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第182話 面白い依頼


 レッドワイバーンの子供を紹介し終えた後、ベロニカとモナはクリンガルクの街へと帰っていった。

 最初は戸惑いこそあったようだけど、あの様子だったら問題なさそうだし、二人に紹介して良かったと思う。


 さて、ベロニカとモナの急な来訪があったこともあり、フーロ村から戻ってきてから何もしていない。

 一段落ついた訳だし、色々動き出すとしよう。


「グレアム、おはよう! ベロニカとモナも帰っちゃったし、今日から依頼を再開するの?」

「いや、俺は少し色々な街を見てきたいと思っている。この間話したと思うが、魔王軍は戦力を集めるためにこっちで動いているみたいだからな。危険とされている魔物を追って、魔王軍の情報を集めようと思っている」

「えー! ということは、ジーニアと私のコンビで依頼をこなしていくって感じ?」

「そうしてくれるとありがたい」

「うぅ……。久しぶりにグレアムさんと一緒に依頼に行けると思っていたのですが……ショックです」


 ジーニアはあからさまに落ち込んでいる。

 うーん……今日くらいは一緒に依頼に行ってもいいんだけど、ビオダスダールでの依頼はジーニアとアオイだけでも余裕でこなせるからな。

 二人が成長しているということもあって、俺がいると過剰戦力となってしまう。


「何か強い魔物がいれば、俺も付き添っても良いとは思うんだが、二人でも余裕でこなせる依頼しかないからな」

「なら、私達もその情報集めに連れていってよ! それなら一緒に行動できるでしょ?」

「そっちのが駄目だ。二人を連れていると、移動に時間がかかるからな。街から街へと移動するから、相当な時間のロスになってしまう」

「ということは、アオイちゃんと二人で依頼をこなすしかないってことですね」


 本当は二人も連れていってあげたいところだが、こればかりは難しい。

 二人とも落ち込んでいるのを見て、少し心が痛くなってくる。


「……分かった。今日だけは一緒に依頼をこなそう。もう少しだけ休みの気分で、ゆっくり依頼をこなす」

「本当ですか!? でも、それで大丈夫なのでしょうか?」

「魔王軍も急ピッチで戦力を集めようとしているわけでもないし、そう急ぐ案件でもないからな。大丈夫だ」

「やったー! なら、久しぶりに受付嬢さんチョイスの依頼をこなそうよ! あの人、面白い依頼を回してくれるし!」

「今日はそれでいこう。休みじゃないといいんだけどな」


 ということで、今日は三人で依頼をこなし、本格的に動くのは明日からとなった。

 早速冒険者ギルドに着いた俺たちは、いつもの受付嬢さんを探す。


「あっ、いた! ソフィーさん! 依頼を受けにきたよ!」

「アオイさんにジーニアさん、それから今日はグレアムさんもいるんですね。三人集まっているところを見るのは、久しぶりかもしれません」


 笑顔で対応してくれる受付嬢のソフィーさん。

 俺は名前を知らなかったのだが、どうやらアオイが聞き出した様子。


 そして、そんなソフィーさんの胸には金のバッジがついており、このバッジは優秀な受付嬢である証明のバッジ。

 ギルド長にソフィーさんの給料を上げるようお願いしたこともあり、このバッジが渡されたと共に給料も上がったはずだ。


「俺はあまり冒険者ギルドに来れていなかったからな。受付嬢さんと話すのも久しぶりな気がする」

「確かにそうですね。アオイさんとジーニアさんのどちらかが、依頼を受けに来るということが多かったですもんね。それで……今日は何の依頼を受けに来たのですか?」

「今日はソフィーチョイスの依頼を受けたくて来たんだ! なんか面白い依頼はない?」

「面白い依頼ですか? 高難易度の依頼じゃなくていいのであれば、一つ良い依頼がありますよ」


 どうやら面白い依頼に心当たりがある様子。

 さすがはソフィーさんだ。


「高難易度じゃなくてもいい。是非、その依頼を紹介してくれ」

「分かりました! えーっとですね、南東を進んだ先に大きな川があるのは知っていますか?」

「ああ。かなり大きな川だから見たことはある。確か……グレイトレモンの採取を行った森の先だよな?」

「はい、そうです! その川に大きな魔物の影が見えたとの噂がありまして、グレアムさん達にはその魔物の正体を確認してもらいたいんです」

「ん? 討伐依頼とかじゃなくて、確認だけでいいの?」

「はい。噂レベルでして、まだ存在するかどうか分からないので確認が今回の依頼です。なんでも、首だけで数メートルはあるという話でしたので、とんでもない化け物が潜んでいる可能性があるんです」


 首だけで数メートル?

 それが本当なのであれば、ドラゴンよりも大きな魔物ということになる。

 想像していたよりも、面白そうな依頼を出してくれた。

 

「分かった。その魔物が実在するのかを確認してくる」

「もし実在していて、危険と判断したら討伐依頼も出すかもしれません。川にいる魔物ですので、危険と判断されない可能性の方が高いですけどね!」

「もし討伐依頼が出された場合は、引き続き俺たちが受けさせてもらう。川にいる魔物の討伐は面白そうだしな」

「ありがとうございます! どうかよろしくお願いしますね!」

「こっちこそ面白い依頼をありがとう」


 ソフィーにお礼を伝えてから、俺たちは冒険者ギルドを後にした。

 川にいるかもしれない化け物級の魔物の確認。


 正直、それらしい魔物の反応は感じ取れていないため、いる可能性としては低いのだが……非常にワクワクする依頼。

 道中を楽しむのが目的で受けた依頼だったけど、思いのほか依頼自体も楽めそうで良かった。



ここまでお読み頂きありがとうございます。

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加筆もしており、web版を読んでくださっている方でも面白く読めると思いますので、是非お手に取って頂ください!

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