第24話 アンデッド
無事に依頼を見繕ってもらい、俺達はビオダスダールの街の東にある廃道にやってきた。
今回の依頼はコープスシャウトという、アンデッド系の魔物の討伐依頼。
この東側は俺がフーロの村からやってきた方角であり、今いる廃道も舗装された道から外れたすぐの場所にある。
元々はこの廃道を使っていたみたいだが、ビオダスダールの発展と共に舗装された道ができたことでこの道は廃道となってしまったようだ。
昔は治安も悪かったこともあって、山賊やら盗賊やらに襲われて死んでしまった者がこの廃道には多数眠っており、そのことが起因してよくアンデッド系の魔物が湧いてしまうとのこと。
今はご覧の通り荒れ果てているが、元々は普通に使われていた道なだけあり、現在の舗装された道からも近いということで、今回のような討伐依頼は頻繁に出されていると受付嬢さんは言っていた。
「人通りがよくて綺麗に舗装された道からそこまで離れていないのに、何だか雰囲気のある場所ですね。南東の森よりも雰囲気は怖いかもしれません」
「実際に南東の森よりも強い魔物がいるからな。まぁ強いと言ってもどんぐりの背比べみたいなものだが」
「そりゃあグレアムさんにとってはどんぐりの背比べかもしれないですけど、私にとっては結構大きなことですよ! やっぱりアンデッド系の魔物が多いんですか?」
「流石に気配だけでは魔物の種類を識別できない。俺が分かるのは弱いか強いかの判別だけだな。飛行しているとかの特徴があれば分かるが」
「なるほど。それでソードホークは見つけられたんですね! でも……人間と魔物の違いは分かるんですよね? 昨日は遠く離れた人を見つけていましたし」
「人の気配は特徴的だからな。それに加えて個体差が出過ぎるから集団でいるとより分かりやすい」
「なんか面白いですね! ……いいなぁ、羨ましいなぁ! 私も気配を探れるようになりますかね?」
「ああ。練習すれば誰でもできるようになるぞ。俺の域に達するまでは流石に長い年月がかかると思うけどな」
既に亡くなっている父から、俺は気配探知を教えてもらった。
よく狩りにつれていってくれたのだが、その時にやり方を教えてくれたことをふと思い出した。
顔は似ていたが性格は俺と真逆であり、陽気で明るい人だったな。
「練習すればできるようになるんですか! てっきりスキルを使って行っているものだと思ってました」
「そんな大層なものじゃない。ジーニアに教わる気があるならいつでも教えるぞ」
「ぜひお時間ある時に教えてください! でも……戦闘もそうですけど、私ばかり与えてもらって本当に申し訳ないです」
「別にそんなことはない。この歳で初めて村を出て、一般的な知識には欠けているところをジーニアには助けてもらっているからな。それに俺なんかとパーティを組んでくれたってだけで十分すぎる恩恵だ」
「いやぁ、最近は私なんかでいいのかと思ってしまっていますよ? グレアムさんは本当に超人のような強さですし、Aランクの冒険者パーティでもやれると思いますし!」
「そんなに甘くはないと思うぞ。ただ、もし仮にAランクの冒険者パーティに誘われたとしても、ジーニアが良いと言ってくれる限り続けるつもりだ」
「そう言ってくれるだけで本当に嬉しいです! ご期待に沿えるように全力で頑張りますね!」
「いやいや気張らなくていい。この緩い雰囲気も好きだからな」
若ければ上にのし上がってやろうと思っていたかもしれないが、戦闘に明け暮れていた俺にとっては今ぐらいが非常に居心地が良い。
ジーニアの成長を見守るのも楽しいしな。
「私も今の感じが好きです! 一人で冒険者をやっていた時は地獄のようでしたが、こんなにも楽しいなんて思ってなかったです」
「そう思ってくれているなら良かった。――っと、雑談をしていたら魔物が集まってきた。アンデッド系は昨日戦っているし、ジーニアが戦ってみるか?」
「はい! 私にやらせてください!」
地面から這い出てきたのはボーンマミー。
依頼の魔物ではないが、ジーニアが相手するには丁度いい魔物。
道中の魔物はジーニアに任せつつ、気長にコープスシャウトを探すとしよう。
廃道を進むこと一時間弱。
依頼内容はコープスシャウト五体の討伐であり、既に五体のコープスシャウトを倒すことに成功している。
ただ思っていた以上にこの廃道には魔物が多く存在しているため、依頼が早く終わってしまったからまだ引き返さずに廃道を進んでいる状態。
ジーニアもまだ戦う元気が残っているようだしな。
「本当にアンデッドだらけですね。北の山岳地帯にいたアンデッド系の魔物も、この廃道から出た魔物なんですかね?」
「その可能性は高いかもな。体力的にはまだ大丈夫そうか? 一応この廃道で一番気配の強い魔物の下を目指しているんだが、ジーニアの体力次第ですぐに引き返すから」
「私はまだまだ大丈夫ですよ! それに体力が尽きたらグレアムさんが戦ってくれますよね?」
「まぁ俺が戦うこともできるが、ジーニアが戦わなきゃ意味がないからな。既に依頼は達成している訳だし」
「確かに……! じゃあ体力が持たなくなりそうだったら、早めに申告させて頂きます! でも、この廃道で一番気配の強い魔物は気になるんですよね。グレアムさんは倒せるんですか?」
「もちろん楽に倒せる。そうじゃなきゃ向かっていない」
そこからは適度にジーニアの様子を確認しつつ、なんとなく強い気配の魔物がいる場所に向かっていった。
進むにつれて道自体もどんどんと草木で覆われて険しくなっていき、また別の廃道にぶつかった。
今出た道は、今まで進んでいた廃道を使う前に使っていた道であり、旧廃道ってところだろう。
そして――この旧廃道を進んだ先に、俺が感じていた魔物が存在する。
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