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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第113話 緊急事態


 サリースは口を大きく開けて驚いており、ここまで取り乱しているのは初めて見た。

 横に視線を移すと、ギルド長もわなわなと震えているのが分かる。


「千なんて数あり得るのか? ……誤報だとしか思えない」

「私もだ。千なんて数は過去にもなかっただろう」

「わ、分かりませんが、冒険者達からの報告も入っていますので間違いないと思います! とにかく迅速な指示を――と」


 二人の慌てようから分かる通り、王都を揺るがすほどの一大事。

 サリースからプレゼントを貰って帰ろうと思っていたのだが、流石にこの事態を聞いてしまったからには帰ることはできないな。


「……分かった。先に下に行っていてくれ」

「はい! よろしくお願い致します!」


 勢い良く部屋に入ってきたギルド職員は、そう返事をしてから部屋から出ていった。

 二人共に考え込んでいるようで、広い部屋に静寂が流れる。

 気まずさも感じたため、俺はここからどうするのかをサリースに尋ねることにした。


「……それで、ここからどうするつもりなんだ? 戦力は整っているのか?」

「単純な数もいるし、高ランク帯の冒険者の数も歴代最多。……ただ、千を超える魔物の群れの襲来もこれまで経験したことがないからな。戦力が整っているのかどうかも正直分からない」

「千という数が未知でありながら、魔物の強さでも対応の難しさが変わるだろうよ。……グレアムさん、俺達はどうする?」

「協力が必要なのであれば、もちろん手伝わせてもらうつもりだ。手伝いなんかいらないというのであれば見守るしかないが」

「そんなことを言う訳がないだろう。……グレアム、魔物の討伐をどうか手伝ってほしい」


 サリースは深々と頭を下げて俺にお願いをしてきた。

 仲間が使っていたものをプレゼントしてくれようとしており、更にサリースだけは最初から対等に接してくれていた。

 頭を下げられなくとも手伝うつもりだったが、ここまで真摯にお願いされたとなれば本気で魔物の殲滅に手を貸すとしよう。


「もちろん手伝う。不幸中の幸いなのは、交流戦を行っていたことだろうな。とりあえず、他の街から来ているSランク冒険者達にも助力をお願いした方がいい」

「ああ、すぐに動くつもりだ。まだ王都に残ってくれているといいんだが……すぐに動くとしよう」

「グレアムさん、俺達も一度宿に戻ろう。ジーニアとアオイにはすぐに伝えた方がいい」

「そうだな。じゃあまたすぐに冒険者ギルドに戻ってくる。サリースはそれまでに状況を把握してくれると助かる」

「本当にありがとう。それと……こんなことになってしまってすまない。プレゼントの件については全てが終わってからで大丈夫か?」

「もちろん。今この状況で強請るつもりはない。それじゃまた後で」


 俺はサリースに別れを告げてから、一度宿に戻ることにした。

 何が起こっているかの状況把握はサリースに任せるとして、俺はジーニアとアオイに簡単な説明。


 それからリア、トリシア、モードの三人には無駄な心配をかけないよう、それらしいことを伝えて宿で待っていてもらうようにしよう。

 ……マックスを呼んで、三人のことを見てもらってもいいかもしれない。

 そんなことを思考しながら、俺はギルド長と共に急いで宿へと戻った。


「あれ? グレアムさん! もう戻ってきたんですか?」


 部屋に入るとみんなでトランプをやっていたようで、机の上にはカードが広げられていた。


「ちょっと話が変わってな。……ジーニアとアオイは一度外に来てもらっていいか?」

「もちろん! リア、トランプはまた後でね!」

「うん!」


 五人で囲むようにトランプをやっている姿を見るに、大分仲良くなってくれたのは微笑ましい光景。

 この光景を守るためにも……この魔物の襲来は絶対に防がないといけない。


「わざわざ部屋の外に連れ出してどうしたの? 何か緊急事態?」

「ああ。どうやら王都に大量の魔物が近づいているらしい。その討伐に俺達も参加しようと思っているんだが、ジーニアとアオイも手伝ってくれるか?」

「もちろんですよ! 交流戦では何もしていませんし、体がずっとうずうずしていたぐらいですから!」

「私も手伝うに決まってる! ……でも、私達の力を借りないといけないって結構大事な感じ?」

「ああ。噂によれば千に近い数の魔物らしい」

「千ですか? ……ちょっと想像もできませんね」

「私も全く想像できない! 簡単に倒せそうな感じもあるし、めちゃくちゃヤバそうな感じもある!」


 現実味がなさすぎて、これは実際に対峙しないと分からないだろうな。

 それにギルド長が言っていたように、魔物の強さによっても大きく変わる。


 千の魔物が全て通常種ゴブリンであれば、一瞬で殲滅することが可能。

 ただ……千もの数の魔物を率いているということから、確実に魔王軍の幹部クラスがいる。

 一体一体も弱い魔物ではないと思うため、気合いを入れていかないと駄目だ。


「恐らくだが大変な戦いになる。二人共、今から覚悟しておいてほしい」

「グレアムさんがそこまで言うって相当ですね……」

「確かに……! ちょっと怖くなってきたかも」

「いや、まぁ俺が何とかはする。ただ、難しい戦いだということは頭に入れておいてくれ」


 ジーニアとアオイは手伝ってくれるとのことだし、後はまた冒険者ギルドに戻ってサリースから話を聞かないと詳しいことは分からない。

 リア、トリシア、モードへの説明は話を聞いてからにするとして、またすぐに冒険者ギルドに戻るとしよう。


ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!

『ブックマーク』と、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです<(_ _)>ペコ

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