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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第5章「夢と茸」
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第298話

いつもありがとうございます!

「眠れないんですか?ことりちゃん?」

「あ、先輩。なんか目が覚めちゃって。」


ようやくうみっことの通話が終わったのかやっと部屋に戻った先輩。

普通なパジャマ姿にも関わらず恵まれたボインボインボディーで一際魅力的に見える先輩のことには毎回驚かされてしまう。


でも


「どうしたんですか?私の顔に何か付いたんですか?」


その優しい瞳の中に隠れている憂いの光が巧妙に触れた時、何故か私は思わず先輩の顔をじーっと見つめていた。


「いいえ。何も。」

「そうですか。」


っとお姉ちゃんを起こさないように静かに私の隣の布団に入ってくる先輩。

高い体温のせいかいつの間にか部屋全体まで温かくなっていて


「よいしょと。」


隣に先輩の体が寄り添った時にはムワッと熱い息吹と濃厚な先輩の匂いまでして


「あ…危なっ…!」


危うく気を失ってしまうところであった。


ただ体を近づけただけなのにこれだけの破壊力…!

まるで風呂上がりの湯気でも立ち昇ってくるようにポカポカする先輩の体が自分の体に密着された時、私は全身に電流でも走らせられるような強烈な感覚に震えてしまったがなんとか気をしっかり保って


「こんな時間にお電話ですか?失礼ですね、その人。」


何も知らないふりをして先輩のことを探ってみようとした。


先輩が誰と話したのか、何を話したのか。本当は全部聞いていた。

でも私はここ最近ずっと盗み聞きばかりだしやっぱり先輩自身が先輩自身の口で私に正直に話して欲しい。

うみっこのことと関わっていることならなおさら素直に話して欲しい。

たとえそのせいで先輩に自分が決して選ばれないということが分かっても…


そう思っていた私の体をぐっと抱きかかえてその高い体温で包んでくれる先輩。

先輩の大きな胸は私が先輩自身から離れないように毎晩こうやって強く抱きしめてくれて私はそんな先輩のことがいつの間にかうみっこや会長に負けないくらいに大好きになった。


