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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第2章

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第32話 ストーカー


 翌日。

 昨日は食べ歩きを行ったことでリフレッシュでき、機嫌良い状態でジーニアを迎えに行ったのだが……酒場の前でジーニアと話している人物を見て、俺のテンションは一気に下がった。


「おい、なんで今日もいるんだ」

「私をパーティに入れてほしい! きっと役に立ってみせる! それでその代わり、私に指導をしてくれ! って、お願いをしに来た!」


 酒場の前にいたのは黒装束の女。

 今日は勝負を仕掛けにきた訳ではないようだが、パーティに入れてくれという同じくらい突拍子もない話をしに来たようだ。

 これまでの行動を鑑みたら絶対にパーティには入れたくないし、そもそもジーニアとの二人パーティでも別に困っていないからな。


「絶対に嫌だ。無茶苦茶な理由で襲ってきておいて、パーティに加えてくれは無理がある」

「頼む! 知らないだろうが、私は様々な冒険者パーティから誘いを貰うほどの人間なんだぞ! ここで断ったら絶対に後悔する!」

「なら、他のパーティに加わればいいだろう。後悔しないから他所のパーティに行ってくれ」

「むむむ……。嫌だ、私はこのパーティに入ると決めたんだ! ジーニアからも説得してくれ!」

「えっ、急に私に言われても困るよ……。このパーティはグレアムさんがリーダーだしさ。アオイちゃんは諦めるしかないと思う」

「ジーニアとは友達になれたと思ったのにこの薄情者っ! もういい! 勝手についていく!」

「どっか行ってくれ。勝手についてくるは許されないだろ」


 俺の言葉は完全に無視し、ジーニアの後ろに張りついたアオイと呼ばれていた黒装束の女。

 恐らく俺が来るまでの間に、互いに名前で呼び合う関係になっていたことに少々驚きを隠せない。


「分かった。今日も勝負を引き受けるから、勝負がついたらどっか行ってくれ」

「勝負はもういい! 勝てないのはもう分かった!」

「一体なんなんだ。じゃあ何をしたらどっか行ってくれるんだ?」

「だからパーティに入れてほしい! 私は使えるぞ?」

「はぁー、駄目だな。もういないものとして扱おう」

「それはそれで大変な感じがしますけど……」


 これ以上無駄な時間を使っていられないし、もう無視して冒険者ギルドに向かうことにした。

 非常に鬱陶しいが、流石に無視し続けて依頼を行っていれば、どこかで離れるしかなくなるはず。


 そんなことを考えて冒険者ギルドにやってきたのだが……冒険者の数が異様に多い。

 この朝の時間帯はいつも人がいないのだが、今日は依頼の達成報告をしに来る時間帯と同じくらいの人がいる。


「何か人が多いな。問題があった時は人が減っていたし、これはたまたま人が多いだけなのか?」

「どうなんですかね? 行き来が激しいように見えますし、何か問題が起こっていそうな気がしますけど」

「ふっふっふ。これは間違いなく緊急依頼が出されているな! この人の多さから考えると、かなり危険な依頼の臭いがぷんぷんする!」


 急に会話に割り込んできたアオイ。

 俺達よりも冒険者歴は長いようで、色々と知っている風な感じを出している。


 俺は無視をすると決めたため、質問したい気持ちをグッと我慢したのだが……。

 無視するという行為ができないジーニアは、何事もないかのようにアオイと会話を始めた。


「緊急依頼というと、この間の【不忍神教団】の依頼のような感じのかな?」

「そう! 【不忍神教団】も最近の依頼だし、こんなに連続して緊急依頼が出されるのは記憶にない!」

「グレアムさん、どうしますか? 無視して普通の依頼を引き受けますか?」

「依頼の内容を見て決めようか。そもそも俺達がその緊急依頼を受けられるかも怪しいしな」

「緊急依頼はEランク以上の冒険者なら誰でも受けられるぞ! その名の通り、緊急を要する依頼だから選んでいられないってのがある!」


 かなり癪ではあるが、アオイの情報は昨日までルーキー冒険者だった俺達にとってはタメになるものばかり。

 ついさっき無視しようと決めたばかりなのだが、既に心が揺らぎ始めているのが分かる。


「それじゃ私達でも受けられますよ! せっかくの緊急依頼ですし、引き受けても良いんじゃないでしょうか?」

「いいね! 私も一緒に受けられるし、ジーニアの意見に賛成だ! ……ただ、緊急を要するということはそれだけ危険ってことでもある! めちゃつよのおっさんは大丈夫だろうけど、ジーニアは危ないかもしれないな!」

「おっさんじゃなくて俺はグレアムだ。仮に危険な依頼だったとしても、俺がジーニアを必ず守る。まぁ、まだ依頼を受けるかは決めていないが」

「はい! 私もグレアムさんがいけると判断した依頼なら、何の心配もなく受けられます!」


 ジーニアは満面の笑みを浮かべて、そう言ってくれた。

 全面的に信用してくれているのが分かるし、将来あるジーニアの人生を考えても、その期待だけは絶対に裏切らないようにしなくてはならない。

 とりあえず依頼の内容を確認してから、慎重にその緊急依頼を受けるか決めるとしよう。



ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!

『ブックマーク』と、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです<(_ _)>ペコ

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