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迷宮に囚われた男  作者: 火川蓮
第二章 

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20/42

Quiet talk サイタの心境

※番外編です

※犀田視点

会社で朝のミーティング中、突然、知らない場所に飛ばされた。

豪華な服を着た女が、魔王がどうとか魔法を授けたとか言っていたが、頭には入ってこなかった。

けど、速水のやつだけが冷静だった。

なんでそんな冷静でいられるんだ?

知らない世界、知らない場所、知らない力。不安でいっぱいで、何一つ頭に入ってこない。


会社のメンバーと一緒にいると、メイドが部屋まで案内してきた。

その瞬間、もうここは日本じゃないんだと理解した。

部屋に入り、少し落ち着こうとしたとき、知らない人たちが入ってきた。

どうやら、一緒に暮らすことになった人たちらしい。


速水の提案で自己紹介をすることになった。

名前と職業ジョブだけ言えばいいらしい。

水晶に触れたときのことを思い出しながら、俺も答えた。


自己紹介が終わると、速水が開口一番に言った。


「みなさんの魔法の知識は、どのくらいありますか?」


その言葉を聞いた瞬間、思わず口が勝手に動いた。


「ハッ、魔法とか本気で信じてるのかよ」


「そうですよ。魔法なんて非科学的なもの、ありえません」


海蛇田まからだのやつが、すかさず続ける。


「確かに、“日本では”そうだったかもしれません。

でも、もうここは日本じゃない。まず、その事実を認める必要があります」


速水は淡々と、けれどどこか突きつけるように言った。

その瞬間、胸がざわついた。

俺は現状を現実だと認めるのが怖かった。

だって、ありえないだろ。

異世界召喚なんて、アニメやゲームの中の話だ。


「そんなこと言われてもなぁ」


「まったくです」


海蛇田まからだも同じ気持ちらしく、ため息まじりに答える。

速水のやつの苛立ちが、空気を通して伝わってきた。


「ちょっと二人とも!!」


白銀ちゃんが声を上げる。


「あーしも魔法とか、よくわかんなーい」


ギャルのJKが肩をすくめながら言った。


「そんなことより、白銀ちゃんよぉ」


俺は速水を睨みつけながら彼女を呼ぶ。


「いつまで、速水の野郎にくっついてんだ?」


「別にいいでしょ! わ、私の勝手じゃない!!」


一瞬にして撃沈。

声の震えに、不安が混じっているのがわかった。


速水はため息を吐いた。


「んだよ」


俺がそう言うと、速水は何も言わずに片腕を前に出した。

その仕草が、全員の視線を引きつける。


そして――。


水球ウォーターボール!!」


速水がそう言うと、テニスボールほどの大きさの水の塊が、掌の前に現れた。

ふわりと宙に浮かび、水滴が光を反射して、かすかに音を立てる。


空気が、一瞬止まった気がした。

誰もが息を飲み、見惚れていた。


「これが魔法です。使える魔法は人によって違いますので、注意してください」


静寂を破ったのは、鳥沢の叫びだった。


「すげええええ!!」


彼は速水の出した水球へ駆け寄り、興奮したように眺めている。


「オレにもできるかな……」


「まず、みんなが使える魔法を確かめないといけないですね」


速水が冷静に言った。


「おいおい、どんな手品だよ」


「速水くん、ずいぶんと手が込んでますね」


意味がわからなかった。

こんな現象が現実なわけがない。


「信じる信じないは自由ですけど、後で後悔しないでくださいね」


「どういう意味だよ?」


俺が聞き返すと、速水はまっすぐに言った。


「この世界は、日本より命が軽い可能性があるんですよ。

魔物や魔獣がいる世界のはずですからね。

命の危機になって、無様に殺されても知りませんよ――ってことです」


“無様”という言葉だけ、やけに鋭く胸に刺さった。

俺はいつもと違う速水に戸惑い、なにも言い返せなかった。


それでも――心の奥がざわついていた。

これがもし本当なら、もう“元の世界”には戻れないのかもしれない。


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