もうどこにも帰れないと思った私を温かく受け入れてくれた先輩が好き。

もはや先輩へのこの気持ちを単なる恋心とは言えない。

私が先輩に感じているこの気持ちはもっと広くて大きいな、高次元のもの。

複雑で複合的かつ単純明快。

私は今まで感じたことのないその強烈な体験をこの家に来て先輩と出会って初めて感じることができた。


だからこの幸せそうな気持ちは手放したくない。

もっと先輩にとって特別な存在になりたい。

そう思えば思うほど


「うみっこ…」


私は更に強くうみっこのことを思い出してしまった。


「好きです。」


忘れることのできないその一言。

電話の向こうにいるうみっこへの先輩のありったけの本当の気持ち。

でも天然の先輩のことだからおそらく私達が先輩に対して抱いているそういう類の気持ちではないだろう。

うみっこならきっともう気づいていると私は確信している。


先輩はただ今もうみっこへの自分の気持ちは一切変わってないということを教えてあげたかったと思う。

実際先輩はそれからも普通にうみっことの会話を続けていて特に変な様子は見られなかったから。

うみっこは多少…いや、結構動揺したと思うがまもなく先輩の意図に気づいたようにすぐ冷静を取り戻したが


「でもまあ…うみっこのことだし後でめっちゃ悩んだと思うけど…」


先輩のことになったらアホと思われるほどわかりやすくなるし今頃きっと眠ってないまま寝返りを打っているだろう。


でもやっぱり万が一、その言葉にうみっこに対して私達とは違った本の一握りの「特別」でも込められていたら…

っと思うとさすがにちょっと気が滅入る…


私はもちろんうみっこ、会長でさえ先輩にはまだ自分の気持ちは伝えていない。

もし誰かが先輩に好きって言ってしまったら、先輩が私達の中の誰かを選んでしまったら


「私はもう先輩と一緒にはいられなくなっちゃうのかな…」


ふとそう押し寄せてきた不安に今でも潰されそうな自分がいる。


でもそんな私の不安の気持ちまで温かく包み込んでくれた先輩は


「ずっと一緒ですから。うみちゃんも、ことりちゃんも。」


っと更に力を入れて私の体を懐に詰め込んで抱きしめてくれた。


それはただの気休めの言葉や願望のおまじないではなく「誓」。

先輩は心からまた皆で笑い合って楽しく過ごせる日が来ることを心から信じていた。


「本当はうみちゃんに私から電話をかけました。速水さんから聞いた話もあってうみちゃんと話し合いたかったことがあって。」

「そう…だったんですね。」


それでどうでしたか?と聞く私に先輩はただこう答えてくれた。


「大丈夫です。何も問題ありません。うみちゃん、今はただちょっと戸惑っているだけですから。」


だから今はただ自分達にできることをやろう。

いつうみっこが戻っても良いように精一杯うみっこの居場所を守ろうと。

大事なのは変わらない気持ちだと先輩は何度も繰り返して自分の決心を固めた。


「だから今度こっちに戻ったら全部話すつもりです。今日ことりちゃんに全部話したように自分が未来人であることも、私がうみちゃんのことをどう思っているのか。」


もちろんその時は私も一緒、自分のことだけではなく私のことも一緒にうみっこと向き合って誤解を解いて謝って仲直りする。

そのためには私の決心も必要だと、どうか一緒に勇気を出そうと先輩はそう言った。


「ことりちゃんならきっとうまく成し遂げてくれると信じています。」


っと私の額に軽く口付けしてくれる先輩。

そんな先輩の期待にしっかり応えたいという気持ちも確かにあるが


「大丈夫ですよ、先輩。私はそのために戻ってたんですから。」


そんな覚悟、もうとっくに昔にできていると自分はそう確信している。


でも今はただ


「じゃあ、もっとことりのこと、褒めてください。」


もう少し先輩にこの勇気の背中を押してもらいたい。


自分の懐に入り込んでくる私の頭を


「あらあら。甘えん坊さんですね、ことりちゃんは。」


ただただそうやって優しく撫でてくれる先輩のことが好き。

いつからこんなに好きになったのか自分にすら分からない。

でももしうみっこに謝って無事に仲直りできたら先輩に今の自分のありったけの気持ちを素直に届けたい。

支えてくれた先輩への感謝とこの好きっていう気持ちを。


その日、布団の中で先輩と交わした体温の温かさ、気持ち。

そして自分の決心。

その全てをこの胸に焼き付けて私は少しずつ眠りに落ちていく。

先輩とはぐれないように先輩の体にぴったりくっついて手をギュッと握って。


でもその翌日、昨夜の私の迂闊な行動によって


「お姉ちゃん勝負よ!みらいちゃん!」


寝ているはずだと思ったお姉ちゃんのスイッチが入り、


「受けて立ちます!すずめちゃん!」


まさかの先輩とお姉ちゃんの間で「お姉ちゃんの尊厳」を掛けた大勝負が繰り広げられるとは夢にも思わなかった。


***


ーチュンチュン


「ん…もう朝なのかな…」


窓の外から聞こえる小鳥さん達のさえずりと差し込む朝日の光に目が覚めた私は少しずつ体を動かしてベッドの上から起き上がりました。


「いたたたっ…なんかめっちゃ筋肉痛なんだけど…」


その途端、恐ろしい勢いで襲いかかる全身に向けた痛みに自然と口から苦痛の唸り声が漏れるようになった私は


「頭も痛い…どうしたんだろう…」


まるで二日酔いで苦しんでいたお母さんのように二度寝してしばらくそこから一歩も動けなかったのです。


「なんか頭の中がぼんやりして何も思い浮かばない…」


霧でもかかったように昨夜の記憶が曖昧で何もかも全部あやふや…

思い出そうとしたら思い出すほど記憶の残影は更に霧の中に潜り込んで私の脳内視界から消えていく。


「何かすごく気持ちいい夢みたいなものを見た気はするけど…」


なんとか記憶の緒を辿って昨日のことを思い出そうとした自分。


「確かに夕食の後、部屋に集まって皆で一緒に遊んでたよね…?一緒にアルバムも見て昔話もして…」


それからトランプでババ抜きをしたよね?青葉さんが「虹森さん、全部顔に出ている」って言ってゆりちゃんが「それが良いんですよ♥可愛いみもりちゃんは♥」って笑っていて会長さんからも「素直なのは美徳です」って褒めてくれて。


