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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第114話 状況


 ジーニアとアオイの二人を連れ、俺達は急いで冒険者ギルドへと戻った。

 サリースは冒険者ギルドの入口付近で俺達を待っており、どうやらこの間で大方の指示と状況についてを把握できた様子。


「ジーニアとアオイ、よく来てくれた。色々と話がしたいから、もう一度私の部屋まで来てくれるか?」

「もちろん」


 そう返事をしてから、先を歩くサリースの後を追ってギルド長室へと向かう。

 部屋の中に入るなり、サリースはすぐに状況を話し始めてくれた。


「まずは簡単に説明させてもらう。千を越える魔物の襲来は本当の情報。実際に様子を見に行ってくれた冒険者達から話を聞いたし、その冒険者は元Sランク冒険者の信用できる人物だった」

「ほ、本当にそんな数の魔物が近づいているんですね……!」

「それに数だけじゃなく、一体一体も強そうに見えたとのことだった。流石に目視できる距離までは近づけなかったみたいだから、詳細な魔物の情報は得られていないがな」


 淡々と話してはいるが、サリースの額に汗が滲んでいるのが分かるため相当焦っている様子。


「それで……その魔物の大群はどの辺りにいるんだ?」

「冒険者が確認した場所は、王都から三時間ほど西に進んだ辺りの平原。どこから進軍してきたのかは未だに分かっていない」

「思っていたよりも近いな。猶予は一時間ほどか。迎え討ちに行くんだよな?」

「ああ。王都近辺では戦闘できないから、数を集めて出撃する。交流戦のために来てくれた他のSランク冒険者達や、王都に残っている実力者には今片っぱしから召集をかけているが……はたしてどれくらい集まるかは分からない」


 人を集められるか分からない中、魔物の大群が思っているよりも迫っている。

 サリースが焦るのも無理はない。


 これは俺が全ての魔物を屠るつもりで身構えていた方がよさそうだ。

 フーロ村にいた時に何度も魔王軍と対峙しているため、特段緊張している訳ではないが……最後の戦いで片腕をエンシェントドラゴンにやられたため、片腕で挑むのは今回が初。

 どこまでやれるか未知なのは少し怖いな。


「限られた戦力で戦うことになるかもしれないのか。作戦みたいなものは考えてあるのか?」

「作戦を練る時間すらないから、大した作戦は考えられていない。ただ……平原と王都の間に山岳地帯がある。そこで上を取って、地の利を生かして攻めるつもりだ」

「なるほど。王都近辺の地理には疎いから、俺達は一切意見できない。サリースに任せるぞ」

「ああ。全ての作戦の責任は私が持つ。四人にはただ力を貸してほしい」

「さっきも伝えたが、全面的に協力させてもらう」

「ですね! このまま見過ごせる訳がありませんし、微力ですが一緒に戦わせて頂きます!」

「私も! サリースさんにはお世話になったし!」

「三人とも……本当にありがとう」


 またしても深々と頭を下げてきたサリースに必要ないことを伝えてから、俺達はひとまず冒険者ギルドを後にすることにした。

 時間がないと分かった以上、ゆっくりしている時間はない。


 一時間後には出発するとのことなので、すぐに戦える準備を整えるのと……リア、トリシア、モードの三人への説明。

 それから王都を離れる間、マックスに三人を見てもらうお願いをしに行く。


「グレアムさん、ここからはどう動くつもりだ?」

「まずは……ギルド長はどうするか聞いていいか?」

「俺はついていくぞ。戦闘面で役に立つとは思えないが、少しでも人はいた方がいいだろ」

「それはありがたい。なら、ギルド長とジーニアとアオイの三人には買い出し等を含む戦闘の準備をお願いしたい」

「分かりました! グレアムさんは何をするんですか?」

「俺はマックスに会いに行った後、宿に戻って三人に説明をしに行ってくる」

「なるほどね! 分かった! こっちは私たちに任せておいて! ちなみにグレアムは何か買っておいて欲しいものとかある?」

「煙幕があれば買っておいてくれ。なければないで問題から、あればで大丈夫だ」

「分かりました! 煙幕があれは買っておきます!」

「ああ。よろしく頼んだ」


 冒険者ギルドを出た後、俺はすぐに三人と別れてマックスのいる闇市へと向かった。

 この間会った時に、【グレーボランティア】の拠点としている場所を聞いていたため、拠点を目指して歩を進める。


 相変わらず柄の悪い連中ばかりの闇市を突き進み、一直線で古びた建物にやってきた。

 この建物が【グレーボランティア】の拠点らしく、結構な人が常駐している。


 闇市を拠点にしているだけあり、人相が悪い人は多いものの人当たりは良く、事情を説明するとすぐにマックスの下へと案内してくれた。

 部屋へと案内された後、三人を見ていて欲しいという俺のお願いにマックスは二つ返事で快諾してくれ、これでリア、トリシア、モードの三人を王都に置いても心配はいらない。


 後は宿までマックスを案内し、リア、トリシア、モードに説明したら準備は完了。

 気持ちを戦闘モードに切り替えつつ、俺はマックスと共に闇市を後にしたのだった。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!

『ブックマーク』と、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです<(_ _)>ペコ

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