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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第238話 難しい話


 まずは今、どんな状況なのかを把握するのが最優先。

 バチバチに争っているのであれば、今すぐに止めないといけない。


「それで、今はどんな状況なんだ? 争っているのか?」

「いえ。グレアム様から“人間には手を出すな”という命令を受けていましたので、一切手は出さずに魔物を引かせております」

「ということは、ウィシュル王国の兵士に明け渡したということなのか?」

「ウィシュル王国側も、魔物が大量にいるという報告を受けて兵を挙げただけのようですので、今は誰も統治していない状態となっております」


 指示していた通り、手を出さずに魔物を引かせた判断は本当に素晴らしい。

 魔王軍は敵視されているが、一番厄介なのは間違いなく人間と敵対すること。


 揉め事になり、ウィシュル王国以外も動き出していたら、本当に大事になっていたと思う。

 ただ、最悪な事態は免れただけで、誰も統治していないのもかなりまずい。

 魔王軍が活発に動き出しているとのことだったし、ベインが治めていた場所に入られたら厄介だからな。


「引かせたのは良い判断だったな。ただ、もぬけの殻の状態はまずい。ちなみに、その場所はどこなんだ?」

「南の平原です。オーガの群れがあった場所でして、地道に統治していたところを見つかってしまった形です」

「なるほど。他の三か所は今のところ問題ないという認識で大丈夫か?」

「はい、問題ありません。平原から引かせた魔物たちは、三か所に避難してもらっております」


 さすがはベイン。

 急な対応が求められただろうが、今のところ完璧に対処してくれている。


 とはいえ、ここからどう動くべきなのかは俺もいまいち分かっていない。

 ウィシュル王国と揉める、平原が無法地帯になる――この二点がまずいということだけは分かる。


「ちなみにだが、ベインはここからどう動こうと思っていたんだ?」

「平原を常に監視して、王国が兵を引いたら魔物を戻そうと考えておりました。ただ、私の支配下にある魔物がいなくなったことで、平原近辺がざわついている気配があり、ゆっくりと様子を見ている暇はないように思っていたところでもありました」

「ざわついているというのは、魔物たちが活発になっているということか?」

「はい。実際にウィシュル王国の兵は活発化した魔物と戦い続けており、それも戦況は劣勢。魔王軍の動きも感じておりまして、状況的にかなりまずい気がしております」

「……もう少し詳しく状況を教えてほしい」


 戦闘にはそれなりの自信はあるが、頭を使うのは得意ではない。

 ベインの言っていることに頭の処理が追いついておらず、一度詳しく状況の確認をさせてもらうことにした。


 それから、配慮してくれたベインによって子どもでも分かるような説明を受け、ようやく今起こっている状況を詳しく理解することができた。

 ビオダスダールを南に進んだ先が問題となっている平原であり、平原をさらに南に進むとウィシュル王国が位置しているらしい。


 そして、ウィシュル王国のさらに南側に魔王軍の拠点があるとのこと。

 大した戦力も割かれていない上、大きな拠点でもないようなんだが、ベインが撤退したことで必然的に南の平原の治安が悪化。


 魔王軍は、ウィシュル王国が南の魔物の対応に追われていることを知り、戦力を増やしている――というのが今の簡単な状況。

 不可抗力とはいえ、ウィシュル王国が追い込まれている状況を作っているのは俺も関係しているからな。

 一度ウィシュル王国に出向き、話ができるなら話をした方がいい。


「ようやく完璧に理解できた。ベインはこのまま争いが起こらないよう、魔物たちに指示を出してくれ」

「かしこまりました。グレアム様はどうなされるのですか?」

「俺はまず、ビオダスダールで話をつけてくる。この場所についても、いずれなんとかしないといけなかったしな」

「グレアム様、申し訳ございません。私がグレアム様の下僕になったばかりに、面倒ごとに巻き込んでしまいました」

「いや、ベインが気にする必要はない。ベインにはすでに色々と世話になっているからな」


 申し訳なさそうにしているベインにそう声を掛け、早々に旧廃道を後にすることにした。

 本当はもっとレッドワイバーンと戯れたかったし、ベインとも色々と話をしたかったのだが……急を要する案件だからな。


 まずはギルド長に話をし、どう動けばいいのかの助言をもらおうと思っている。

 長としての経験は俺の比ではないし、この場所のことを詳しく話せるのもギルド長しかいない。

 ギルド長にはまたしても負担をかけさせてしまうが、隣国のピンチでもあるため、早急に行動に移すとしよう。




ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

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Web版をご愛読くださっている皆さまにも楽しんでいただけるよう、加筆修正を加えたうえでの刊行となっております。

ぜひお手に取っていただけますと幸いです!


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