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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第240話 先輩面


 ルーカスを連れ、再び冒険者ギルドへと戻ってきた。

 既に何度か冒険者ギルド自体には訪れているとのことだし、詳しい説明はいらないはず。


「冒険者登録は済ませてあるのか?」

「はい。冒険者登録というよりかは、転入手続きをしてきました。問題なく、ビオダスダールの冒険者として働くことができると思います」

「さすがだな。それじゃ、あとは本当にパーティメンバーを見つけるだけか」


 転入届という知らない言葉が出てきて、一瞬固まりかけてしまったが、何とか表情に出さないように堪えた。

 先輩面でやって来て、初歩的なことも知らないというのは流石に恥ずかしすぎる。

 背中にじんわりと汗が滲むのを感じながらも、冒険者ギルドの中に入った。


 ちなみに、パーティを決める際には二つの方法がある。

 一つは掲示板に貼り出して、自ら募集をかけること。

 もう一つは、受付嬢さんに紹介してもらうこと。


 俺は受付嬢さんにジーニアを紹介してもらった実績もあることから、まずは受付嬢さんにお願いするのがいいと思っている。

 ということで、いつもの受付嬢さんのところへ並び、ルーカスを紹介することにした。


「あっ、グレアムさん! お久しぶりです!」

「意外と久しぶりになるな。元気にしていたか?」

「もちろんです! 元気だけが取り柄ですからね!」


 受付嬢さんは満面の笑みを見せ、両手で力こぶを作った。

 自分でも会話が下手くそだと思ってしまうけど、それくらいの当たり障りのない会話しかできない。


「あっ、そういえば……。私、昇進させてもらったんですよ! やっていることはあまり変わっていないんですけど、お給料が増えたんです!」

「そうなのか? まぁ、ちゃんと仕事をしてくれているから驚きはないぞ」

「ふっふっふ、グレアムさんが言ってくれたんですよね? ギルド長さんは昇進の理由を教えてくれませんでしたが、タイミングが明らかに変でしたから! ありがとうございます!」

「いやいや、俺は何も知らないなぁ」


 一応しらばっくれてはみたが、全部バレバレと言わんばかりの表情。

 実際口出ししたし事実ではあるんだが、あまり公言していいことではないからな。


「分かりました! 感謝は心の中に留めておきますね! それで……今日は何の用事でやってきたんですか?」


 ようやく本題に入ることができそう。

 たじろいでいる姿をルーカスに見られていたのは恥ずかしいが、表には出さず、受付嬢さんにルーカスを紹介することにした。


「今日はパーティメンバーを探しに来たんだ。俺ではなく、このルーカスという冒険者のメンバー探しなんだが……手伝ってもらうことはできるか?」

「もちろんです! ルーカスさん、はじめまして!」

「は、はじめまして。僕の名前はルーカスと言います!」

「ふふ、今グレアムさんから聞きましたよ! それで、ルーカスさんは冒険者登録はお済みでしょうか?」

「は、はい! ダンジョン街で冒険者をしていまして、先日転入手続きを済ませました」

「それでしたら問題ありませんね! ちょっとお調べするのでお待ちください!」


 受付嬢さんはそう言うと、水晶のようなもので調べ始めた。

 十秒ほどで調べ終えたのか、ルーカスの情報が浮かび上がった。


「えーっと、冒険者ランクE。登録日は三年前で、今は組んでいる方がいない、ということで大丈夫ですか?」

「はい。合っています」


 登録日を聞いて、三年前のことを思い出したのか、一瞬顔色が曇ったルーカス。

 辛い過去を……いや、失ってしまった仲間との楽しかった記憶を思い出してしまったのだろう。


「ルーキーは脱却しておりますし、パーティメンバーはすぐに見つかると思います! ルーカスさんの希望としては、既に形成されているパーティに加入したいのか、それとも一からパーティを作りたいのか、どちらでしょうか?」

「僕はどちらでも――」

「できるなら、一から作らせてほしい。それでも可能か?」

「もちろんです! それではルーカスさんと同じように、パーティを組んでおらず、パーティを探している方をお調べしますね!」


 受付嬢さんはそう言うと、再び水晶を使って調べ始めた。

 そして、何人かリストアップしてくれたようで、メンバー候補の大まかな情報を教えてくれた。


「――以上になります! みなさん、やる気がある方ばかりなので、きっとパーティになると思いますよ!」

「確かに魅力的な方が多かったです。迷ってしまいますね……」


 受付嬢さんがリストアップしてくれた冒険者は、真面目でやる気のある人ばかりだった。

 もちろん普通にパーティを組むのであれば、絶好の冒険者を選んでくれたわけだが……。


「すまないが、少し素行に問題がある冒険者はいないのか?」

「えっ? 素行に問題がある冒険者ですか? ちょっと待ってくださいね……」


 流石に変な要望だったようで、一瞬驚いた表情を見せたけど、すぐに探し始めてくれた。


「あっ! 今パーティメンバーを探していて、少し素行の悪い冒険者がいました! Cランクとランクが高い冒険者の方なのですが、活動できる日が少なく、急に休んでも大丈夫な方を募集――とありますね!」

「悪くないな。ルーカスはどう思う?」

「よくはないと思ってしまいましたけど、グレアムさんはこの方がいいと思うんですか?」

「ああ。まぁ最終的にパーティを組むのはルーカスだから、ルーカスが決めたらいいと思う」

「……分かりました。今回はその方に会ってみたいと思います」

「分かりました! 私の方で連絡をしてみますので、進展があったらすぐにお伝えしますね!」

「何から何までありがとう。本当に助かった」

「受付嬢さん、ありがとうございました!」


 しっかりとお礼を伝えてから、俺たちは冒険者ギルドを後にする。

 ルーカスの現状を考えたら不定期の方が逆にありがたいだろうし、ランク差があるため向こう次第ではあるが、パーティを組むことができたら良いな。



ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

書籍版の第2巻が発売しております!!!

Web版をご愛読くださっている皆さまにも楽しんでいただけるよう、加筆修正を加えたうえでの刊行となっております。

ぜひお手に取っていただけますと幸いです!

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!!


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