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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【超短編】レトロ特撮ヒーローの改造人間ごっこをやっていたら悪の博士役をしている妹(園児)から告白されたんだけど…ベッドに縛り付けられている俺の貞操がピンチな件。

超短編投下します!

「ねえねえ、おにい!」

「なんだい?」

「連休なのにずっと家ばかりでヒマだから遊んでよお」


そうやって俺に擦り寄ってくるのは可愛い妹の由乃よしのだ。


保育園児なのにマセているのか言動が大人っぽい時が多いが多いけど、遊んで欲しいとかやっぱり保育園児なんだな。


「じゃあ、何する?ゲーム?かくれんぼ?」

「だてんらいじゃーごっこ!」

「は?…あっ、あれの事かっ!」


夏休みに家の中で由乃と遊ぶネタが尽きた俺は、たまたま大学の友人から借りて(押し付けられて)いた昭和の特撮ヒーロー『堕天ライジャーベリアル』を見ることにしたんだ。


悪の組織に誘拐された主人公神時じんじじんは改造人間にされるが洗脳される前に脱出し、悪の組織から平和を守る堕天ライジャーベリアルとなって戦うという話だ。


悪の組織の怪人がミカエルとか天使の名前をしていて、正義の味方のほうが堕天使の名前というややこしい設定なのに、予備知識の無い由乃は純粋に楽しんでいたんだよな。


「じゃあ、由乃がベリアルだな」

「ヒーローは男がするの!だからおにいがヒーローね!」

「由乃は?」

「あたちはあくのそしきの『ありえーるはかせ』なの!」


それを言うならアリエル博士だってば。

洗剤みたいになってるぞ。





「ふわっふわっふわっ」

「なんだ?綿菓子か?」

「ありえーるはかせの『たかわらい』なの!」


いや、可愛すぎるだろ。

さすが俺の妹。可愛さ世界一っ!


「おにい、はやくいって」

「ん?あっ、そうか。…貴様!この俺をベッドに縛りつけてどうする気だ?!」


リアリティを出すために両手足をベッドに括ってもらったけど、ちょうちょ結びだから問題ない。

保育園児なのにちょうちょ結びできるとか、由乃は天才だな!



「俺をどうする気だ?!」

「おまえを『かいぞくにんげん』にかいぞうするのだ!」


それは特撮じゃなくてアニメのほうじゃないかな?

海賊王的な。


「かいぞうして、おまえのてあしがのびるようにするのだー」

「完全にル○ィじゃん!」


ホントに海賊に改造する気か?!


「ではかいぞうかいしなの!ういーん!」


改造の時にコンピューターの腕と一緒にドリルや電気丸ノコなんかが出てきていたので、それの真似をしようと小さな手をぎゅいーんと回転させて迫ってくる由乃。


「いくぞー!」

「やめろー…きゃははははははっ!」


まさかのくすぐりの攻撃だと?!


「ふわっふわっふわっ!くるしめくるしめ!そのくるしみこそが、にく…えっと…」


頑張れ!

そこは『苦しみこそが憎しみとなり、悪のエネルギー源となるのだ!』だ!


「くるしみこそが『にくみそ』となり、あくのえる『ねぎ』ーとなるのだ!」


何だか肉味噌と刻みネギの載ったラーメンが食べたくなるセリフなんだけど。


「これでかいぞーはおわりなの!」

「よし、これでお兄ちゃんが脱走するんだな?」

「ちがうの!このままなの!」

「え?だって逃げ出さないと戦えないだろ?」

「にがしたらやられるから、にがさないの!」


なにそれ?!

それじゃあヒーローごっこじゃないだろ!


「かいぞうしたから、おにいのからだ は『きかい』になったの!」

「ん?まあそうだよな」

「だから、もうにんげんじゃないの!」

「改造人間だからな」

「だから、じつのいもうとと『こいびと』にだってなれるの!」

「は?」


は?

なんだって?!


「じつのきゃうだいは、『いでんしてき』にむすばれないの。でも、かいぞうしたから、むすばれることができるの!」


由乃はそう言うと服を脱ぎ始める。


「な、何をしてるんだっ由乃っ?!」

「おにいとあたちで『あいのいとなみ』をするの!」


だれだ、そんなこと由乃に教えたやつは?!


「由乃!早く縄を解くんだ!」

「いやなの!このまま『きせーじじつ』をつくるの!」


そう言って下着姿で迫ってくる由乃。


由乃に好かれているのは嬉しいけど、園児相手にそんなことできるかあっ!


「ふんっ!」


ブチッブチッ!


「え?!」


ブチッブチッ!


