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小説の投稿が遅れてすみません...。ちょっと遠出していてパソコンを持っていくのを忘れて書けませんでした。
すみません。
遠出という名の一週間遊びにいってました。
焼き鳥をディルから一つ貰い、街を歩き続けていると途端に鐘の足止める。兵士たちが人混みの中を走りながらこう叫んでいた。
「スタンピートだ!!みんな避難しろっ!」
スタンピート。それは魔物たちが束になり人の住んでいるところを襲うことである。大抵の街はそれによって壊滅させられていた。それを知っている街の人々は恐怖で怯え、絶望の声を上げている。
「どうして...ここは比較的安全な街なんじゃ...」
「終わりだ...もう...」
周りが絶望に包まれている中、ディルだけは平然と立っていた。
彼の服をつかもうと手を上げた時、少しだけ自分の手が震えていることに気付く。
なんだ、私も少しは怖いのか。
グッと震える手を握りしめ、真剣な表情でディルを呼ぶ。
「出来る限りのことをしたいわ」
「アーシェならそう言うと思った」
私の手を引いて街の外に出る。外には兵士が列を作って並んでおり、来る魔物を待ち構えている。
ちゃんとしているんだな、と感心したのも少しだけ。見てみれば皆震えていて中には泣いている兵士もいた。
「誰だ、貴様ら!!」
隊長らしき人に言われ、すぐに冒険者だと答える。
「初級冒険者は隠れてろ!死ぬぞ!」
「いえ、加勢します」
ディルは私の冒険者カードと自分のカードを取り、その人に見せてからスタンピートの方に注意を戻した。
スタンピートはもう目の前で兵士たちが向かっていっている。
「「死んでも街を守るぞー!」」
現状を見るなり、魔物の方が数も圧倒的に多く、強かった。兵士なんてただの蟻みたいに踏み潰し先に進んでいくスタンピート。
「なんだ、そんな大したことないじゃん」
ディルがそう言ったように聞こえたが、多分空耳だろう。そんなことを言うのは神くらいだ。
だがその後すぐにその言葉が空耳ではないことを知った。ディルは自ら魔物の群れの中に突入していく。
「ディル!」
馬鹿なのか!と私も後を追おうとすると群れの中から真っ白な光が生まれ、中心から外側へと魔物を飲み込んでいく。
「へ...」
ありえない光景にみんな釘付けだった。少ししてスタンピートは呆気なく全滅。残ったのは何もない大地だった。
「思ったより規模が小さかったなぁ」
「そ、そうなの?」
「うん、多分あれは完成されていなかったやつだと思う。普通はこの100倍はあると思うよ」
「ほへー...」
そうか、まだ完成されていなかったのか。だからディルはあんなに易々と魔物を倒して。
全ての辻褄が合い、納得した。
「あれくらいならアーシェでもすぐに倒せるよ」
「そっか、じゃあそんなに強くないんだね」
「うん」
「「いやいやいや何納得し合ってるんだ」」