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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第243話 突撃


 空気も軟化したし、ようやく話し合いができる。

 まずは中に案内してもらってから、ギルド長に説明しないといけない。


「それでは改めて自己紹介をさせていただきます。私は旧廃道を統治しております、ベインと申します」

「ご丁寧にありがとう。俺はビオダスダールの街で、冒険者ギルドのギルド長を務めているドウェインだ。よろしくお願いする」

「自己紹介も済んだことだし、まずは……そうだな。ギルド長、何か質問はあるか?」


 説明から入るよりも、ギルド長の質問に返答していった方がいいと思い、俺はギルド長に質問を促した。

 この形式の方が早く疑問を払拭できるはず。


「質問? そりゃいっぱいあるが……ありすぎて難しいな。まずはそうだな。この場所は以前から存在していたのか?」

「いいえ。旧廃道は昔から縄張りにしていましたが、建物を造ったのは最近です。それこそ、グレアム様のために建てました」

「グレアムさんのために――か。凄い忠誠心だな。ベインとグレアムさんはどういう経緯で、そんな関係に発展したんだ?」

「私がグレアム様を襲い、見逃してもらった時からです。それだけでなく、私にベインという名前まで授けてくれたのです。もはや神様以上の存在であり、この身が朽ち果てるまで忠誠を誓うと決めました」


 ベインが祈るようなポーズを取りながら、俺への忠誠心を語っている姿に、ギルド長は若干引いている様子。

 とはいえ、出会った頃のギルド長も大概だったけどな。

 最近はマシになってはいるが。


「名付け親ってことで、忠誠心を誓ったってことか。今の反応を見る限りでは、到底嘘には見えないな」

「嘘ではありませんからね。矮小な存在でしたが、グレアム様と出会ってから私は生まれ変わりました」

「……魔物まで心酔させてしまうなんて、グレアムさんは凄まじいな」

「ベインが特殊なだけだぞ」


 引き気味ではあるものの、ベインに敵意がないことをちゃんと理解してもらえた。

 やはり質問形式にしたのは正解だったな。


「ベインが敵ではないことはよく分かった。他の魔物もベインに従っている様子だしな」

「理解してもらえて良かった。特殊な場所であるが、ここにいる魔物たちは人間に危害を加えない。……どころか、統治することで安全にしている」

「マイナスどころかプラスってことか。ベインの力と忠誠心をこの目で見たら、その言葉の意味も理解できる」

「隣国と揉めてしまったことは謝るが、本当に悪意はなかったことは理解してほしい」

「大丈夫だ。そもそも最初からグレアムさんのことは疑っていない。ここの魔物のことは少し疑っていたが、それも今回で晴れた」


 スッキリした表情でそう言ってくれたギルド長。

 最初はどうなるかと不安だったが、理解を示してくれてホッとする。


「ドウェイン様、ありがとうございます。私たちにできることがあれば、何なりとお申し付けください」

「いや、今は動かないでくれるのが一番ありがたい。ただ、いずれその力を借りに来ると思う。そのときは協力してくれたら嬉しい」

「もちろん協力させていただきます」


 ギルド長とベインが再び固い握手を交わした。

 俺はそんな二人を見て頷いていると……黒い塊が飛んできた。


「――うがっ! って、レッドワイバーンか」

「クゥーン!」


 今回は加減してくれたみたいだが、それでも体の大きさも相まって凄い威力。

 受け止めるのが大変だったが、胸に頭を擦り付けて喉を鳴らしているところを見ると許してしまう。


「おお! それが前に言っていたレッドワイバーンの……子供? 子供でこんなに大きいのか?」

「少し前までは小さかったんだが、成長速度が物凄く早い。そのせいで、レッドワイバーンとしての自認が体の大きさに追いついていないんだ」

「確かに……子供っぽい仕草だ。あと、本当にレッドワイバーンなのか? 漆黒って言っていいぐらい黒いが」

「そこもいまいち分からない。親がレッドワイバーンだったからそう呼んでいるが、もしかしたらブラックワイバーンの可能性がある。まあ、大人になったら赤く発色する可能性もあるし、今はレッドワイバーン呼びのままでいいと思っている」


 頭を胸に擦り付けてくるレッドワイバーンを撫でながら、俺はギルド長に説明を続ける。

 そして、レッドワイバーンが部屋に来てからすぐに、お世話係をしてくれている二名の魔物も入ってきた。


「グレアム様、ベイン様! 話し合いをしているところ、乱入してしまい申し訳ございません!」

「すぐに連れていきます!」

「は? へっ? ……この二名の魔物もグレアムさんに仕えている魔物なのか!?」

「ああ。俺というよりかは、ベインの下に就いている魔物だな。赤くスタイリッシュな骸骨がアカで、青い騎士っぽい骸骨がヨルだ」

「強大な魔物とこんなに頻繁に会うとは思っていなかった。俺が出会った魔物ランキングのトップ3が、今日すべて更新された」


 あまり意識していなかったが、確かにアカとヨルも異質な進化を遂げているもんな。

 レッドワイバーンもメキメキと力をつけているし、名付けたらベインすら超える力を持つのではと密かに思っている。

 驚きまくっているギルド長を横目で見ながら、改めてこれまでが説明不足すぎたと反省したのだった。




ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

書籍版の第2巻が発売しております!!!

Web版をご愛読くださっている皆さまにも楽しんでいただけるよう、加筆修正を加えたうえでの刊行となっております。

ぜひお手に取っていただけますと幸いです!


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