter11 適応
ぼくが水球を飲み終わると、白銀さんが声をかけてきた。
「ねぇ、颯哉くん。私に魔法を教えてほしいの」
空気が凍りついたような雰囲気の中、声を上げるとか白銀さん、なかなか勇気あるね。
なお、白銀さんは断固として腕を離してくれない……。
まぁ、とくに困ってるわけでもないからいいんだけどね?
ぼくは白銀さんの柔らかい感触をたの……意識しないようにするため、すぐに魔法の話題へと飛びついた。
「いいですよ。初めからそのつもりでしたし」
「初め……え?」
「どういうことだい?」
白銀さんが首をかしげた後、部長がすかさず聞いてきた。
他のみんなもギョッとしたような顔をしている。
これは、最初から説明したほうがよさそうだ。
「この世界に召喚されたときから、ずっと気になってたことがありまして」
そう言って、ぼくは話し始めた。
■ ■ ■
「気になってた……こと?」
「なにをだい?」
白銀さんと部長が、早く話せと言わんばかりに身を乗り出してくる。
「魔力です」
その言葉を口にした瞬間、部屋の空気が少し変わった気がした。
「魔力とは……魔法を使う上で必要なエネルギー。
ぼくたちからしたら“未知のもの”ですが、この世界では“当たり前”にあるエネルギーです。
魔力は――空気のようなものだと思ってください。
そしてそれは、周囲だけじゃなく、ぼくたち自身の体の中にも存在しているんです」
そう言うと、みんなの表情が一斉に驚きに変わった。
「恐らく、ぼくたちの体はこの世界に来た時――作り変えられています。
肉体が分解され、再構築されて……そのときに“魔力”を扱えるようになったんだと、ぼくは考えています」
ぼくがそう言い終えると、
「はああああああああ!?」
部屋中に驚きの声が響き渡ったのだった。
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