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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第251話 お礼


 確認をし終えたスペンサーたちと合流してから、俺たちはフリンブルへと戻ってきた。

 誤解も完全に解けたようだし、こちらの力も理解してもらえたのは大きい。


 一時はどうなるかと思っていたが、結果的にこのタイミングで魔物の軍勢がやってきたのは良かった。

 もしかしたら、フリンブルの街にも被害が及んでいたかもしれないしな。


「帰る前に寄ってもらって悪ぃなァ。今回の件、改めて礼をさせてもらう。本当に助かった」


 スペンサーから呼び出されたため、ギルド長室へとやってきたのだが、部屋に入るなり頭を下げられた。

 既に散々お礼は言われているため、もうお礼の言葉はいらないんだけどな。


「もうお礼はいらないぞ。こちらの提案に協力してくれた恩もあったからな」

「グレアムさんの言う通りだ。協力関係にあるんだから、助けるのは当たり前だ。そもそも他国といえど、危険が迫っていたら助けていたし。……まぁ俺は何もしていないんだが」

「だとしても、今回の一件はいくら礼を言っても感謝を伝えきれねェ。明らかに魔物の質も数も、これまでの数段上だったからなァ」


 みんなの反応を見ても、そんな感じはした。

 実際に魔物は粒が揃っていたとは思う。

 とはいえ、軍を率いる明確なリーダーがいなかったため、今回は楽に殲滅することができたが。


「タイミングは良かったと思う。訪れる日や帰る日がズレていたら、参戦することができていなかったからな」

「魔王軍側も、ここぞというタイミングで攻勢に打って出たのに、あっさりと殲滅されて今頃焦っているんじゃないか?」

「それはどうか分からねぇが、タイミングに救われたのは間違いねェ。グレアム、本当にありがとう」


 もう大丈夫だと言ったのに、すぐにまた頭を下げてきたスペンサー。

 これ以上は言っても無駄だろうし、俺は反応せずに質問をすることにした。


「それより、魔物がどこから湧いてきたのかは分かったのか?」

「ああ。国境近くに抜け道のような場所が作られていた。今回はそこから進軍していたらしい」

「抜け道? あれだけの魔物がやってきたってことは、相当大きなものだったんじゃないのか?」

「恐らく、大きな抜け道だとは思うぜ。今は入口だけ塞いで、兵士を配備させている状態だから詳しい調査ができてねぇんだ。体制を整えてから、調査が済み次第ドウェインには手紙を送る」


 ワープゲートや魔法ではなく、単純に抜け道があったわけか。

 実際にこの目で見ていないから分からないが、色々と怪しさも感じてしまっている。


「了解した。スペンサーからの報告を受け次第、グレアムさんには俺から伝えさせてもらう。ということで、今回はもう帰らせてもらうぞ」

「あー、ちょっと待ってくれ。大したものは用意できてねぇんだが、礼の品を準備させてもらった」


 帰ろうとした俺とギルド長を呼び止めると、おもむろに後ろに置いてあった大きな袋を出してきた。

 何が入っているのかは分からないが、確実にお礼の品を大量に用意してくれたことだけは分かる。


「おい、スペンサー。一体何を用意してくれたんだ?」

「まずは討伐してくれた魔物の素材だ。こちらで剥ぎ取って、価値の高いものをまとめておいた。それから、幻の酒を入れてある。ドウェインの好物だろう?」

「幻の酒ってことは『シュヴァリエ・コンテ』か!?」

「そんなに有名なお酒なのか?」

「ああ! 一本で家が建つと言われているくらい珍しくて高価な酒だ!」


 ギルド長が珍しく興奮している。

 俺が力を見せたとき以外は冷静でいることの方が多いため、余程珍しい酒なんだろう。


「グレアムには救ってもらったからなァ。『シュヴァリエ・コンテ』は礼だ。他にも、価値のありそうなものを詰めておいたぜ。街に戻ってから確認してみてくれや」

「ありがとう。遠慮なく頂かせてもらう」

「あー、それと。うちの兵士長がビオダスダールに行くと言っていた。近々訪れるだろうが、歓迎してやってくれたらありがてェ」

「あの話の分かる兵士か。もちろん歓迎させてもらう。幻の酒までもらったら、断れないしな」


 ギルド長は幻の酒を抱いており、離す気がないように見える。

 酒はあまり飲まないが、ここまで目の色を変えているとなると気になってくるな。


「それじゃ今後は協力していこうぜ。グレアムも何かあったときはまた助けてくれ」

「もちろん。要請してくれれば助けに来る」

「そりゃ心強い」


 俺はスペンサーと握手を交わしてから、用意してもらった袋を持ち、今度こそギルド長室を後にした。

 思いのほか大きな騒動に巻き込まれたものの、怪我人すら出さずに解決できたのは良かった。



ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

書籍版の第2巻が発売しております!!!

Web版をご愛読くださっている皆さまにも楽しんでいただけるよう、加筆修正を加えたうえでの刊行となっております。

ぜひお手に取っていただけますと幸いです!


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