第33話 緊急依頼
人で溢れている冒険者ギルドの中を進み、大きな掲示板に貼りだされている依頼を確認した。
でかでかと緊急依頼と書かれており、その依頼内容はオーガの群れの討伐。
ここでいうオーガというのはレッサーオーガだろう。
レッサーオーガは昨日倒したばかりであり、あの弱いレッサーオーガが群れているとはいえ緊急依頼とされているのを見ると、頭がこんがらがりそうになる。
単体ではEランクに昇格するための低難易度の依頼であり、オーガの群れとなると扱いが変わるのか?
「オーガの群れの討伐と書かれていますね。昨日、グレアムさんが倒したオーガのことでしょうか?」
「どうなんだろうな。もしかしたらレッサーオーガの方じゃなくて、俺が平原で見つけたオーガの群れのことかもしれない」
「あっ、遠征して倒そうとしていたオーガですか? ということは、そのオーガの群れがビオダスダールに近づいているってことですかね?」
「俺はその可能性が高いと思っている。正直、レッサーオーガには物足らなさを感じていたし、オーガならこの緊急依頼なら受けてもいいと思っているんだが、ジーニアはどう思う?」
「いいね、受けようよ! 緊急依頼なら私も一緒に受けられるしさ!」
ジーニアに話を振ったのだが、間から割り込んできたアオイがそう答えた。
数秒前までは乗り気だったのだが、この一言だけで一気に依頼を受けるのを遠慮したくなるな。
「グレアムさんがいいと思ったなら、私は大賛成ですよ! グレアムさんが言っていた本当のオーガも気になっていましたし、遠征も厭わない覚悟でしたから受けていいと思います!」
「ならEランクに昇格して早々だが、緊急依頼を受けるとしようか。アオイが乗り気なのが少し嫌だが」
「なんでよ! 一緒に依頼を受けようよ! そこで私が如何に使えるかを証明する!」
「証明しなくていいからついてこないでくれ」
「やなこった! 私をパーティに入れてくれるまでは付き纏い続けるから!」
アオイは俺にベーと舌を出しながらそう言うと、一足先に緊急依頼を受けに行った。
俺達も少し遅れていつもの受付嬢さんの下に向かい、緊急依頼を受ける手続きを済ませた。
「うー、大分止められてしまいましたね。結構不安になってきちゃいました」
「受付嬢さんは俺達を心配してだろうからな。ルーキー冒険者から脱却してもまだ半人前。今回の依頼は難易度が高すぎるって言っていたな」
「推奨はCランク冒険者以上と言ってましたもんね。オーガと聞いてそうでもないのではと思っていましたが、群れとなると全くの別物なんでしょうかね」
「分からない。忠告を素直に聞いて、依頼を受けるのを止めるべきだったか? 依頼を受けると言った時の受付嬢さんの悲しそうな表情が忘れられない」
「そんなに心配しなくても大丈夫だって! 私は本当に一流の冒険者だから! 私とグレアムがいれば何とかなる!」
オーガについては一切心配しておらず、受付嬢さんとの関係が悪くなる心配をしていたのだが、的外れなことを言ってきたアオイ。
ただ……アオイは本当に有名だったらしく、一緒にいただけでいつもの嘲笑混じりの視線ではなく、羨望の眼差しのようなものを感じた。
【不忍神教団】の分隊にあっさりと捕まっていたし、俺との軽い戦闘でも強さを一切感じなかったから嘘だと思っていたんだけどな。
もしかしたら、ピンチの時にだけ使える凄い能力を隠し持っているのかもしれない。
「ちゃんと無事な姿で帰還して、帰ったら受付嬢さんに謝るとしよう」
「そうですね! グレアムさんと、アオイちゃん。よろしくお願いします!」
「任せておいて! オーガくらいならささっと倒しちゃうから! その代わり……オーガを倒せたら私をパーティに加えてね!」
「俺以上にオーガを倒せたら考えてもいい。その代わり、俺よりも倒せなかったら諦めてもらうぞ」
「やったー! 諦めないけど、グレアムよりたくさん倒したら絶対に入れてもらうから! ガンガン倒していくぞー!」
もはや何の約束にもなっていないが、何度訂正しても聞く耳の持たないアオイ。
そんなこんなやり取りをしている内に、あっという間に平原に辿り着いた。
パッと見た限りでは冒険者がかなりウロウロしているものの、昨日となんら変わりないようにしか見えない。
とりあえず気配を探ってみるとしよう。
…………よし、昨日見つけたオーガの反応を見つけた。
昨日、感知した位置からは確かに近い位置に反応を感じ取ることができた。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!
『ブックマーク』と、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです<(_ _)>ペコ