「もうこんな時間。そろそろ寝ないと。」


って夜が更けて青葉さんが皆にそろそろ寝ることを提案して青葉さんが会長さんと一緒に客室で、私とゆりちゃんがゆりちゃんの部屋で寝ることになりました。


「じゃあ、みもりちゃん。私の部屋で待っていてくださいね?私は少し準備したいものがありまして。」


っと見せたいものがあるとこのまま待っていて欲しいと私に声を掛けたゆりちゃん…


「あ…!」


その辺で私はその後何があったのか正確ではなくてもその輪郭だけなら掴むことができた私。

そしてその自分に更に強い予感の釘を刺してきたのは


「おはようございます…みもりちゃん…」


下着姿で布団の中から這い出してきた半裸のゆりちゃんでした。


フリフリのレースがいっぱいついている、まるでウェディングドレスを思い出させる真っ白な下着。

そして見慣れのない引っ掻かれ、噛まれたような掻き傷と擦り傷。

何より


「昨日はすごかったんですね…♥さすがみもりちゃんです…♥」


っと初々しい赤みのほっぺで昨夜の私のことを称えるその初な顔。

その顔を見られた時、私は自分が大切な幼馴染の女の子を相手に何をしてのか分かるようになってしまったのです。


「媚薬の効果が強すぎたんでしょうか。まだ記憶があやふやなようですね♥」

「あ…うん…先まではね…」


やっぱり薬のせいだったんだ…


「まさかみもりちゃんがあれほど情熱的な人だったとは♥あなたのために磨き上げた私のスキルに耐え抜いてもなお逆に迎え討つとは♥」

「む…迎え討つって…?」


っと不安そうに聞いてくる私のことに


「まだ薬の効きが抜けきれてないのでしょうかね。まあ、それだけ強力な惚れ薬だったということでしょう♥」


更に不穏な言葉で私の不安を煽ってくるゆりちゃん…

いい加減何が起きたのか教えてもらいたいところなんですが


「これにて「花嫁」としてのみもりちゃんも、「花婿」としてのみもりちゃんも全部私のものですね♥」


ゆりちゃんはただそう言いながらニヤニヤ笑っているだけでした…


「みもりちゃん、本当にすごかったんですよ?♥私、一応ゴムは用意してましたがいつの間にか生で中にぶちまけていて♥もう朝ごはんがいらないくらいお腹パンパンです♥

これでもう()()確定ですね♥」


っとぷっくりしたお腹を軽くなでおろして私がゆりちゃんに何をやらかしたのか間接ながら教えてくれるゆりちゃん…!

私は慌てて自分の下半身の方に視線を移しましたが幸いあそこに何の異変も起きてなかったのです。

いや…もうちょっと正確に言うと既に異変は起きていて今はただそれは去っているだけでした…


自分が自ら飲み込んだ薬の正体は今まで何度も飲み込まされたことがある例の惚れ薬。

そしてなんと


「あれ、結構高かったんですよ?なんたって女の子のみもりちゃんの身体の一部を強制的に男の人に取り替えるのですから。」


自分の意志とは関係なく体の一部が強制的に男の人の入れ替わる「ふたなり化」薬…!

私はその薬を飲んでゆりちゃんと…!こ…これ以上は自分の口では言えない…かも!


やっと布団の中から出て私の隣に起き上がるゆりちゃん。

日差しに照らされる栗色の髪の毛と透明な目が白いウェディング下着…ビキニ…?と相まってすごくきれいだったゆりちゃんは


「異種族ならまだしも人間のみもりちゃんには薬の効きが悪くてできるだけ一番高性能の品を使う必要があってそのために結構高い費用を払いましたからもっと感謝してもらいたいです。」


っとその状況を作るためにそれなりの大金を支払ったと私にもっと感謝して欲しいと言いましたがそれを聞いた私はさすがにこう言わざるを得ませんでした。


「なんで!?」


っと。


「今は完全に女の子に戻っているようですね。」

「ま、まあ…そのようだね…」


っとほっとしていた私を


「ゆ…ゆりちゃん…!?」


いきなりすごい勢いで押し倒すゆりちゃん…!

な…なに…!?


とっさの出来事に慌てて戸惑っている私の前にその可愛いペロを出して何かすごい獲物でも見つめているような妖艶な顔を突き出したゆりちゃん。


「まあ、私は別に構いませんけどね…♥」


その艶めかしくて欲情に溢れている眼差しを自分の目で確かめた時、私はいつの間にか服を全部脱がされて


「さあ…♥みもりちゃん…♥食事の前に一回やりませんか…?♥」


気がつけば既にぐちゃぐちゃになってベッドの上にくたばっていたのです…


「みもりちゃんって長期戦ならよほど強いのに短期決戦となるとめっぽう弱っちですね♥まあ、ゆりちゃんの超絶テクニックに掛かれば仕方がないんですが♥

でも私もこれからみもりちゃんに負けないくらいに強くなるんですから覚悟してくださいね?♥」

「わ…分かんないよ…そんなの…」


もう足腰も立たせられなくなった私のお股を拭きながらきれいにしてくれるゆりちゃんのことにはもう何がなんだか分かんなくなっちゃった私はしばらくこんな日々が続くことに薄薄く気がついて来ましたが


「私…本当にゆりちゃんの繋がったんだ…」


いつから自分の左手の薬指に付けられている指輪を見て


「まあ…いいか…」


っと今はこれでいいと思ったのです。

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