コント「ホワイトデー」
舞台…高校の教室
配役…A=男子生徒 B=女子生徒
舞台中央に女装したBが立っている。Bに向かい、上手からAが駆け寄って来る。
A「真矢さん。話って何?」
B「健太くん。今日が何の日か忘れたの?」
A「いや、知ってるよ。ホワイトデーだよね?」
B「そうよ。ホワイトデーはバレンタインに渡した分の倍、お返しするのが決まりだよね?」
A「決まりっていうかまぁ、一般的にはそう言われて…」
B「なんだ、分かってるじゃない。じゃあ私がバレンタインに渡した10万円の倍、20万円お返しして!」
A「…はぁ。バレンタインに、現金もらった時点で嫌な予感はしてたんだ。周りがラッピングされたチョコを受け取る中、僕だけ茶封筒で10万渡されたもんなぁ」
B「何をブツブツ言ってるの?20万お返ししてよ」
A「丁重にお断りいたします」
B「どうして?10万渡したの覚えてるよね?忘れたとは言わせないよ?」
A「忘れるもんか!バレンタインに初めて女子から受け取ったんだ。チョコでこそなかったものの、嬉しかったよ。嬉しすぎて、いまだに茶封筒は神棚に飾ってます」
B「ふん、浮かれちゃって。か、勘違いしないでよねっ!」
A「急にツンデレですか?」
B「あんなの本命じゃないわ。義理よ、義理。義理のあんたには、既製品で十分よ」
A「手作りの10万渡されても困るよ!犯罪の臭いがする。とにかく、20万は無理だよ」
B「は?ホワイトデーにお返ししないなんてあり得ないんですけど?」
A「いや、お返しはするよ。(ラッピングしたクッキーを出す)これ、手作りのクッキー。今日のために一生懸命焼いたんだ」
B「(クッキーを受け取る)ありがとう。じゃあ残り19万9,980円、今すぐ支払って」
A「手作りの価値20円!?」
B「さぁ、払ってよ!」
A「そんな大金、無理だよ」
B「…(ドスのきいた声で)なめとんのかワレェ!」
A「急変!?」
B「ホワイトデーやぞ!耳そろえてお返しせんかい!」
A「そんな債権者感出さないで!ちょ、ちょっと待って…」
B「待てるかぁ!ホワイトデーが終わるまでに返せぇ!」
A「返済期間が短すぎる!そんなすぐには用意できないよ」
B「ほうぼうから借金して、寝ずに働けば返せるやろがい!」
A「ホワイトデーなのに発想がブラック!わ、分かったよ。バイトで貯めたお金でお返しできるかもしれないから、確かめてくる」
B「んなこと言って、逃げるなよ?」
A「もうガチの取り立てじゃん。ちょっとそこのコンビニ行ってくる」
B「早く早く!A・T・M!A・T・M!」
A「嫌なコールだな…(ダッシュでコンビニに行き、ATMでお金をおろし、ダッシュで教室に戻る)なんとか20万用意でき…」
B「(ひったくるように現金を受け取り、数える)ひぃ、ふぅ、みぃ…(口調を戻し、満面の笑みで)ありがとう♡」
A「…あれ?なんでだろう、すごく嬉しい。男ってバカだなぁ」
B「じゃあこの20万は、有意義に使わせてもらうね」
A「使うって、そんな大金いったい何に使うの?」
B「これ、来年のバレンタインまでとっておくの」
A「え?」
B「来年のバレンタインにこの20万渡すから、次のホワイトデーは40万お返ししてね!それじゃ!(舞台下手に去っていく)」
A「あっちょっとー!…よしっバイトがんばろう!」




