表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/100

愛の告白

アキラ視点

「まだ奥深く潜る気かよ!?もう中級クラスへと勝ち抜きは決まったようなものじゃないか!」とアレグロ。


「どうしても耳コピしたい魔法があってね。その階層まで潜り込みたい」と僕が答える。


「へえ」


アレグロは僕の頭からつま先まで見渡す。


「いっちょ前に立派なこと言いやがって。何の魔法が欲しいのかは知らないけど頑張れよ!戦友!」


「ああ!」


「二人とも頑張ってね。邪魔者はここでお暇しますので、夫婦でごゆるりと」


と、ソナタはお見合いみたいなことを言い出す。


「なっ……!」とエリーゼが恥じらい丸出しのオーバーリアクションをしてくれたせいで、僕は却ってリラックスしてそのセリフを冷静に聞けていた。


「そ、ソンナンジャナイワヨ……」


エリーゼがロボットになってしまった。


「ふふ。アキラくんも頑張ってね。私たち、あなたたちのこと本気で応援してるんだから」


ダンジョン脱出の魔法をソナタは唱えると二人の姿はフェードアウトしていった。


気持ちを伝えるか。


「エリーゼ!」


「はいい!」


「あ、あのさ。僕たち、中級クラスになったら言おうと思ってたんだけどさ。来年も在学が安心して継続できるから、その、俺たち」


エリーゼが緊張でごくりと唾を飲み込む音がこちらにも聞こえる。


何を言われるかわかっているようだ。


「俺と!結婚してくれ!」


この世界では学内結婚というやつは珍しくない。


というか、ペアのうち1/10は在学中に結婚する。


俺が来た日本では、この年齢は、若すぎるということになるらしいが、この世界では、どうやら、違うらしいのだ。


俺もエリーゼと一緒に、大人と成長していきたい。


ふたりの子どもを作りたい。


これまでの冒険を振り返ってそう思うようになった。


「ア、アキラくん……」


くん付けで呼ぶなんて珍しいな。


いつもは呼び捨てなのに。


「私、私、心を整理したいので返事は保留にしてもらえますか。10日以内にお返事しますので」


「10日後だな?」


「はい。自分自身の在り方と、将来と向き合わないといけないから……。ごめんね。私自身の問題を解決したいの。アキラが嫌なわけじゃない」


「わかった。ごめんな冒険中に」


「気にしないで。うん。男の子がそんな気持ちになるのは私もわかってたことだから。それなのに思わせぶりな態度取っててこっちこそごめんね。こんな日が来ることを真剣に考えるべきだったわ」


僕は思った。


もし、エリーゼが拒絶したらどうなるんだろうか?


ペアが解消されることはないだろうが、気まずい思いを抱えながら学生生活を送ることになるのだろうか。


向こう見ずなことをしてしまったと少しだけ反省する。


そして、行くこと地下32階。


見覚えのある顔が前方にいることに僕たちは確認した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
声楽学園日記~女体化魔法少女の僕が劣等生男子の才能を開花させ、成り上がらせたら素敵な旦那様に!~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