復讐の狼煙はあがった
エリックになったエリーゼ視点
「スパイス中将!モンスター軍団が全滅しました」
ヘルメットをかぶった兵士は、将校に報告する。
「全滅だと?一体どういうことだ」
「はい。予想外にアキラという男、そしてアレグロという男がやり手で」
「そんなバカな。キリンクラスと事前に聞いていたからそれに合わせたモンスター構成にしていたのに……やつらの実力を侮っていたっ!くそっ!」
机を蹴飛ばし、書類が散らばる。
どうやら、元の自分、エリーゼを襲ったのは、この男の差し金だったようだな。
男声魔法を駆使して、独自で調査してきたがようやく尻尾を掴んだぜ。
姿を現してやるか。
「楽しそうな相談をしているみたいだな」
「だ、誰だ、貴様!ミラヴェニアの学生か!?」
「エリック・モリス、もっとも、その名前を知ったところでこれから死ぬお前には関係のないことだ」
「どこから、この基地に侵入した。見張りは!?」
「睡眠魔法でちょっとね。初級魔法であっても効果が絶大だから男声魔法というものは誰もが身に付けたくなるもの」
「中将!能力検知魔法ですが、なにかおかしいですぜこの男!まるで女のような精神オーラを」
「わかった……貴様エリーゼだな!」
「ご名答。禁呪を使ってこの男の体を手に入れてね。この秘密を知られたからにはますます今すぐ死んでもらうしかなくなった。生きてる者に知られたらこちらが死ぬ禁呪なものでね」
「ひ、ひええええ!」
「WOW!」
ロックシャウトをする!
兵士は消え去る。
この程度の相手を葬るのに高度な魔法は必要ない。
短時間で詠唱できるもので十分だ。
そして、中将も葬らせてもらうことにしよう。
「く、来るな!この俺を殺してみろ!お前が知りたがっている秘密も藪の中に消える……!」
「録画録音禁止魔法、証拠隠滅魔法、色んな魔法がこのフィールドにばらまかれているな。本当ならば自白魔法を駆使して、お前からいろいろ吐かせるのを楽しみたいところだが、お前のご主人様はお前にも呪いをかけて消すように仕向けている」
虚を突かれたような顔をしている。
まさか、自分は消される駒ではないとでも思っているのか。
「ま、まさか。この俺が、この私があのお方に消されるなどとは……」
「試してみるか?」
自白魔法を詠唱する。
「や、やめろ、俺は、まだ死にたく……うげあっ!」
中将の体の中から光のようなものが差し出て、そして、一瞬でその肉体は消滅した。
「ふっ。調査はふりだしからか。せっかく、重要な物的証拠を見つけられると思ったのだが……。だが、これで、アマデウス連邦議員が関与していることはわかった。次こそ、尻尾を掴んでやる!」
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