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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第3章「カナナ」
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第49話

いつもありがとうございます!

「初めての一声がそれなんですか…」


ささっと足の方を隠しながらゆうなさんのことを警戒する私の行動に「あははっ…」って笑ってしまう先輩。

隣の会長さんも


「もう。だからゆうなちゃんの愛情表現はみもりちゃんに強すぎるだって。」


っと言いながらいつの間にか私のスカートの中に入っているゆうなさんのことを引っ張り出そう…

ってどこで挨拶しているんですか!?


「早く離れなさい。」

「こんにちはーみもりちゃんー」


だからスカートの中ではなく顔を合わせて挨拶しろって!


うう…ゆうきさんにお姉さんのゆうなさんと仲良く欲しいって言われたんですが…


「みもりちゃん。今日パンツ、着替えた?」


このテンション、やっぱり私にはちょっと無理!…って何変なこと聞いちゃうんですか!?っていうか早くスカートの中から出て行け!


それに引き換え相変わらずきれいですね、会長さん。あのエルフのお姫様だからなのでしょうか。人一倍は背も高くてすらっとしてスタイルもいいし真っ白な長い金髪との相性も抜群でつい見惚れちゃいます。

いつも身に着けている白い手袋とニーソだってもうこんなに艶めかしく見えるほど大人の魅力ってやつを最大限に引き立てて本当に私と2個しか年が離れてないのかなって思われてしまいます。

何より私みたいな一般生徒とは違って早めに社会を経験してきたゆえ見に持つことになったその上品で穏やかな雰囲気はもう大人にしか思われないほど落ち着いていて本当に憧れちゃいます。


先輩と初めて出会った時だって先輩のことを本当に大人っぽい人だと思いましたが以外に先輩は純真で一筋なところも多くて子供っぽい人でしたから色んなことを見渡している会長さんとはちょっと方向性が違います。


「奇遇だね、みらいちゃん。こんなところで。」


でもそんな大人の会長さんだって思わず気を抜いてしまう時があります。

それはいつか会長さんから私に言ってくれた会長さんの大切な気持ち。その愛らしさをいっぱい抱いた目で会長さんは自分の大好きな人を見つめていました。


「ちょうどよかったです!セシリアちゃん!」


そんな会長さんのことを心から嬉しく思っている先輩。

先輩は会長さんの手をギュッと握って


「ついにみもりちゃんが同好会に正式に入部してくれたんです!」


とびっきりの笑顔で私からの同好会への入部のことを会長さんに話しました。


まるで初めてサンタさんにクリスマスプレゼントをもらった子供のように喜んでいる先輩のことに私はちょっとだけ照れちゃいましたがこれで自分もやっと覚悟が決められたと思います。

今まではただまたアイドルができることがすごく嬉しくてちょっと安住していましたがこれから自分が自分の意思でアイドルをやっていくつもりです。

先輩の笑顔のために、青葉さんや皆の笑顔のためにかつて自分が自分自身と約束したように本当のアイドルになる。

これが私が先輩の前にゆりちゃんから持ってきてくれた入部届を提出した時、一緒に書き込んだ覚悟です。


「そう?良かったわね。」


私のところをちらっと見えないほどほんのりした笑顔を向けてくれた会長さんはそれから喜んでいる先輩の話を聞いてくれました。


多分今の会長さんには私の考えていることが全部見えているでしょう。それはちょっと恥ずかしいことなんですが今の会長さんからちらっと見せてくれたその笑顔はまるで私のこの小さな勇気を応援してくれているような気がして私はそれがとても嬉しかったです。


でも同時に私は気づいてしまったんです。私の頭の中を見たってことはつまり会長さんにも先輩の正体が知られたっということ。

その時、私はその短い間に色んなことを考えてしまいました。


会長さん…先輩が自分のことを会長さんではなく私に初めて話したことを気にしているんかな…もし私のせいで先輩と会長さんの仲が悪くなったらどうしよう…

先輩にも、会長さんにもお互いのことをきっと大切にしているはずなのに…

もしかして私は余計なことにまで足を踏み入れたんじゃないのかな…やっぱり私なんかじゃなく会長さんと話し合うべきだった…って落ち込んでいた私のことを


「大丈夫よ。そんなに気にしないで。」


っと頭の中から話を掛けて安心させてくれる会長さん。

会長さんは先輩と話している間にも私のことをずっと気にしてくれたんです。


「みらいちゃんにもみらいちゃんなりの事情があるんでしょ。決して私のことを信じられなかったわけではないと私もよく知っているわ。だからみもりちゃんが自分のことを責める必要はないわよ。」


っと会長さんは先輩にも先輩なりの考えがあっただろうってなるべく先輩のことを理解しようとしましたが私はその時に見てしまった会長さんの寂しそうな顔を忘れられませんでした。


