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第167話 ゾンビ化

ここまでお読み頂きありがとうございます。

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加筆もしており、web版を読んでくださっている方でも面白く読めると思いますので、是非お手に取って頂ください!

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 すぐにピンときてくれるかと思ったのだが、ベロニカたちは何のことか分かっていない様子。

 原因がドラゴンゾンビということは本当に広まっていないようだ。


 というか……ギルド長に言われたから全面的に信じていたが、グアンザの過去の行いから考えても、ドラゴンゾンビが原因かどうかを調べることの方が先決かもしれない。

 グアンザとグレグのどちらを信じるかと言われたら、グレグ一択だしな。


「すみません。疫病の原因というのは何のことですの? もしかして、今クリンガルクで流行っている病には何か原因があるのですか?」

「本当のことか分からないが、レッドドラゴンの死体がゾンビ化してしまい、それが原因で疫病が広まっていると聞いてきた」

「……なるほど。それをグアンザさんから聞いたということですわね?」

「ああ。さっきグレグにも聞いてみたんだが、門前払いをされてしまってな。俺もどちらかといえばグアンザよりもグレグを信じているが、本当にレッドドラゴンを討伐した過去があるなら、確かめてみないといけないと思っている」


 グレグの方を信じているとはいえ、グアンザも別に嘘をついているようではなかった。

 原因がドラゴンゾンビではなかったとしたら、それはそれでいい訳だし……せっかくクリンガルクまで足を運んだのだから、調べずに帰るということはできない。


「確かにレッドドラゴンは倒しましたわ。……ただ、そのレッドドラゴンのゾンビ化については聞いておりません。グレグさんが怪しんだのも分かる気がします」

「ドラゴンゾンビが動き出したってなったら、少しぐらいは話題になっていてもおかしくないもんね! やっぱりグアンザが嘘ついていたんじゃない?」

「決めつけるのはまだ早い。ちなみにレッドドラゴンの死体の処理は行ったのか?」

「いや、やっていないと思う。レッドドラゴンを討伐してからすぐに王都から招集の要請があったとかで、そっちの準備をし出したからね。グアンザはずっと留守にしていたし、私達も準備で忙しかったから、金になる牙だけ引っこ抜いてそのままになっているはず」


 そういうことなら、ゾンビ化していてもおかしくはない。

 自然にゾンビ化すること自体は稀だし、可能性としては低いと思うが……ゾンビ化は意図的に行うことができる。


 フーロ村を襲撃してきた魔王軍幹部の内の一人であるエルダーリッチ・ワイズパーソンは、同時に攻め込んできたフェンリルロードの魔獣軍団の死体を即座にゾンビ化させていた。

 リッチ程度でも、時間をかければドラゴンのゾンビ化は行えるだろうし、死体の処理を行っていないということで可能性は高まったと思う。


「なら、調べてみないと駄目だな。倒した場所に死体が残っているのかの確認をすれば済むことでもあるし、なければゾンビ化の可能性が高いと結論付けられる」

「私もグレアムさんの意見に賛成です。そのレッドドラゴンを倒したという場所はどこなのでしょうか?」

「南にあるキューブ山という場所ですわ。クリンガルクからでも見えるのですぐに分かると思います」

「南にあるキューブ山か。そのキューブ山のどの辺りで倒したんだ?」

「山頂付近。倒した時は重傷者がいたせいですぐに下山したから処理できず、その後も山頂付近ということもあって、中々行くに行けなかったんだ」

「なるほど。山頂付近なら、案内がなくとも大丈夫そうだな」


 死体は生命反応を感じることができないため、中腹とかなると死体探しが難航する可能性があったが、山頂付近となればすぐに探し出すことができるはず。

 早速だが、明日にでも探しに向かうとしよう。


「あの……私達もついていってもよろしいですか? 私達が討伐した魔物の処理をしなかったせいでゾンビ化したのであれば、私達にも責任があると思いますの。それと単純にグレアムさん達には恩義もありますし、いらないとは思いますけど案内をさせて頂きたいと思っております」

「いいじゃん! せっかくならみんなで行こうよ! 【紅の薔薇】達のお話とか聞きたかったし!」

「実力も分かっているし、ついてくるのは構わないが……グレグとの関係は大丈夫なのか? 俺達についてきたら、【紅の薔薇】も裏切っていると思われ兼ねないぞ」

「そのことも含めて、私達がついていった方がいいでしょ。クリンガルクで唯一のSランクパーティだから、ギルド長も私達がちゃんとした報告をすれば信じざるを得ないと思うし」


 確かに、今後の関係を考えたらついてきてもらった方がいいのか。

 ギルド長との関係が悪くなりかねないことに付き合わせるのは悪い気がしてしまうが……向こうから提案してくれているのだから、ここで俺の方から拒否することはない。


「分かった。なら、一緒についてきてほしい。早速だが、明日の朝から向かう予定だが大丈夫か?」

「明日の朝ですか? そうなりますと……他のメンバーが分からなく、もしかしたら私とモナだけになるかもしれません」

「俺はそれでも構わない」


 守らなければいけない対象になるかもしれないし、どちらかといえば人数は少なければ少ない方がいい。

 だから、ベロニカとモナだけなら好都合といったところ。


「グレアムさんが大丈夫ということなのであれば、それで行かせて頂ければと思います」

「それじゃ決まりだな。明日の朝に門の前で待っているから来てくれ。気が変わった場合は無理に来なくていいから」

「絶対に行くよ。私達の街のことだし」

「分かった。それじゃ明日、よろしく頼む」


 俺はベロニカとモナにそう告げ、『アンチェルト』を後にした。

 一気に情報を手に入れることができたし、明日には全て解決できる……はず。


 グアンザの情報が間違いであり、何事もないってオチが一番なのだが、疫病が蔓延しているという情報を加味すると、ドラゴンゾンビがいる可能性の方が高い。

 いつ戦闘になってもおかしくないよう、万全の準備をしてからキューブ山に向かうとしよう。



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