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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

1,000文字以下の短編

[短編]サーファーになっても全然モテないので浜辺に来たリア充を爆破

掲載日:2021/12/09

 高校生になって、オレはサーフィンを始めた。


 サーファーになれば、女にモテる。

 それはオレの信念であり、希望だった。


 小さい頃から見ていたサーファーたちは、みんなリア充でキラキラしていた。


 日焼けして、引き締まった体。

 髪の長い美人の彼女。

 波に乗れば、ヒーローだった。



 ずっと溜めていたお年玉で、サーフボードとウェットスーツを買った。

 そして、髪を染めてサーファーカットにした。


 毎日、波に乗るために海に通った。

 先輩たちとも仲良くなった。

 みんな、40オーバーだった。


 美人な女性は、先輩たちの奥さん。

 時々、一緒に波に乗ってる。


 そう。

 浜辺にくる女性はみんな既婚者だ。


「えー、翔斗(しょうと)くん、彼女いないー?」

「いないんです。誰か紹介してください」

「うーん。でもアタシの知り合い、紹介したら、条例違反になるから、無理ー」


 年上でもオレは構わないけれど、世の中がそれを許さない!!


 オレは砂浜に拳を叩きつけた。






 冬でもオレは毎日波に乗る。

 そう、毎日だ。


「ねえ、毎日、真面目にサーファーやってたら、出会いも何もないでしょう?」


 真っ当な指摘を受けたのは、クリスマスまで2週間になった日。


 帰宅して、生乾きのウェットスーツを部屋にぶら下げながら、オレはちょっと泣いた。






 それでもオレにはこれしかないんだと、翌日も波乗りに行った。

 すると、女性陣がそわそわと落ち着きがない。

「内緒でこっそり…」

「相性が合えば…」

「会わせてみて…」


 オレはインサイドで波を待ちながら考えた。

 クリスマス前で、みんなオレが彼女欲しい男子高校生だと知っている。



「まさか、オレの嫁候補が…?!」



 波が来た。パドリングで加速する。波に同調して、テイクオフ!


 来た!オレにも波が来た!


 波に乗りながら、みんなへの感謝の気持ちでいっぱいになった。





 浜辺に戻ると、人垣が出来ていた。


 あそこにオレの嫁候補が…!


 近づくとみんなニヤニヤとした顔をしている。

 オレは無表情を装いながら、そこに近付いていく。


「ほら〜、やっぱりお見合い成功よ」

「よかったわね〜、お嫁さんよ」


 その視線と会話の中心にいたのは。



 2匹のトイプードル。



 オレの嫁候補ではなかった。


 適当に相槌を打ちながら、サーフボードと足を結ぶリーシュ・コードをトイプードルの横に置いて立ち去った。


 そして、離れた所で爆破ボタンを押した。



「リア充、滅殺…!」




 冬のホリゾンブルーの空に、砂にまみれた2匹のトイプードルが、高く舞い上がるのを見て、オレは走り去った。




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― 新着の感想 ―
[一言] >みんな、40オーバーだった。 ここで盛大に笑った( ´艸`) >2匹のトイプードル。 ここでさらに追い打ちw 盛大に爆破されたトイプードルたちは無事だったのでしょうか!?
[良い点] 犬でさえ……! リア充なのに……! 男一匹波乗り屋 板に乗れても調子にゃ乗れぬ 波を切り裂き進む先 待つ人おらぬ爆破道 異教の祭りも何のその 今日もリア充大爆破 はぁーどすこいどすこい
[良い点] お腹のヨジレ具合がヤバい……! 引き笑いになるくらい、笑いました! [気になる点] トイプードルちゃん達が可哀想だわー。 めっちゃやつ当たられてるわー。 飼い主さん達、キレイにキャッチで…
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