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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第208話 完治


 オークはアオイが楽々と討伐し、その後もブランクを感じさせることなく依頼をこなしていった。

 怪我の心配もなさそうだし、ちゃんと完治した様子。


「うん! 足も全く痛くない! 依頼でも動けてたし、今日からのクリンガルク遠征についていってもいいよね?」

「ああ。痛みが出ていないなら大丈夫だ。身支度は整えてあるのか?」

「もっちろん! 行く気満々だったし!」


 ピースをしながら、まとめてある荷物を見せてきたアオイ。

 この様子だと、俺が駄目だと判断しても、ついてくる気満々だったな。


 とにかく、万全の状態でクリンガルクに向かうことができそうだ。

 孤児院を案内してもらい、合同で依頼をこなすだけの予定だったが、クリンガルク周辺の手配書の魔物を討伐してもいいかもしれない。


「グレアムさん、馬車が来ましたよ」

「今出る。アオイも行くぞ」

「うん! ついていけるの嬉しい!」


 俺たちは馬車に乗り込み、この間と同じように二日かけてクリンガルクへと向かう。

 経由地での食事も楽しみにしつつ、ビオダスダールを出発したのだった。



「おー! 久しぶりのクリンガルクが見えてきたー!」

「ドラゴンゾンビを討伐して以来ですね。ベロニカさんたちとも会うのが楽しみです」

「グアンザはいるのかな? 結局、討伐後は会えていないし、いるならグアンザとも会っておきたいところだ」


 様々な場所を放浪しているという話は聞いていたが、今どこにいるのかは分かっていない。

 新しいクリンガルクのギルド長であるグレグとも良い関係を築くことができたし、何か情報を教えてくれるかもしれない。


 クリンガルクにいる可能性は低いが、もし居たら挨拶くらいはしておこう。

 そんなことを考えながら、まずは【紅の薔薇】が拠点としている『アンチェルト』に向かうことにした。


 用心深かった店主だが、どうやら俺たちのことを覚えてくれていたようで、すぐに中に通してくれた。

 例の部屋には【紅の薔薇】がおり、ベロニカを含む計四人の姿があった。


「あっ、グレアムさんにジーニアさんとアオイさん。もう着いたのですね」

「ああ、ベロニカ。おはよう。えっと、モナとミリアと……あと一人は誰なんだ?」


 王都で手合わせした時にいたのは分かるが、名前が全く分からない。

 多分だけど、自己紹介はされていないはずだ。


「この子はナタリーですわ。ミリアと同じく孤児院の出でして、今日は声をかけて来てもらったんです」

「ナタリーです。本日はよろしくお願い致します」

「こちらこそよろしくお願いする。わざわざ来てくれてありがとう」

「いえ、素晴らしい活動のお手伝いができるということで、私の方から参加を申し出たので、お礼はいりません。本日は色々と学ばせていただきます」


 ナタリーは立ち上がると、深々と頭を下げてきた。

 そんな大層なことをするつもりはないし、学ぶことなんて一つもないと思うが……謙遜すると謙遜合戦が始まりそうな予感がするため、素直に受け取らせてもらうことにした。


「ねね、孤児院には何時から行けるの? もし時間があるなら手合わせしようよ! 復帰したばかりで、いろんな人と手合わせしたいんだよね!」

「一応、何時からでも大丈夫とのことでしたが……時間は指定した方がいいかもしれませんね。お昼過ぎで大丈夫でしょうか?」

「ああ。俺たちは何時からでも大丈夫だ」

「それではお昼過ぎから向かうとしましょうか。ミリア、ナタリー、アポイントメントを取ってきてもらってもよろしいですか?」

「うん! 行ってくる!」


 ミリアとナタリーは軽く頭を下げてから、孤児院へと向かってくれた。

 時間的にはあと五時間後くらいか。

 意外と間が空いてしまうようだ。


「よーし、時間が空いてるみたいなら手合わせしよう! ジーニアも参加するでしょ?」

「ベロニカさんとモナさんも参加するなら、私も参加します。貴重な機会ですからね」

「私はやる。ベロニカは?」

「私もやらせてもらいますわ。グレアムさんは参加しますか?」

「いや、俺はグレグのところに行ってくる。参加しても場を冷やすだけだからな」


 四人の手合わせを見たい気持ちもあるが、俺はグレグからいろいろと話を聞きに行った方がいいだろう。

 手合わせの結果は後で聞くとして、俺は一人『アンチェルト』を後にし、冒険者ギルドへと向かうことにした。



ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

書籍版の第2巻が来月の7/25に発売予定となっております!!

Web版をご愛読くださっている皆さまにも楽しんでいただけるよう、加筆修正を加えたうえでの刊行となっております。

ぜひお手に取っていただけますと幸いです。


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