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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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閑話 ギルド長会議 その一


 王都・冒険者ギルド。

 無駄に偉そうなおっさん達の話し声が、広い会議室に響き渡っている。


 今日は緊急会議と称されて召集され、この会議室の中にはグルザルム王国の主要五都市の冒険者ギルドのギルド長が集められている。

 ビオダスダールも大きな街ではあるが、他の四つの都市と比べると格は一段低く、更にドウェインは元冒険者という経歴も相俟って会話に入れずにいた。


「クリンガルクの街からも、とうとうSクラス冒険者が誕生したみたいですね」

「ヴぁっはっは! 散々馬鹿にされ続けて来たが、とうとう【紅の薔薇】がSクラスに昇格してくれた! これでお前達に馬鹿にされるどころか……【紅の薔薇】は全員二十代と若い上に、女だけのパーティだ! 未来も明るく話題性も抜群! 最高の気分だぜ!」

「Sクラス冒険者パーティが一組出ただけでそのはしゃぎようですか。私の街からは去年だけで三組のSクラス冒険者が誕生していますよ」

「それはダンジョン都市だからだろ! 普通の街と比較するのはズルいわ!」


 こうしてギルド長が一同に介すると、自分の街の冒険者による自慢大会が始まる。

 ドウェインはくだらないと毎度のこと思いながらも、ビオダスダールにはAクラス冒険者すら一組しかいないため、負け惜しみと捉えられるのが嫌で会話には参加しないスタンスを取っている。


「ダンジョンがあろうがなかろうが関係ありません。そういえば……フェデルの街からは【白の不死鳥】が移動したんですよね?」

「はあ!? その話、本当か? 【白の不死鳥】と言えば、SSクラス冒険者に最も近いってされてた冒険者パーティだろ!」

「……ちっ。余計なことを言いおって。……本当じゃよ。急に王都に拠点を移すとぬかしおって、引き留める間もなく本当に抜けおった」

「ヴぁっはっは! いつになくシロ爺が静かだと思ってたら、そんなことになってたのかよ! ざまあねぇな!」

「まだCランクだった時から目をつけて優遇してやったのに、あやつら恩を仇で返しおって。……ワシの街のことはもういい。ビオダスダールはどうなんじゃ? 新しいAクラス冒険者くらいは誕生したんじゃろうな?」


 自分に矛先が当たるのを避けるためか、無理やりドウェインに話を振ってきた。

 毎度の流れのため慣れてはいるが、鬱陶しく思いながら言葉を返した。


「……いない。Aランクは未だにウェルだけだ」

「ふぉっふぉっふぉ。聞いたかのう! 未だにAクラス冒険者が一人だけ! それも引退し損ねたウェル爺だけらしいぞい」

「シロ爺もざまあみろって感じだったが、ビオダスダールはレベルがちげぇな! お前が冒険者に復帰した方がいいんじゃねぇか! ヴぁっはっは!」

「今までは笑い話になっていましたが、流石にこのままではまずいですね。曲がりなりにも主要都市五つの内の一つに入っているのですから、冒険者の成長も促してもらわないと。……Bランク以下で目ぼしい冒険者は出てきているのですか?」


 馬鹿にされてからの説教モード。

 ドウェインは分かりやすく表情を歪め、舌打ちをしてから目ぼしい冒険者を挙げる。


「【ワーカーホリックス】、【レベルナイフ】、ソロ冒険者のアオイ。この辺りはAランクに上がると見ている」

「前二つのパーティは聞いたこともないのう。アオイだけは聞いたことがあるがの」

「ソロでBランクなんてそういないしな! でも、ソロって結構やべぇだろ! 性格に難があんのか?」

「いや、そんなことはないと思う」

「ほー。若い女ってことだし、せっかくなら【紅の薔薇】に加入させてやってもいいぜ? 引き抜く形になっちまうが、アオイとやらに聞いておいてくれや! ヴぁっはっは!」


 無駄にデカい笑い声も含め、いちいち癪に障るためイライラが募っていく。

 そのせいもあり、ドウェインは言ってはいけない人名を口に出してしまった。


「口利きしてもいいが、移る可能性はゼロだな。アオイは今、グレアムさんとパーティを組もうと必死だからな」

「グレアム……さん? 誰だそれ。リュネットは知っているか?」

「いえ、聞いたこともありません。ドウェインさん、グレアムとは誰なんですか?」


 その質問がされ、重苦しい沈黙が流れる。

 目立ちたくないと釘を刺されていたのに、つい口走ってしまったことに焦りが止まらない。


「……お前から言い出したのになんで答えねぇんだよ! ……どうせ適当に口走った架空の人物か、雑魚冒険者だ――」

「雑魚なんかじゃねぇ! 次、グレアムさんを侮辱したら斬り殺すぞ?」


 机を破壊しそうなほど思いきり叩き、本気の殺意を込めて脅したドウェイン。

 顔を真っ赤にしていることからも、この場にいる全員が冗談じゃないと察した。


「落ち着いてください。急にどうしたんですか?」

「…………すまない。ちょっと熱くなった」

「急にキレるなよ。こえーよ。……で、本当に誰なんだよ。そのグレアムさんってのは」


 ……こうなってしまったら、軽くでもいいから説明しないと場が収まらない。

 グレアムさんに迷惑がかからないよう、注意しながらとりあえず納得させることだけを考え、ドウェインは説明を行うことに決めた。



ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!

『ブックマーク』と、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです<(_ _)>ペコ

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