俺は縄を引きちぎってベッドから転がり落ちる。


「おにい!にげたらだめなの!」

「逃げるわっ!ごっこ遊びで貞操奪われてたまるかっ!というか妹相手にできるかよ!」

「おにいは、わたちのこと、きらいなの?」

「大好きに決まってるだろ?!」

「なら、むすばれるの!」

「実妹で園児の由乃と結ばれるわけないだろ!」

「そうよ!実妹でも既に結婚できる年齢である私こそ、お兄様に相応しいのよ」

礼愛れいあ?!」

「れいあねえ?!」


いきなり部屋に入ってきたのは礼愛。

彼女も俺の妹で、今は高校一年生だ。


「おかえり。もう部活終わったのか」

「終わって帰ってきたらお兄様の声がしたから慌てて飛んできたのよ!」


俺のピンチを察して飛んできてくれたのはいいけど…


「なんでお前も下着姿なんだよ!」

「着替え中だったからよ!」

「着替えてから来いよ!」

「お兄様のピンチに服なんか来てられないわよ!」


そして礼愛は落ちている縄で由乃をふん縛る。


「すまん、助かった」

「せっかくおにいを『かいぞー』して、あたちとむすばれるはずだったのに!れいあねえのばかっ!」

「お兄様を改造ですって?」


ギンッと由乃を睨みつける礼愛。


「いや、それはごっこ遊びで…」

「そう…気づいてしまったのね」

「え?何が?」

「私が毎日少しずつ、お兄様を改造していたことに!」

「そうなのか。え?ちょい待て。俺を改造していた?」


何の冗談だ?


「まさか由乃に気づかれるとは思わなかったわ」

「れいあねえのへやにあった『それ』をよんだの!」


由乃の視線の先には『礼愛の黙示録レイアース・バイブル』と書いてある黒い本が置いてあった。


もしやこれって中二的なやつ?


「それに、おにいをかいぞうしたら、じつのきょうだいでもむすばれることがてきて、きせーじじつをつくれば」

「そうよ、私がお兄様と結ばれるための計画を書いてあったのよ!でもまさか『洗脳』する前にバレるとは思わなかったわ」


は?


「洗脳って何の事だ?」

「お兄様が私だけを、ううん、『私たち』を愛してくれるように洗脳するって意味よ!」

「洗脳なんかしなくても、俺はお前たちが大好きだぞ!」

「ライクじゃないの!ラブなの!プラトニックじゃなくて肉欲なの!お兄様にぐちゅぐちゅってしてほしいのよっ!」


あの清楚で学校では天使と言われている礼愛がそんなこと言うなんて…。


「というか、改造とか何の冗談だ?」

「縄を引きちぎっておいて、気づいてないとか言うつもり?」


縄?


ぐい


ぶちっ


あっさり………。


俺は試しにコップを握ってみる。


パキン!


いや、コップくらい改造されてなくても割れるか。


「…あれ?血が出ない?」


手にガラスが刺さっているのに血が出ないだと?


俺は恐る恐るガラスを取り除くと、手の指の傷から『銀色のなにか』が見えていた。


「これはっ?!」

「そう、それは人間の骨格と同じ重さなのに鋼鉄の千倍の強度を持つ『エンジェリック合金』なのよ。そして、お兄様の体は既に改造済なの」

「なんて事だっ!!」


俺がドンと床を叩くと家が大きく揺れる。


「なんのためにこんなことをっ!」

「だから、お兄様と既成事実を作って結ばれるためよ!」

「実の兄妹だぞ!」

「だからよ!だから、お兄様を改造して、遺伝子的な問題もクリアさせたの!」

「遺伝子的な問題を?」


まさかDNAまで?


「そこからはあたしが話そうか」

麻耶まやねえ?!」


いつの間にかドアの所に立っていたのは、俺の姉、24歳の麻耶まやだ。




そして俺は知ってしまった。


俺の姉や妹たちが、俺と結ばれるために俺の体を勝手に改造し、遺伝子操作までしていたことを。


そして俺を姉妹全員でシェアしようとしていたことも。


「由乃の初潮が来たらこの計画のことを教えて仲間にしてあげるつもりだったのよ」

「でも、まさかこんなに早く知られることになるなんて…計画の前倒しをするしかないわね、麻耶姉様」

「そうね」


そう言うと麻耶姉は何かスイッチのようなものを取り出した。


「これを押せば洗脳が開始されて、あたしたち姉妹だけを愛するように、肉欲的にズコバコしてくれるようになるのわ!」


シリアスな顔してズコバコとか言わないでくれっ!


「させるかっ!」


俺はスイッチを取り上げるとそれを握りつぶし、家の外に飛び出した。










それから俺の戦いは始まった。


「兄貴、どうしてもうちに戻ってくれないのか?」


そう言うのは14歳になったばかりの妹菜々香ななか


「当たり前だ!」

「そう。なら力づくしかないね」


菜々香の体が光り、白い翼を付けた天使…いや、怪人・・に姿を変える。


「この菜々香、いや、ガブリエルが兄貴を連れ帰る!」

「やってみろっ!」


俺は『堕天ライジャーベリアル』に変身して妹ベリアルを迎え撃つ!












「火事で死んだあの兄姉妹きょうだいを特撮の世界に転生させてみたけど、ちょっと筋書きが変わったみたいね」

「面白い結果になって良かったじゃないか」

「でも、もしかしたら主役が負けるかもしれないわね」

「その時は丸ごと『ノクターン』の天盤世界に引き取ってもらうから」

「ふふっ、これからの展開が楽しみね」


神々はそう言って兄妹の対決を楽しそうに眺めるのだった。

お読み下さりありがとうございました!

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