会長さんの気持ちは私もよく分かります。私だってゆりちゃんが私ではなく他の人に自分の秘密を教えたらすごく寂しいって感じちゃいましから。

でも先輩は私に自分の正体を明かした後、こう話を加えました。


「セシリアちゃんには自分のことを話せませんでした。セシリアちゃんならきっと私の正体がなんだろうと全部受け入れてくれると私自身もそう信じています。だってセシリアちゃんは私の大切で大好きな人ですから。」


でもだからこそ話せなかったと先輩は悲しんでしまいました。それが会長さんのことを寂しくさせてしまうってことを知っているのに先輩は最後まで話せなかったと言いました。


「みもりちゃんも知っている通りにセシリアちゃんはあの「プラチナ皇室」のお姫様です。エルフは世界政府と緊密な関係を築いていてこの星の平和のために頑張っている種族です。もしセシリアちゃんが私の正体や任務のことを知ってしまったら全部放り出して私のことに打ち込んでしまうかも知れないっと私はずっとそれを恐れていました。私はセシリアちゃんにはアイドルを続けて欲しいです。」


皆の前で歌って踊っている時の会長さんは誰より幸せそうに見える。だから会長さんにはアイドルを続けて欲しかったっと先輩は会長さんに自分の正体のことを明かせなかったと先輩は悲しんでいました。


「ただ勇気がなかっただけだったかも知れません。でもセシリアちゃんには自分の夢のために頑張って欲しいです。まあ、これでセシリアちゃんにも知られるようになっちゃいましたが。」


っとひたすら会長さんのことを思っている先輩のことを見た時、私は本当に二人さんは似た者の仲良しさんだと思いました。

先輩にアイドルを続けて欲しくていつも同好会のことをフォローしてくれる会長さん、そして自分の正体まで隠して会長さんにはアイドルでいて欲しいって思っている先輩。

会長さんは先輩が自分のことをただの友達でしか思ってないって言いましたがこっちから見ると二人さんはもう結婚も終わらせた正真正銘の()()にしか見えません。


「お幸せに。」


っとひっそり心を込めてその愛情を応援する私からの言葉に


「…」


会長さんは真っ赤な顔でしばらく何も言いませんでした。


「どうしたんですか?セシリアちゃん。」


そのうち、会長さんの様子が変だと思って聞いてくる先輩とその先輩を見て


「なんかムカつくわね。今日のみらいちゃん。」


少し剥れた顔で先輩の右のほっぺを思いっきり引っ張る会長さん。

わけも分からなくほっぺたを引っ張られた先輩は


「ええ…!?なんで…!?」


って会長さんのいきなりな行動にただ慌てるだけでした。

なんだか痴話喧嘩みたいでちょっぴり微笑ましくなるんですけど先輩、会長さん的にはそれが当たり前な反応ですから。今は黙ってそうするしかないと思います。

ついでにその後、私もなんか先輩のたるんでるでっかい胸になんか腹が立ったので会長さんを手伝って先輩の左の頬を引っ張るようになりました。


「あ、バス来た。」


会長さんのことも少し落ち着いたところで向こうから現れた生徒会室行のバス。

今日の私達はあれに乗る予定なんです。


学校が広すぎて校内からもバスで移動するって言われて時は本当に驚いちゃいましたがよく考えてみればゆりちゃんちだって広すぎてよく迷子になりましたね。


「ゆりちゃん…どこ…私のこと…一人にしないで…」


っていつも泣き回ってゆりちゃんの名前を呼び続けていたんですね、私…

しばらくそう泣いているといつの間にか草むらをくぐってきたゆりちゃんが私の前に現れて


「ここですよ、みもりちゃん。あなたのゆりがお迎えに来ました。だからもう泣かないで。」


っと泣いていた私のことをギュッとしてくれたんです。


草の匂いとゆりちゃんの汗の匂いが混ざり合って鼻をついてその湿った温もりで冷めた私の体を包み込んでくれたゆりちゃん。

それがまたあまりにもほっとしちゃってもっと大泣きしちゃったりしたんです。


「でも私達もこれから生徒会室へ行く予定だったから。一緒に行こうかしら。」


っと私と先輩と同じバスに乗る会長さんとゆうなさん。


その日、私はあの日、ゆりちゃんから感じた同じ感覚を自分の身を持って改めて想起することができました。

人の肌が触れ合う時感じる心地よさ、伝わる温もり。そして柔らかくてほっとする女の子の匂い。その全てが私の体を包んでくれて私のことを温めてくれる。


でもそれは決してあの日のような懐かしくて可愛いものではなくただ蒸れて臭うだけのわけわからないただの()()()でした。

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